(ケラスの新譜 ブラームス チェロ・ソナタ全集) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスの新譜が発売された。

今回の新譜の曲目は、ブラームスのチェロ・ソナタ全集、およびハンガリー舞曲抜粋である(NMLApple MusicCD)。

新譜といっても、少し前の発売である(今年初め頃)。

彼はこのアルバムより後に、すでにヴィヴァルディのチェロ・ソナタやC.P.E.バッハのチェロ協奏曲、そしてドビュッシーのチェロ・ソナタと、すさまじい勢いで新譜を出しており、これらについてもまた後日取り上げるかもしれない。

とまれ、ブラームスの新譜について、詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 


ケラス&タロー!
音楽的信頼感に満ちた2人による、端正なブラームス


日本でのデュオ・コンサートも多く、音楽的信頼感にみちた2人。これまでハルモニア・ムンディ・フランスからリリースされていたデュオ・アルバム・プロジェクトがついにエラートからリリース!
 格段意識しなくとも、音楽性が寄り添いあう二人の演奏。中堅からベテランの域にさしかかる(同じ年齢の)2人が持っている卓越した演奏技術はすでに周知のとおり。その技術とともに、2人が醸し出す音楽への自由な感性と(柳のごとく)たおやかで強靭な精神! 決して甘さには偏らない、緻密なアンサンブル。ブラームス独特のロマンティシズムと、21世紀への新ブラームス解釈最先端の広がりいずる演奏が収録されています。(輸入元情報)
 

【収録情報】
ブラームス:
● チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38
● チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99
● ハンガリー舞曲集より第1,4,5,7,11,14番(ケラス&タロー編曲版)


 ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
 アレクサンドル・タロー(ピアノ)

 録音時期:2017年3月
 録音場所:ベルギー、モンス、サル・アルソニック
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

ブラームスのチェロ・ソナタというと、ただうまいだけではだめで、渋い味わいが必要な気がする。

少し古いが、フルニエ/バックハウス盤や、ペレーニ/コチシュ盤あたりが私は好きである。

最近の録音では、こうした味わいのあるものがなかなか見当たらなかったのだが、今回のケラス盤は素晴らしい。

世界で最も洗練されたチェロを弾く(と私は思っている)ケラスは、このブラームスにおいてもやはり洗練され、きわめて優美で軽やかなのだが、同時に抑制された渋い味わいも持っており、ブラームスにふさわしい。

また、ピアノのタローは、フランスのピアニストにしては「研ぎ澄まされた」感じが少なくやや微温的なため、普段必ずしも私の最高に好きなピアニストというわけではないのだが、ここでは彼の「フランスのピアニストらしさ」と「らしくなさ」がバランスよく収まり、明晰さと渋い味わいとが同居した、これまたブラームスに合った演奏となっている。

そんなわけで、このケラス/タロー盤は上記の2盤に匹敵する、私の中で現代を代表する決定的な名盤となった。

 

 


音楽(クラシック) ブログランキングへ

↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。