(アーティストへのインタビュー) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

先日の記事にも少し書いた(その記事はこちら)、ピアニスト古海行子の浜離宮朝日ホールでのリサイタルが、昨夜行われた。

私は残念ながら行っていないけれど。

評判がどうだったか、ネット上で見つけられなかったが、聴衆を圧倒する名演だったことだろう。

 

 

今回の演奏会へ向けての意気込みについてのインタビュー動画が、「クラシック・ニュース」という企画で収録・公開されている。

下記の動画である。

 

 

今回の演奏会のプログラムであるシューマンのピアノ・ソナタ第3番と、ピアノ四重奏曲。

前者はクララとの関係を認めてもらえない苦難の時期に書かれた曲であり、後者はクララとの結婚後の幸福な時期に書かれた曲である。

同じ人への愛情が、作曲時期によって全く違った音楽を生み出すこととなった。

また、リストの場合は同じ「愛」というテーマであっても、ピアノ曲「婚礼」におけるように、より客観的な形で表現された。

こういった古海行子の考えが、分かりやすく率直に述べられている。

 

 

ところで、ここでのインタビュアー、少し面白い。

そもそも、コテコテの関西弁である。

そして、古海行子がリストの話をしているのに、いきなりシューマンの話に戻したり、あるいは大学からミューザ川崎に行きやすいか、渋谷に行きやすいかといった妙な話題を振ったりと、何だかちょっとズレているのが可笑しい。

 

 

では、自分だったらどんなことをインタビューするか。

考えてみると、意外と難しい。

クラシック音楽のインタビュー本というと、焦元溥による世界のピアニストたちを対象としたものが有名で、特にポゴレリチとツィメルマンへのインタビューはかなりの力作となっている(こちらこちら)。

インタビュアーの深い音楽的知識と確固たる趣味・信念の賜だと思われる。

しかし同時に、彼らピアニストたちの波乱万丈なコンクールでのエピソード、巨匠たちとの共演、長年培ってきた音楽観など、これまでの豊かな経験があってこそ、でもある。

若いピアニストにとっては、それは今後のことであって、現時点では同じことは望めない。

では、何をインタビューすればいいのか。

私には、好きな作曲家だとか、最近の興味、そして将来の目標など、何のことはない通り一遍のことしか思い浮かばない。

つまるところ、これからも末永く活躍していってほしい、ただそれだけである。

アーティストの側からしても、彼らにとっては奏でる音楽そのものが全てであり、あれこれ問うよりもまずはそれを聴いてほしい、といったところだろう。

アーティストへのインタビュー、なかなか難しいものである。

 

 


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