(進藤実優のライヴDVD リスト ラ・カンパネラ ショパン バラード第1番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

先日書いた中川真耶加と丸山凪乃に引き続き、今回は進藤実優の2016年4月30日の宗次ホールでのピアノリサイタルのライヴDVDが手元に届いたので視聴した。

この公演には私は行っていないので、聴くのは今回が初めて。

曲目は以下の通り。

 

 

J.S.バッハ/ブゾーニ:主イエスキリスト 我汝を呼ぶ BWV639

リスト:パガニーニ大練習曲 第3番 嬰ト短調 S.141/3 「ラ・カンパネラ」

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22 より 華麗なる大ポロネーズ

ショパン:バラード 第1番 ト短調 op.23

 

 

当時弱冠14歳ということで、期待は禁物と思いながら聴いたが、そんな心配は杞憂で、どの曲も中学生とは思えないうまさだった。

リストのラ・カンパネラは丸山凪乃も名演だったが、今回の進藤実優も全く劣らない(そういえば丸山凪乃も当時弱冠16歳なのだが)。

自由なアゴーギクを持つ丸山凪乃に比べ、進藤実優はより端正なスタイルだが、表現は決して生硬にならない。

主要主題の2回目の再現時、右手の長いトリルの下、左手でしっとりと回想されるメロディの、えもいわれぬ美しさ。

 

 

バラード第1番は、意外にあっさりしていた丸山凪乃よりもむしろ表現力が上回っているほど。

テクニック的にも充実していて、特に中間部、第2主題が分厚い和音で雄大に展開された後、軽快な部分に至る直前の、右手がジグザグと半音階的に急速上行する箇所。

この右手のパッセージの鮮やかさと、それを支える左手の和音の何気ない雄弁さは、これまで散々聴いたこの曲のどの演奏よりも見事。

コーダも、最上の演奏とは言わないまでも、雰囲気が出ている。

彼女が今弾いたら、さらにすごい演奏になるかもしれない。

 

 

なお、宗次ホールのこれまでのライヴDVDについての記事はこちら。

 

中川真耶加のライヴDVD ショパン 即興曲第3番 舟歌 スケルツォ第1番 マズルカ第32番

丸山凪乃のライヴDVD ショパン バラード第1、4番 ワルツ第2番 マズルカ作品59

 

 


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