京都市交響楽団メンバー他 京都公演 バッハ ブランデンブルク協奏曲第4、5番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

Geburtstag

335 Jahre J.S.Bach

※ライブストリーミング配信

 

【日時】

2020年3月21日(土) 開演 20:00

 

【会場】

カフェ・モンタージュ (京都)

 

【演奏】

フルート:上野博昭(京都市交響楽団 首席奏者) #+

フルート:中川佳子(京都市交響楽団 副首席奏者) #

ソロ・ヴァイオリン:島田真千子 *#+

ヴァイオリン:杉江洋子(京都市交響楽団 副首席奏者) *#+

ヴァイオリン:相本朋子(京都市交響楽団) *#+

ヴィオラ:金本洋子(京都市交響楽団) *#+

チェロ:上森祥平 *#+

コントラバス:村田和幸(日本センチュリー交響楽団 首席奏者) *#+

チェンバロ:桑生美千佳 #+

 

【プログラム】

カフェ・モンタージュ内全員による:

・沈黙

 

J.S.バッハ:

・「音楽の捧げもの」 BWV1079 より 6声のリチェルカーレ *

・ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049 #

・ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050 +

 

 

 

 

 

下記のリブログ元の記事に書いた、カフェ・モンタージュの無料ライヴ配信を聴いた。

バッハ生誕335周年を記念した、京響のメンバーを中心とする奏者たちによるオール・バッハ・プログラムである。

 

 

最初の曲は、バッハの「音楽の捧げもの」より6声のリチェルカーレ(弦楽六重奏版)。

この曲の弦楽六重奏版による録音となると私はあまり知らず、パイヤール室内管メンバーによる1974年盤くらいしか思い浮かばない。

今回の京響メンバーたちによる演奏は、厚いヴィブラートを施されたパイヤール盤よりもすっきりしているし、テンポにも落ち着きがある。

ただ、そのぶん音程などに難もあり、総合的には概ね同じくらいか。

 

 

続いて、バッハのブランデンブルク協奏曲第4、5番。

この2曲で私の好きな録音は

 

●G.レオンハルト指揮 S.クイケン、F.ブリュッヘン他 1976年1月(第5番),1977年3月(第4番)セッション盤(CD

●ヒュンテラー指揮 18世紀カメラータ 1996年9月,1997年2月セッション盤(CD

●アレッサンドリーニ指揮 コンチェルト・イタリアーノ 2005年3月セッション盤(NMLApple MusicCD

●鈴木雅明 指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン 2008年6月セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

今回の京響メンバーたちによる演奏は、これら4盤ほどの安定感は聴かれなかった。

ヴァイオリンの島田真千子は、端正というよりは自由でラプソディックな演奏で、音程など全体的に不安定。

第4番の第1楽章や終楽章における急速部分(ジャズにおけるソロ回しのような箇所)では、サラサーテの「序奏とタランテラ」でも聴いているかのようなノリの良さがあって、こういうところは面白いのだが。

チェンバロの桑生美千佳も自由なスタイル。

第5番の第1楽章カデンツァなどテンポが常に揺れ動き、面白いと言えば面白いが、上記4盤のような格調や様式感は聴かれないし、即興的な速いパッセージでは細かな音が疎かになりがち。

第5番終楽章中間部のチェンバロ・ソロによる長いカノンも、ここで急にテンポが落ちるのはやや興をそがれる。

上記4盤のように、揺らしても元に戻る起き上がりこぼしのように(?)絶対的に安定したテンポやリズム感が保たれ、それが躍動感につながるような演奏が私は好きである。

そんな中、京響首席フルート奏者の上野博昭は、バッハらしい端正さがありなかなか良かった。

大フィルの田中玲奈や日本センチュリー響の永江真由子ほどの繊細さや滑らかさはないものの、暖かみのある優しい音色が聴かれる。

 

 

なお、コンサートホールでなくカフェでの演奏だけあって、ライヴ配信の音質は残響のほとんどないデッドなものだった。

奏者には嫌がられるかもしれないが、残響に頼らない楽器の音そのものが聴けるこの音質、私は意外と好きである。

演奏のアーカイヴは、現在も聴くことができる。

こちら:https://www.youtube.com/watch?v=M_m5j9F0Lb0&t=1924s

 

 

 

 


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