近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2018
円熟を聴く 藤原真理(チェロ)
【日時】
2018年5月4日(金) 時間 10:00~10:40
【会場】
びわ湖ホール 小ホール (滋賀)
【演奏】
チェロ:藤原真理
【プログラム】
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 より
プレリュード/サラバンド/ジーグ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009 (全曲)
※アンコール
・カタルーニャ民謡:鳥の歌
近江の春 音楽祭に行った。
今年から「ラ・フォル・ジュルネ」ではなく「近江の春」として再スタートした、ゴールデンウィーク中のびわ湖ホールでの音楽祭。
全体に去年までとあまり変わらない雰囲気だが、アーティストの顔ぶれは少し変わったような印象がある。
藤原真理の実演を聴くのは、私は初めて。
J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲の第1番抜粋と、第3番全曲である。
エンドピン(床に立ててチェロを支える棒状の金具)の発明は今から百数十年前だったとのことであり、バッハの時代にはなかった。
そのため、第1番のプレリュードでは、エンドピンを使う場合と、使わずそのままチェロを直接床に置く場合と、2パターン演奏してくれた。
演奏自体はほとんど違いが分からなかったが、奏者としては弾き勝手がかなり違うらしい。
そして、第1番の残りの2曲はエンドピンなしで、第3番全曲はエンドピンありで演奏。
モダン・チェロ奏者によるバッハの無伴奏チェロ組曲では、私は
●イッサーリス 2005年12月4~8日、2006年7月17~19日セッション盤(CD)
●ケラス 2007年セッション盤(NML/Apple Music/CD)
あたりの、極度に洗練された精緻な演奏が本来好きである。
今回の藤原真理の演奏は、もう少しまったりとした、素朴な印象のあるものだった。
まったりとは言っても、カザルスのように重厚ではない。
どちらかというと、ペレーニに近いかもしれない。
少し枯れたような音色で、素朴に淡々と弾き進められるのだが、これはこれでなかなか味わいがあった。
アンコールの「鳥の歌」も同様に、カザルスのようにわっと情熱を込めるのではなく、さらっと民謡を口ずさむような演奏だった。
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