(イザベル・ファウストの新譜 ベートーヴェン 三重協奏曲) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなヴァイオリニスト、イザベル・ファウストの新譜が発売された(Apple MusicCD)。

曲目は、ベートーヴェンの三重協奏曲、および交響曲第2番(ピアノ三重奏版)である。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

早くも2021年の最高の注目盤が登場!
ファウスト、ケラス、メルニコフ
そしてエラス=カサド&フライブルク・バロック・オーケストラ
現代最高峰のメンバーによるベートーヴェンのトリプル・コンチェルト


ハルモニアムンディのベートーヴェン生誕250周年である2020年から没後200年となる2027年に向けた録音企画シリーズから大型新譜がリリースされます。
ファウスト、ケラス、メルニコフ、そして2020年度のレコード・アカデミー賞大賞を受賞したエラス=カサド、フライブルク・バロック・オーケストラによるベートーヴェンの三重協奏曲。シューマンの協奏曲プロジェクトも成功させた彼らの演奏に大きな期待がかかります。
三重協奏曲は、弟子のルドルフ大公がピアノで知人たちと演奏するために書かれたといわれています。ですのでピアノ・パートは技巧的ではありませんが効果的に書かれ、ヴァイオリンとチェロは各々楽器の響きを生かした主題が現れ、ピアノとオーケストラが調和します。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準での、名盤が誕生しました。
そして、ベートーヴェン自身の編曲による交響曲第2番のピアノ三重奏曲版。オーケストラ作品を少人数の室内楽で楽しむための編曲で、原曲とは違った魅力があります。ファウスト、ケラス、メルニコフの3人はベートーヴェンのピアノ三重奏曲集をリリースしており、細やかな表情づけ、息ののむような美しい演奏を聴かせてくれているだけあって、お互いに自由に羽ばたいているのに、息はピタリと合っており、この版の決定版と言えるでしょう。(輸入元情報)

 

【収録情報】
ベートーヴェン:
1. ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための三重協奏曲ハ長調 Op.56
2. 交響曲第2番ニ長調 Op.36(作曲者自身の編曲によるピアノ三重奏曲版)


イザベル・ファウスト(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「スリーピング・ビューティ」)
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ/ジョフレド・カッパ1696年)
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ/Lagrassa 1815年頃、エドウィン・ボインク・コレクション:1、クリストフ・ケルン 2014年製/1795年製アントン・ヴァルター(ウィーン)・モデル、メルニコフ・コレクション:2)
フライブルク・バロック・オーケストラ(1)
パブロ・エラス=カサド(指揮:1)

録音時期:2020年2月、6月
録音場所:テルデックス・スタジオ・ベルリン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

ベートーヴェンの三重協奏曲で私の好きな録音は

 

●リヒテル(Pf) D.オイストラフ(Vn) ロストロポーヴィチ(Vc) カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1969年9月15-17日セッション盤(NMLApple MusicCD

●B=スコダ(Pf) フランツヨーゼフ・マイアー(Vn) ビルスマ(Vc) コレギウム・アウレウム 1974年セッション盤(Apple MusicCD

●エマール(Pf) ツェートマイアー(Vn) C.ハーゲン(Vc) アーノンクール指揮 ヨーロッパ室内管 2004年6月17-22日セッション盤(NMLApple MusicCD

●児玉麻里(Pf) K.ブラッハー(Vn) モーザー(Vc) ナガノ指揮 ベルリン・ドイツ響 2010年2月9,10日セッション盤(NMLApple MusicCD

●ラツィック(Pf) カルミニョーラ(Vn) ガベッタ(Vc) アントニーニ指揮 バーゼル室内管 2013年6月セッション盤(Apple MusicCD

●コルスティック(Pf) イルンベルガー(Vn) ゲリンガス(Vc) ジャッド指揮 ロイヤル・フィル 2016年セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

 

 

今回のイザベル・ファウストらの盤は、これらに並ぶ出来だと思う。

特に、ファウストのヴァイオリンとケラスのチェロは、言うことなし。

メルニコフのピアノももちろん良いのだが、できればフォルテピアノでなくモダンピアノによる演奏も聴いてみたかった(「大公」トリオも同様)。

エラス=カサドのあっさりした指揮も、この曲には悪くない。

 

 

交響曲第2番のピアノ三重奏版、こちらがまた大変良い。

うまい3人が揃っているため、演奏の完成度がきわめて高く、並みの交響曲演奏よりもはるかに聴きごたえがある。

終楽章の無窮動的音型など、ピアノで弾くと相当に難しそうなのに、メルニコフの手にかかってはスラスラ。

 

 

 

 

 

Triple Concerto in C Major, Op. 56: I. Allegro - YouTube

Triple Concerto in C Major, Op. 56: II. Largo

Triple Concerto in C Major, Op. 56: III. Rondo alla Polacc

 

 

Symphony No. 2 in D Major, Op. 36: I. Adagio. Allegro con brio

Symphony No. 2 in D Major, Op. 36: II. Larghetto quasi andante

Symphony No. 2 in D Major, Op. 36: III. Scherzo. Trio

Symphony No. 2 in D Major, Op. 36: IV. Allegro molto

 

 

 

 

 

なお、イザベル・ファウストのこれまでのCDについての記事はこちら。

 

イザベル・ファウストの新譜 ドビュッシー ヴァイオリン・ソナタ

イザベル・ファウストの新譜 モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第30、28、42番

※この後バッハのヴァイオリン協奏曲集、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集第2弾、シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲の新譜を出しているが記事は書いていない

 

 


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