(鈴木雅明の新譜 バッハ イギリス組曲全集) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなチェンバロ奏者、鈴木雅明の新譜が先日発売された。

曲目は、J.S.バッハのイギリス組曲全集である(NMLApple MusicCD)。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

イギリス組曲 全曲 鈴木雅明(チェンバロ)(2SACD)

 

 


大注目盤 待ちに待った録音の登場!
鈴木雅明が満を持してイギリス組曲全曲を録音!!


SACDハイブリッド盤。待ちに待った鈴木雅明のチェンバロ演奏によるイギリス組曲全曲がリリースされます!鈴木雅明によるバッハ作品のチェンバロ演奏といえば、平均律クラヴィア曲集第1巻(1996年録音/BIS813)にはじまり、ゴルトベルク変奏曲(1997録音/BIS819)、インヴェンションとシンフォニア(1998年録音/BIS1009)、ファンタジアとフーガ集(1998年録音/BIS1037)、フランス組曲(1999-2001年録音/BIS1113)、6つのパルティータ(2001年録音/BIS1313)、イタリア協奏曲、フランス風序曲、他(2002年録音/BIS1469)、そして平均律クラヴィア曲集第2巻(2005年録音/BIS1513)とそのどれもが高い評価を得てきました。その後、しばらくチェンバロ独奏による録音はありませんでしたが、約10年を経た2016年にイギリス組曲が録音されました!

フランス組曲、パルティータと並ぶ、バッハの舞踊組曲の代表作であるイギリス組曲。フォルケルが、「この作品がある高貴なイギリス人のために書かれた」と言ったことからこの名がつきました。6作品に共通するのがアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4曲が必ず含まれ、1曲目が長大なプレリュードになっているのが特徴です。鈴木雅明の演奏は驚くべき集中力と内容の濃さで、聴き手の心をつかむ魅力に満ちています。楽器は2台のチェンバロのための協奏曲全集(KKC5496/BISSA2051)でも使用した1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッカースのレプリカで演奏。自在にして優美な表現が印象的です。大注目の録音がついに登場です!(写真© Marco Borggreve)(輸入元情報)

【収録情報】
● J.S.バッハ(1685-1750):イギリス組曲(全曲)


Disc1
第1番イ長調BWV.806(29’09”)
第2番イ短調BWV.807(24’18”)
第3番ト短調BWV.808(21’43”)

Disc2
第4番ヘ長調BWV.809(22’43”)
第5番ホ短調BWV.810(22’22”)
第6番ニ短調BWV.811(30’45”)

鈴木雅明(チェンバロ/1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッカースのレプリカ)

録音時期:2016年7月&8月
録音場所:神戸松蔭女子学院大学チャペル
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND

録音プロデューサー&バランスエンジニア:トーレ・ブリンクマン
楽器調律:林彰見

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

「現代のバッハ」と呼ばれたグスタフ・レオンハルト亡き後、その名を継承するにふさわしい人は、鈴木雅明をおいてほかにいないと私は考えている。

鈴木雅明は、レオンハルトに師事したトン・コープマンの薫陶を受けたという。

確かに彼は、レオンハルトの格調の高さと、コープマンの遊び心とを、バランスよく併せ持っているように思う。

上記の解説文で紹介されている、彼がこれまでに録音したバッハのチェンバロ曲集は、いずれもレオンハルトのそれと並んで決定的な名盤となっている(またブランデンブルク協奏曲なども同様)。

 

 

今回のイギリス組曲も、期待通りの名演である。

揺らしているのに揺るぎない、落ち着いたテンポ感。

過度にならない、慎ましやかな遊び心。

これぞバッハ、と言いたくなる。

イギリス組曲の中でも私のとりわけ好きな、しっとりと味わい深い第1番アルマンドと、ブランデンブルク協奏曲第5番のように活気あふれる第4番プレリュード、これらも大変素晴らしい出来である。

特に、第4番プレリュードは、レオンハルト盤が少し落ち着きすぎているのが惜しかっただけに、今回の鈴木雅明盤の快速テンポは嬉しいところ。

快速といっても、例えばクリストフ・ルセ盤ほどの無機的な高速テンポではなく、バッハらしい人間味豊かな躍動感が感じられる(ルセはルセで面白いが、バッハというよりはまるでプーランクか何かのよう)。

 

 

当盤をもって、鈴木雅明はバッハの主要なチェンバロ・ソロ曲を一通り録音し終えたことになる。

後は、バッハのチェンバロ協奏曲全集をぜひお願いしたいものである。

また、バッハのオルガン・ソロ曲ももっと録音してほしい。

さらには、バッハ以外のチェンバロ曲(フレスコバルディのトッカータ集全集、クープランやラモーのクラヴサン曲集全集、パーセルやヘンデルの組曲全集、スカルラッティのソナタ全集など)も、録音してくれたらきっと名盤になるのではないか。

膨大な量なので全部は無理だろうけれど、夢は膨らむ。

 

 


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