藤田真央 モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会
第2回(全5回) 限りない哀愁と苦悩
【日時】
2021年10月3日(日) 開演 14:00 (開場 13:30)
【会場】
京都コンサートホール 小ホール(アンサンブルホールムラタ)
【演奏】
ピアノ:藤田真央
【プログラム】
モーツァルト:幻想曲(未完)ニ短調 K.397
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第9(8)番 イ短調 K.310
モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
モーツァルト:幻想曲 K.475 ハ短調
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.457
※アンコール
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第8(9)番 ニ長調 K.311 より 第3楽章
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15(18)番 ヘ長調 K.533/494 より 第3楽章
下記リブログ元の記事に書いていた、藤田真央のピアノリサイタルを聴きに行った。
彼の実演を聴くのはこれで6回目。
今回は、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズの第2回である。
今回は、モーツァルトの短調の曲を集めたプログラム。
特に、ソナタ第8番、それから先日も聴いたソナタ第14番(その記事はこちら)、この2曲のデモーニッシュな烈しさが印象深かった。
彼の弾くベートーヴェンの短調曲、例えば「テンペスト」ソナタが、美しいのだがやや歌がありすぎたのに対し(その記事はこちら)、彼の弾くモーツァルトの短調曲は、ドン・ジョヴァンニや騎士長のアリアのような、モーツァルト一級のドラマティックな歌として理想的に鳴り響く。
ソナタ以外の小品も素晴らしかった。
特に、ロンドK.511のあの暗闇に光が差すような中間部、中でもノンレガートの三連符のパッセージなどは、音に羽が生えたよう。
音階を上がったり下がったりするだけの一見無機質なパッセージに、ここまで命を吹き込む人は、彼のほかにはいない。
また、悲しい短調の曲ばかり続いた後に、アンコールで長調の明るく可愛らしい曲が2曲奏されたのも、贅沢なお口直しである。
その後、さらなるお口直しとして、彼のいつもの軽妙なトークが待っていた。
前回京都公演の帰り、新幹線で缶チューハイを飲みながらドイツ語の宿題を解いていたら、お手洗い前で気を失ってしまい、同年代の若いスタッフ数人に懇切丁寧に介抱されたとのこと。
世界的ピアニストを介抱したスタッフたち、良い思い出になるかも?
余談だが、ツイッターでフォローさせていただいている方に、この公演を機に初めてお会いした。
レヴァインのゲネプロや朝比奈時代の大フィルを聴かれた話、マリア・カラスやルービンシュタインの話など、たくさんの興味深いお話がきけて、楽しい時間を過ごした。
(画像はこちらのページよりお借りしました)
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