2025年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門) ファイナル 第4日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ベルギーのブリュッセルで開催されている、2025年エリザベート王妃国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

5月29日は、ファイナルの第4日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、2025年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。

 

2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)が終わって

1次予選 第1~6日

セミファイナル 第1~5日

セミファイナル 第6日

ファイナル 第1日

ファイナル 第2日

ファイナル 第3日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイ/マーネである。

また、以下の協奏曲は大野和士指揮、ブリュッセル・フィルハーモニックとの共演である。

 

 

 

 

 

第4日(5月29日)

 

 

09. Arthur HINNEWINKEL (France, 2000-)

 

Kris Defoort: Music for the Heart

Robert Schumann: Concerto in A minor op. 54

 

シューマン、大変に明るい、フランスらしい音が印象的。

ピアノとクラリネットの掛け合いの部分では、伸びやかなメロディを得意とするはずのクラリネットが、ピアノの美しさの陰に隠れてしまうほど。

そして、ピアノが一人で弾く部分、例えば第1楽章コデッタ前やカデンツァでは、気の利いたルバート(テンポの揺らし)が抒情味をいや増す。

繰り返しの多い第2楽章のスタッカートや終楽章の音階も、しっかりと“歌”にすることで、飽きが来るのを防いでいる。

技巧の確かさがあればなお良かったが、ラフマニノフやプロコフィエフのような最難曲と違ってこの曲ではそこまで気にならず、技巧派タイプでない彼には最良の選曲だろう。

 

 

35. Jiaxin MIN (China, 1996-)

 

Kris Defoort: Music for the Heart

Sergey Prokofiev: Concerto n. 3 in C major op. 26

 

今大会で初めて知った彼女、1次やセミファイナルでその緻密さや表現力に唸らされたが、プロコフィエフの協奏曲は彼女の内向的な性質に合わないのではないかと予想していた。

しかし聴いてみると、第1日の吉見友貴や第3日のSergey TANINのスタンダードなものとは全く違った個性的な演奏に、より強い印象を受けた。

スピード感は犠牲にして、細部までじっくり表現することのほうへ完全に重点を置いている。

第2楽章の緩徐変奏の瞑想的な歌、終楽章コーダの腰を据えた打撃、いずれも新鮮に響く。

技巧的完成度としても、今大会のファイナリストたちの中ではトップクラスの一人。

吉見友貴やSergey TANINの標準的な解釈を時折懐かしく思いつつも、大変面白く聴けた。

 

 

 

 

 

そんなわけで、ファイナル第1~4日の8人の演奏を気に入った順に並べると

 

04. Valère BURNON (Belgium, 1998-)

35. Jiaxin MIN (China, 1996-)

09. Arthur HINNEWINKEL (France, 2000-)

46. Sergey TANIN (Russian Federation, 1995-)

34. Nathalia MILSTEIN (France, 1995-)

55. Yuki YOSHIMI (Japan, 2000-)

32. Nikola MEEUWSEN (The Netherlands, 2002-)

03. Rachel BREEN (United States of America, 1996-)

 

といったところか。

“後に聴いた方を良く感じる病”にかかってしまったような気もするが、とにかく感じたままに並べてみた。

上位3人あたりが、今のところ優勝に近そうな気がするが、実際のところはどうだろうか。

 

 

 

 

 

次回(5月30日)はファイナルの第5日。

いよいよ桑原志織が登場する。

 

 


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