佐藤卓史 中村太地 辻本玲 京都公演 ブラームス ピアノ三重奏曲第1番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

「青春ブラームス」

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2023年2月28日(火) 開演 20:00

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

ピアノ:佐藤卓史 *

ヴァイオリン:中村太地 #

チェロ:辻本玲 ‡

 

【プログラム】

ブラームス:FAEソナタ (1853) より 第3楽章 Scherzo *#

ブラームス:「見知らぬ土地で」 op.3-5 (1853) *‡

ブラームス:「リート」 op.3-6 (1853) *‡

クララ・シューマン:ピアノ三重奏曲 ト短調 op.17 (1846) より 第1楽章 Allegro Moderato *#‡

ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 op.8 (1854/1889) *#‡

 

 

 

 

 

カフェ・モンタージュ主催のコンサートをオンライン配信で聴いた。

佐藤卓史と中村太地と辻本玲による、クララ・シューマンおよびブラームスのピアノ三重奏曲ほかの演奏会である。

佐藤卓史と中村太地は、前日に引き続いての出演(その記事はこちら)。

 

 

 

 

 

前半のプログラムは、若きブラームスのFAEソナタやリート(チェロ編曲版)と、クララ・シューマンのピアノ三重奏曲の1楽章。

クララのピアノ三重奏曲は耳なじみのない曲だが、同じ調のショパンのピアノ三重奏曲と似た、メランコリックな雰囲気の曲だった。

 

 

 

 

 

後半のプログラムは、ブラームスのピアノ三重奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●カリクシュタイン(Pf) ラレード(Vn) ロビンソン(Vc) 1984年4,5月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●松本和将(Pf) 上里はな子(Vn) 向井航(Vc) 2013年5月12日倉敷ライヴ(動画1234

●島田彩乃(Pf) 上里はな子(Vn) 江口心一(Vc) 2022年5月21日京都ライヴ(その記事はこちら

 

あたりである。

また、松本和将・上里はな子・向井航による2017年の実演も大変素晴らしく、圧倒された(その記事はこちら)。

 

 

今回の佐藤卓史らの演奏は、上記名盤たちのいかにもブラームスらしい重厚さとは違った、爽やかさの感じられるものだった。

この曲が、ブラームスの若き日の作品であることを思い出させてくれる(逆に上記名盤たちは、この曲が円熟期のブラームスによって改訂されたことを思い出させてくれる)。

その若々しい印象に最も寄与しているのは、中村太地のヴァイオリンの音の明るさ・柔らかさで、音程面に難はあれど、心地よいブラームスだった。

 

 

また、辻本玲のチェロがなかなか安定していたのと、あと何といっても佐藤卓史のピアノが良かった。

いつもながら演奏の完成度が高く、また第1楽章展開部や終楽章コーダなど大変に情熱的で、上記の松本和将と双璧。

それでいて、松本和将より音が細めですらっとしているのが“ウィーンのブラームス”といった感じで、彼らしさがよく出ていた。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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