音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~ -11ページ目

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団

第577回定期演奏会

 

【日時】

2024年4月13日(土) 開演 15:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:ミシェル・タバシュニク

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:須山暢大)

 

【プログラム】

モーツァルト:交響曲 第36番 ハ長調 K.425「リンツ」

ベルク:管弦楽のための3つの小品

R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮者は、2年前にも一度大フィルで聴いたミシェル・タバシュニク(その記事はこちら)。

そのときに最も印象的だったのはヴェーベルンだったが、今回も同様に、ベルクが最も印象に残った。

 

 

ベルクの「管弦楽のための3つの小品」で私の好きな録音は

 

●R.クラフト指揮 コロンビア響 1960年1月5,6日セッション盤(Apple MusicCDYouTube123

●ブーレーズ指揮 BBC響 1967年3月23日セッション盤(Apple MusicCDYouTube123

●アバド指揮 ウィーン・フィル 1992年4月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●カンブルラン指揮 バーデン=バーデン・フライブルクSWR響 2002年6月21日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

 

あたりである。

 

 

今回のタバシュニク&大フィルの演奏は、これらの名盤に並ぶとは言わないにしても、すっきりとした相当な美演だった。

やはり、アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督を務めたこともある彼だけあって、いわゆる現代音楽が得意なのだろう。

 

 

 

 

 

後半のプログラムは、R.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」。

この曲で私の好きな録音は

 

●ライナー指揮 シカゴ響 1954年3月8日セッション盤(Apple MusicCD

●カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1973年1月26日、3月6日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりである。

 

 

今回のタバシュニク&大フィルの演奏は、ライナーやカラヤンのあまりにも壮大な名演を聴き慣れてしまった私には物足りないが、冒頭の有名さの割にそれほど演奏されないこの曲の緻密な動機労作を実演で楽しめる良い機会だった。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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小林愛実 ピアノ・リサイタル

 

【日時】

2024年3月19日(火) 開演 19:00 (開場 18:30)

 

【会場】

京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ

 

【演奏】

ピアノ:小林愛実

 

【プログラム】

シューベルト:即興曲集 D935 op.142

モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397

シューマン:子供の情景 op.15

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 op.22

 

※アンコール

ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66

ショパン:24の前奏曲 第17番 変イ長調 op.28-17

ショパン:ノクターン 第20番 嬰ハ短調 (遺作)

 

 

 

 

 

好きなピアニスト、小林愛実のピアノリサイタルを聴きに行った。

今回は、彼女の新譜(→こちらのサイト)にも収録されたシューベルトの即興曲集D935、およびシューマンの「子供の情景」を中心としたプログラムである。

 

 

 

 

 

今回のプログラムの中で、私にとっての目玉は、シューマンの「子供の情景」。

この曲で私の好きな録音は

 

●小林愛実(Pf) 2010年12月セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●プーン(Pf) 2022年8月18-20日セッション盤(Apple MusicCDYouTube

 

あたりである。

つまり、14年も前、小林愛実の15歳時からの得意曲なのである。

 

 

 

 

 

そして今回の彼女の実演も、期待に違わぬものだった。

上記録音の15歳のときから十分な表現力を持っていた彼女だが、今回いっそう味わいが増している。

第7曲「トロイメライ」など、かのホロヴィッツよりもアルゲリッチよりも、誰よりも繊細な、甘く切ない演奏だった。

こういう、技巧的に易しく初心者でも演奏でき、かつあまりにも有名でみな飽きたような曲を弾いて、聴き手を思いがけず涙させてしまう、彼女はそういったピアニストである。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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「ストリング Unstopped - C」

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2024年3月16日(土) 開演 20:00

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

チェロ:山本裕康

ピアノ:諸田由里子

 

【プログラム】

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 op.102-1

J.S.バッハ/シューマン:有伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009

サン・サーンス:チェロ・ソナタ 第1番 ハ短調 op.32

 

※アンコール

フォーレ:「夢のあとに」 (チェロ版)

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュでのコンサートをオンライン配信で聴いた。

山本裕康&諸田由里子による、チェロ・ソナタ集のリサイタルである。

目玉は何といっても、バッハの無伴奏チェロ組曲第3番の、シューマンによるチェロ&ピアノ用編曲版。

私は今回初めて聴いたが、1853年という最晩年のシューマンの手になるだけあって、シンプルな編曲ながら大変美しく、原曲に負けない魅力を持っている。

原曲至上主義の私だが、あるいは原曲より好きかもしれない。

今回の山本裕康らの演奏は、最上とは言わないにしても、曲の良さを十分に味わえるものだったと思う。

 

 

 

 

 

他に演奏機会の比較的少ない曲としては、サン=サーンスのチェロ・ソナタ第1番も演奏された。

この曲で私の好きな録音は

 

●ナヴァラ(Vc) ダルコ(Pf) 1976年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●トルトゥリエ(Vc) デ・ラ・パウ(Pf) 1979年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●イッサーリス(Vc) ドゥヴァイヨン(Pf) 1992-1993年セッション盤(Apple MusicCDYouTube123

 

あたりである。

今回の山本裕康らの演奏は、これらの名盤ほどの存在感や艶はなかったものの、今回の演奏曲目の中では、彼の厚めの音が曲に合っているように感じた。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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びわ湖ホールプロデュースオペラ

R.シュトラウス作曲 『ばらの騎士』(ドイツ語上演・日本語字幕付)

 

【日時】

2023年3月2日(土) 開演 14:00 (開場 13:00)

 

【会場】

びわ湖ホール 大ホール (滋賀県)

 

【スタッフ&キャスト】

指揮:阪哲朗 (びわ湖ホール芸術監督)

演出:中村敬一

装置:増田寿子

衣裳:半田悦子

照明:山本英明

音響:小野隆浩(びわ湖ホール)

映像:荒井雄貴

舞台監督:山田ゆか

 

元帥夫人:森谷真理

オックス男爵:妻屋秀和

オクタヴィアン:八木寿子

ファーニナル:青山貴

ゾフィー:石橋栄実

マリアンネ:船越亜弥

ヴァルツァッキ:高橋淳

アンニーナ:益田早織

警部:松森治

元帥夫人の執事:島影聖人

ファーニナル家の執事:古屋彰久

公証人:晴雅彦

料理屋の主人:山本康寛

テノール歌手:清水徹太郎

帽子屋:山岸裕梨

動物商:谷口耕平

料理屋の使用人:大野光星

3人の孤児:高田瑞希、山内由香、藤居知佳子

元帥夫人の従僕:有本康人、奥本凱哉、市川敏雅、西田昂平

 

管弦楽:京都市交響楽団

(コンサートマスター:泉原隆志)

合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル / 大津児童合唱団

 

【プログラム】

R.シュトラウス:「ばらの騎士」

 

 

 

 

 

びわ湖ホールで毎年3月に行われている、京都市交響楽団を迎えてのオペラシリーズ。

昨年(2023年)は、下記リブログ元の記事に書いたとおり、沼尻竜典の指揮によるヴァーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」だった。

今回は芸術監督が沼尻竜典から阪哲朗に変わっての第一弾、R.シュトラウス「ばらの騎士」である。

 

 

 

 

 

R.シュトラウスの「ばらの騎士」で私の好きな録音は

 

●E.クライバー指揮 ウィーン・フィル 1954年5月29日-6月28日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●カラヤン指揮 フィルハーモニア管 1956年12月10-15、17-22日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●C.クライバー指揮 バイエルン国立歌劇場管 1979年5,6月ミュンヘンライヴ盤(DVD

●ショルティ指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場管 1985年2月14日ロンドンライヴ盤(DVD

 

あたりである。

数多あるこの曲の名盤の中でも、この4つはそれぞれ異なる強烈な個性、特長を持っており、いずれも外すことができない。

また、これらの歴史的名盤には一歩譲るかもしれないが、METライブビューイングで鑑賞したヤング&メトロポリタン歌劇場管の演奏も印象的だった(その記事はこちら)。

 

 

 

 

 

今回の阪哲朗&京響の演奏は、上記名盤たちのような確固たる個性、他の追随を許さないオーラは、さすがに聴かれなかった。

それでも、からりと乾いたテンポ、よどみない音楽の流れの中から、阪哲朗が研鑽を積んだというウィーンの雰囲気がどことなくほのかに香り、ウィーンを舞台とするこのオペラにふさわしい感じがあった。

その意味では、上記名盤の中ではクライバー父子のやり方に近かったと言えるかもしれない(もっとあっさりしてはいたが)。

現在生で聴ける「ばらの騎士」の演奏としては、本格的なものの一つと言っていいだろう。

 

 

 

 

 

びわ湖ホールの前芸術監督であった沼尻竜典をクレンペラー・タイプだとすると、同ホールの現芸術監督である阪哲朗はE.クライバー・タイプではなかろうか。

べたっとしない理知的な音楽づくりという点では両者共通しているが、前者が音の響きの純な調和を重視するのに対し、後者は音の流れのさっぱりした躍動感を重視する。

“音楽の3要素”でいうと、前者からはハーモニーを、後者からはリズムを、私は強く感じる。

阪哲朗の「ばらの騎士」を聴きながら、私は沼尻竜典の「ばらの騎士」が一体どんなふうになるのか、クレンペラーや同タイプの指揮者たちが録音していないためあまり想像がつかない、美しいハーモニーに満ちた大変な名演となるのか、それともリズムを重視したやり方のほうがやはりこの曲には合うのか、いつか聴いてみたいものだ、といったことを考えた。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 

 

 


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大阪フィルハーモニー交響楽団

第576回定期演奏会

 

【日時】

2024年3月1日(金) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:エリアフ・インバル

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:須山暢大)

 

【プログラム】

マーラー:交響曲 第10番 嬰ヘ長調 (デリック・クック補筆版)

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

マーラーの交響曲第10番(クック版)で私の好きな録音は

 

●ハーディング指揮 ウィーン・フィル 2007年10月23-27日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube12345

●ネゼ=セガン指揮 モントリオール・メトロポリタン管 2014年10月モントリオールライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube12345

 

あたりである。

ウィーン・フィルの美音を心ゆくまで堪能できるハーディング盤に、連綿たる歌の繊細さにかけて右に出る者のないネゼ=セガン盤。

今回のインバル&大フィルの演奏は、これらの名盤のような洗練は聴かれないが、インバルであればそれも予想の範囲内。

無骨なところのある職人気質のマーラー第10番、これはこれで楽しんだ。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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