2021年リーズ国際ピアノコンクール セミファイナル 第2日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イギリスのリーズで開催されている、2021年リーズ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

9月13日は、セミファイナルの第2日。

ネット配信を聴いた(こちらこちら)。

ちなみに、2021年リーズ国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

2018年リーズ国際ピアノコンクールが終わって

2021年リーズ国際ピアノコンクール 出場者発表

2021年リーズ国際ピアノコンクール 1次予選通過者発表

2次予選 第1日

2次予選 第2日

2次予選 第3日

セミファイナル 第1日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイである。

 

 

1. Ariel LANYI (Israel, age 23)

 

Ludwig van Beethoven: Andante Favori, WoO 57

George Benjamin: Meditation and Relativity Rag

Robert Schumann: Humoreske in B-flat Major, Op. 20

Maurice Ravel: Piano Trio in A Minor, M. 67

 

澄んだ美音、端正な様式を持ち、ベートーヴェンやラヴェルのこれらの曲の清潔感によく合うし、ベンジャミンとシューマンは第1日のXiaolu ZANGに比べ表現力は大差ないものの音自体の美しさで優る。

今大会で最も“リーズ好みの”演奏者といえそう。

 

 

2. Hyunjin ROH (South Korea, age 20)

 

György Ligeti: Études for Piano, Book I - No. 5: Arc-en-ciel

György Ligeti: Études for Piano, Book II - No.10 Der Zauberlehrling

György Ligeti: Études for Piano, Book II - No. 11 En suspens

Johannes Brahms: 6 Klavierstücke, Op. 118

Antonín Dvořák: Piano Quintet No. 2 in A Major, Op. 81

 

悪い演奏ではないのだが、情熱的な彼女の演奏は、リゲティの冷徹やブラームスの滋味とはいまいち相容れない気もする。

ドヴォルザークは、第1楽章は少し重いが第3、4楽章は鮮やか。

選曲のためもあり2次ほどのインパクトはなかったが、パワーやテクはあるほうであり、ファイナルの協奏曲では映えそう。

 

 

3. Elizaveta KLIUCHEREVA (Russia, age 22)

 

César Franck: Prélude, Choral et Fugue

György Ligeti: Études for Piano, Book I - No.6 Automne a Varsovie

György Ligeti: Études for Piano, Book II - No.13 L'Escalier du Diable

Sergei Rachmaninov: Polka de W.R.

Antonín Dvořák: Piano Quintet No. 2 in A Major, Op. 81

 

フランクは情熱的かつシャープ、なかなかの名演。

リゲティは鮮やかというほどではないが、ひんやり感は伝わる。

ドヴォルザークは先ほどのHyunjin ROHに比し第1楽章はより歌があるが、第3、4楽章のキレでは劣り、全楽章では互角か。

 

 

4. Priscila NAVARRO (Peru, age 27)

 

Johann Sebastian Bach: Goldberg Variations, BWV 988

Thomas Adès: Three Mazurkas, Op. 27

Ludwig van Beethoven: Sonata for Violin and Piano No. 7 in C Minor, Op. 30 No. 2

 

あえてゴルトベルク変奏曲一本で勝負するほどのこだわりの対位法処理とは思わないが、それでも明るい歌と勢いがあって悪くない。

ベートーヴェンも、あまり悲劇性を出さない軽めのタッチの明るい演奏で、こちらも悪くない。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第2日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

1. Ariel LANYI (Israel, age 23)

2. Hyunjin ROH (South Korea, age 20)

3. Elizaveta KLIUCHEREVA (Russia, age 22)

 

あたりである。

次点で、

 

4. Priscila NAVARRO (Peru, age 27)

 

あたりか。

と少し差を付けたものの、今回の出来としては皆おおむね横並びの印象である(Ariel LANYIはややリードしているかもしれないが)。

 

 

次回(9月14日)はセミファイナルの第3日。

セミファイナルの最終日である。

ちょうど今から小林海都の演奏である。

 

 


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