(カンブルラン指揮ハンブルク響とアルゲリッチの演奏動画 ラヴェル ベートーヴェン) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

好きな指揮者、シルヴァン・カンブルランの新しい演奏動画がアップされた。

動画はこちら。

 

 

 

 

 

ライスハレ (ハンブルク)

ハンブルク交響楽団(指揮:シルヴァン・カンブルラン、ピアノ:マルタ・アルゲリッチ)

 

ラヴェル:クープランの墓(1:50-)

ベートーヴェン:交響曲 第8番 ヘ長調 op.93

 第1楽章(24:15-)

 第2楽章(33:23-)

 第3楽章(37:40-)

 第4楽章(42:52-)

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

 第1楽章(58:36-)

 第2楽章(1:07:28-)

 第3楽章(1:17:31-)

 

 

 

 

 

素晴らしい演奏。

ラヴェルもベートーヴェンも、とても優雅。

ベートーヴェンの交響曲第8番というと、私はフルトヴェングラー指揮ストックホルム・フィルや、カラヤン指揮ベルリン・フィルといった、まるでエロイカ交響曲のようにずっしりと重々しい名盤が好きなのだが、本来はハイドン風の陽気で軽快な曲のはず。

今回のカンブルラン指揮ハンブルク響の演奏は、そういったこの曲の本来の良さを、爽やかさたっぷりに引き出してくれた。

クレンペラー指揮ベルリン国立歌劇場管や、ナガノ指揮モントリオール響なども、透明感を重視したカンブルランに近いアプローチなのだが、最も明るく優雅なのは今回のカンブルランだと思う。

2019年にカンブルランの実演を聴いた、ハイドンの交響曲第104番を思い出す(その記事はこちら)。

あの時もまさに今回同様、フルトヴェングラーやカラヤンによるこの曲の「エロイカ」風の名盤の呪縛から、私を解き放ってくれたのだった。

 

 

ラヴェルのピアノ協奏曲は、以前にも少し書いたように(その記事はこちら)、2002年のアルゲリッチのザルツブルク音楽祭ライヴ放送のエアチェックがあまりにすごい演奏で、これに匹敵するものを今でも一向に見つけられない。

2010年に聴いた彼女自身の実演(その記事はこちら、記録のみ)でさえ、その演奏に比べると霞んでしまったほど。

今回の演奏も、やはり大人しくなってしまっている。

終楽章など特にそうだし、第1楽章の展開部も、最初は一瞬「おっ」と思わせる攻めのテンポだが、すぐにペースダウンしてしまう。

とはいえ、彼女が79歳であることを思えば、十分すぎる演奏。

それに、まったりしたカンブルランの音楽性と相性が良いともいえるかも。

また、実演でも感じたように、第2楽章での歌心などは、未だ衰えることのない、いやむしろ円熟を増したといえるかもしれない、彼女の真骨頂である。

 

 

余談だが、この動画のインタビューでは、フランス人のカンブルランがドイツ語をスラスラと喋っており、さすが。

 

 

なお、前回の演奏動画もぜひ(下記リブログ元の記事)。

 

 

 

 


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