今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
以前の記事(リブログ元の記事)に書いた、好きな指揮者ヤクブ・フルシャのベルリン・フィル・デビュー・コンサートが、2018年10月にベルリンで行われた。
その演奏動画をご紹介したい。
ただし、一般にはトレイラー映像しか観られない(デジタルコンサートホールに契約すると全編観ることができる)。
曲目は、
ドヴォルザーク:《黄金の紡ぎ車》
マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲第1番
ラフマニノフ:前奏曲ト短調 (エルンスト・シュリーファーケ編曲)
ヤナーチェク:管弦楽のための狂詩曲《タラス・ブーリバ》
である(独奏ヴァイオリンはフランク・ペーター・ツィンマーマン)。
演奏は、どの曲も期待通り素晴らしい。
ただ、例えばヤナーチェクの後期様式の開始を告げる傑作「タラス・ブーリバ」、この曲はフルシャの得意曲であり、彼がブルノ・フィルを振って録音した決定的な名盤がすでにある。
このブルノ・フィル盤は大変清々しい演奏で、洗練されているのに作為的なところが少しもなく、深い森の空気感さえ感じられる。
それに比べると、今回のベルリン・フィルとの演奏は、少しゴージャスかつパワフルに過ぎるような印象を受けた。
もちろん、ベルリン・フィルならではの良さもあるのだけれど。
フルシャはスメタナの「わが祖国」も得意としているが、そちらもプラハ・フィルハーモニアとの旧盤に比べ、バンベルク響との新盤はやや重い印象があった。
フルシャがドイツのオーケストラを振って自身の持ち味を発揮するのは、なかなか難しいのかもしれない。
とはいえ、今回彼がベルリン・フィルに吹き込んださわやかな風は、それがほのかなものであったとしても、心あるベルリンの聴衆に伝わったのではないだろか。
まずは順調な彼のベルリン・フィル・デビューを祝したい。
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