近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2018
大阪フィルハーモニー交響楽団 /大植英次(指揮)/アンティ・シーララ(ピアノ)
〈バーンスタイン生誕100年〉
【日時】
2018年5月4日(金) 時間 14:15~15:15
【会場】
びわ湖ホール 大ホール (滋賀)
【演奏】
指揮:大植英次
ピアノ:アンティ・シーララ *
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:崔文洙)
【プログラム】
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16 *
バーンスタイン:『ウェスト・サイド・ストーリー』 より 「シンフォニック・ダンス」
※アンコール(ソリスト) *
ショパン:マズルカ 第34番 ハ長調 op.56-2
近江の春 音楽祭で、私の聴いた4番目の公演。
大フィルの演奏会である。
バーンスタイン生誕100周年を記念して、彼の作曲した最も有名な「ウェスト・サイド・ストーリー」がメインのプログラムとなっている。
前半は、グリーグのピアノ協奏曲。
この曲で私の好きな録音は、
●ディヌ・リパッティ(Pf) アルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管 1947年セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●リチャード・ファレル(Pf) ジョージ・ウェルドン指揮ハレ管 1950~58年頃セッション盤(CD)
あたりである。
伝説のピアニスト、リパッティとファレル。
彼らはその端正なピアニズムと、短命であった点において共通している。
これらの録音から聴かれるみずみずしい情感は、残念ながら、今回のシーララの演奏からはあまり感じられなかった。
しっかり弾けてはいるのだが、全体的にかっちりした演奏で、この曲としてはどうも味気ない。
彼の演奏は、いつかまた他の曲でも聴いてみたい。
後半は、バーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」からのシンフォニック・ダンス。
この曲で私の好きな録音は、
●バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル 1961年セッション盤(Apple Music/CD)
●バーンスタイン指揮ロサンジェルス・フィル 1982年7月サンフランシスコライヴ盤(NML/Apple Music/CD)
あたりである。
さすが、作曲者本人による演奏からは、独特のノリが感じられる。
ノリと言っても、例えばオリジナル・ブロードウェイ・キャストによるミュージカル抜粋録音(指揮はマックス・ゴバーマン)のように、すぐにアッチェレランド(加速)してしまう軽いノリとはまた違う(これはこれで好きだが)。
もっとどっしりと構えながらじわりじわりと盛り上げていき、クライマックスでは爆発的なエネルギーを発揮する、バーンスタインならではのスケールの大きなノリである。
今回の大植英次&大フィルの演奏からは、そのようなアメリカらしいノリの良さや、大きなエネルギーの蓄積と爆発はあまり感じられず、ややぼてっとした印象になってしまっていた(特に「プロローグ」や「マンボ」など)。
ただ、「サムウェア」や、あるいは「フィナーレ」の「I Have a Love」の部分では、しっとりと艶のある弦のメロディが美しかった。
「フーガ」も充実して聴こえた。
それに、やっぱり曲自体が何とも魅力的である。
この曲を生で聴くのは初めてということもあって、楽しめた。
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