今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
好きな指揮者、パーヴォ・ヤルヴィの新譜が発売された。
オーケストラはドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン、曲目はブラームスの交響曲第3、4番である(Apple Music/CD)。
詳細は以下の通り。
以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルによるブラームス主要管弦楽曲集全4集が予定されているうちの、第3弾である。
とりあえずこれで交響曲全4曲はすべてそろったことになる。
以前の記事にも少し書いたが(その記事はこちら)、パーヴォ・ヤルヴィは幅広いレパートリーを持っているけれど、中でも独墺系の楽曲が彼の最も得意とするところだと私は考えている。
ドイツ・カンマーフィルとのベートーヴェンおよびシューマン・ツィクルス、またN響とのR.シュトラウス・ツィクルス、これらはいずれも見事な出来となっている。
そして、今回のブラームスも期待通り。
現代の指揮者たち、それも昔ながらののんびりとした悠揚迫らぬ“カペルマイスター系指揮者”ではなく、現代風の洗練された技倆と一級の個性を身につけた“アーティスト系指揮者”の中で、独墺系の「コク」のようなものを出せる人としては、シモーネ・ヤングとパーヴォ・ヤルヴィの2人がその筆頭に挙げられるべきだと思う。
2人ともドイツやオーストリアの出身でないのが興味深い。
彼らは、いったいどのようにして独墺風の音楽性を身につけたのだろうか?
ともあれ、21世紀を代表するブラームスの交響曲全曲録音として、シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル盤に続き、今回パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル盤が加わったのは嬉しい。
ずっしりと重みのあるヤング盤に比べ、ヤルヴィ盤はより軽やかだけれど、いずれ劣らぬ名盤である。
ところで、上記HMV解説文に「カラヤンさえ苦手にした難曲・交響曲第3番」とあるが、苦手というのはカラヤン自身の言だろうか?
残された録音を聴く限りでは、カラヤン盤は大変な名演だと思うのだが。
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