(行ってみたい演奏会 その42 フルトヴェングラーのプロコフィエフ ピアノ協奏曲第5番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

前回と同じく、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きを書きたい。

これまで、フルトヴェングラーの指揮によるコンサートがもし聴けたならということで、彼の振るベートーヴェン、ヴァーグナー、ブラームス、ブルックナー、マーラー、R.シュトラウス、チャイコフスキー、ストラヴィンスキーについて書いてきた。

ここ数回は、フルトヴェングラーの振った世界初演曲に焦点を当てている。

今回は、フルトヴェングラーの指揮によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第5番を取り上げたい。

 

 

プロコフィエフのピアノ協奏曲第5番、この曲が世界初演されたのは、下記の演奏会においてである。

 

1932年10月30、31日、ベルリン

指揮:フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プログラム

Beethoven: Symphony No. 4

Prokoviev: Piano concerto No. 5 (Prokoviev)

Berlioz: Harold in Italy (Paul Hindemith, alto)

 

この演奏会も、前回のシェーンベルクと同様(その記事はこちら)、ベルリン・フィルの定期演奏会のようである。

ただし、プロコフィエフの自伝によると、前回のシェーンベルクのときのような惨憺たる演奏ではなく、しっかりとリハーサルされていて初演はうまくいったとのこと。

シェーンベルクのときで懲りて、しっかり準備したのだろうか。

あるいは、プロコフィエフの新古典的(あるいは新ロマン主義的)な様式は、シェーンベルクの十二音音楽よりもとっつきやすかったのかもしれない。

とまれ、フルトヴェングラーが「ベルリン・フィルの定期演奏会」という最大の栄光の場で、シェーンベルクやプロコフィエフといった同時代の重要な作曲家の作品をいくつか世界初演し世に紹介している、というのは特筆すべきことだと思う。

フルトヴェングラーは、古典曲ばかり演奏する保守一辺倒の指揮者では、決してなかったのである。

作曲者自身も満足のいく出来だった、作曲者自身のピアノ、フルトヴェングラーの指揮によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第5番の世界初演。

いったい、どのような演奏だったのだろうか。

 

 

ただしタイムマシンはまだないし、またこの演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。

 

●ベートーヴェン:交響曲第4番 フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1943年6月27-30日放送録音盤(CD

 

フルトヴェングラーの振るベートーヴェンには、まずはずれがない。

この交響曲第4番にも複数種の録音が残されており、戦後のものも良いが、音質が比較的良好で活気もあるこの1943年の放送録音盤が、私は比較的好きである。

 

 

他のプログラムについては、録音が残されていない。

肝心のプロコフィエフが聴けないのは残念。

それに、ベルリオーズの「イタリアのハロルド」、この曲は上記演奏会でヴィオラ・ソロを担当しているのがあのヒンデミット!

これもできれば聴いてみたかった…。

まぁきっと、いやに重々しい演奏ではあったのだろうけれど。

 

 


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