ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
【日時】
2021年11月11日(木) 開演 19:00 (開場 18:30)
【会場】
住友生命いずみホール (大阪)
【演奏】
ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ
【プログラム】
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 より
第1番ハ長調 BWV870
第12番ヘ短調 BWV881
第17番変イ長調 BWV886
第8番嬰ニ短調 BWV877
第11番ヘ長調 BWV880
第22番変ロ短調 BWV891
第7番変ホ長調 BWV876
第16番ト短調 BWV885
第9番ホ長調 BWV878
第18番嬰ト短調 BWV887
第23番ロ長調 BWV892
第24番ロ短調 BWV893
※アンコール
J.S.バッハ:パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825 より サラバンド
名ピアニスト、ピョートル・アンデルジェフスキのリサイタルを聴きに行った。
オール・バッハ・プログラムで、すべて平均律第2巻から採られている。
彼の新譜(その記事はこちら)と全く同じ選曲・曲順である。
なお、ピアノはスタインウェイ。
今回の演奏は、もちろん良いものだった。
ただ、以前にも何度か書いたように(その記事はこちらなど)、11年前にポーランドはワルシャワで聴いた彼の演奏が、これまでに私が聴いたあらゆる演奏会の中でも特に印象深いものの一つだったのだが、今回はそこまでの感動は得られなかった。
平均律第2巻というと、10年前に東京で聴いたアンドラーシュ・シフによる全曲演奏会が、これまたあらゆる演奏会の中でも特に印象深いものの一つだったのだが、それとつい比べてしまうのも一因かもしれない。
11年前にアンデルジェフスキが弾いたバッハのイギリス組曲第5番は、冒頭のプレリュードのフーガからして、何気ないようでいながら驚異的なタッチコントロールを誇っていた。
同じ日に彼の前に聴いたマレイ・ペライアのバッハが、完全に霞んでしまったほどである。
今回は、それほどのコントロールは聴かれず、ペダルに頼って響きが濁る箇所もあった。
第11番ヘ長調のフーガや第23番ロ長調のプレリュードでは、少し焦りすぎている様子もみられた(なお、上述の彼の新譜はベストテイクのためかこういった問題はみられない)。
とはいえ、11年前のあの演奏を知らなければ、文句もなかったかもしれない。
それくらいの出来ではあった。
ホールの違いも大きいか(ワルシャワのフィルハーモニーは本当に響きが良かった)。
それに、第9番ホ長調のプレリュードや第18番嬰ト短調のフーガといった落ち着いた静かな曲では、11年前のあの忘れがたい「天上のオルゴール」とでもいうべき珠玉の音色の面影もあった。
コロナ禍で来日してくれたのはありがたかったし、終演後ににこやかで満足そうだったのもほっとした(11年前はもっと神経質そうな様子に見えた)。
(画像はこちらのページよりお借りしました)
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