進藤実優オンラインピアノコンサート
※無観客公演、ライブストリーミング配信
【日時】
2020年9月13日(日) 開演 19:00
【会場】
ナゴヤピアノコンサートサロン(名古屋ピアノ調律センター3階)
【演奏】
ピアノ:進藤実優
【プログラム】
ショパン:12の練習曲 作品10の全曲(12番まで)
リスト:ノルマの回想
※アンコール
ショパン:24の前奏曲 作品28 より 第7番 イ長調
下記のリブログ元の記事に書いていた、進藤実優のオンラインコンサートを聴いた(動画はこちら)。
名古屋ピアノ調律センターによるオンラインピアノコンサートシリーズの第3弾である(第2弾の中川真耶加の記事はこちら)。
ネット配信の音質は最上とは言えないが、それでもこのような催しは大変ありがたい。
前半の曲は、ショパンの「12のエチュード」op.10全曲。
個々のエチュードで私の好きな録音は、以前に書いたのでここでは繰り返さない(その記事はこちら)。
今回の進藤実優の演奏もなかなかの出来だった。
特に第6、11番といった緩徐な曲の音楽表現が傑出している。
急速な曲は、目の覚めるようなテクニックが聴かれるかといわれるとそこまでではないものの、どの曲も水準以上であり目立ってイマイチな曲がなく(少しルバートの多用が気になる曲もないではないが)、全曲演奏としての完成度が高い。
急速な曲で比較的印象深いのは第7、12番あたりか。
後半の曲は、リストの「ノルマの回想」。
この曲で私の好きな録音は
●モーク(Pf) 2008年11月27-30日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ノ・イェジン(Pf) 2015年11月28日浜コンライヴ盤(CD)
●古海行子(Pf) 2016年11月12日パデレフスキコンクールライヴ(動画)
あたりである。
これらの演奏はオペラ・パラフレーズらしい華やかなロマン性を有しているが、今回の進藤実優はそうではなく、曲にじっくり取り組んだような真面目さというか、粘り強さが感じられるのが彼女らしい。
その粘りはこの曲で必ずしも成功しているとはいえず、「予言の力で」の行進曲風の部分などもっと威勢よく前へ進む音楽であってほしいし、緩徐部分もこの曲でここまで粘らなくてもとは思うけれど、それが彼女のやり方なのだろう。
「お父様」の部分の広大なアルペッジョや、「戦争だ」の部分の幅広い跳躍は、なかなかよく安定している。
アンコールは、ショパンの有名な前奏曲第7番。
ごく短い曲だが、彼女が弾くと通常よりもずっとゆっくりで雄弁、大変に味わい深い。
やはり彼女は、こういう詩的な曲でとりわけ大きな魅力を発揮する人であるように思う。
(画像はこちらのページよりお借りしました)
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