(パッションさえあれば) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

好きなピアニスト、高御堂なみ佳のブログ記事(こちら)を読んで思ったこと。

彼女は類まれなる才能を持ったピアニストの一人だと思うし、数々のコンクールで優勝や入賞をしている。

大学ご卒業後は大学院進学か留学かされているのかな、と勝手に想像していたのだが、どうやら就職されたらしい。

 

 

大学院進学も留学も、おそらく何百万円もかかる。

したいと思っても普通は無理で、よほど恵まれていないと望めない。

就職は、音大卒の方々にとってもよくある選択肢の一つなのだろう。

分かってはいるのだが、ちょっとショックだった。

せっかく才能があるのに、どうにかならないのかな…などと色々考えてしまった。

 

 

そんな中でも、彼女は仕事の合間に毎日ピアノを練習し、仕事の辛さを消化しつつ、演奏活動を積極的に行っているという。

これは、決して簡単なことではないと思う。

仕事をしていたら、たいていはピアノなんて少し弾けるか弾けないかくらいの時間しか取れず、演奏活動なんてそうそうできない。

仕事で疲れているのに、「院生や留学生と同じかそれ以上のモチベーションで毎日ピアノに向か」うのは、並大抵のことではないだろう。

そして、今後もチャレンジを続けようとしている。

自身の境遇にめげない前向きな姿勢には、頭が下がる。

 

 

確かに、彼女ほどピアノが弾けて、かつこれほどのパッションがあるならば、実質もう大学院も留学も要らないのだろう。

音楽的な個性は、すでに確立している。

あとは、曲をより深く突き詰めるにせよ、レパートリーを広げるにせよ、ただひたすら自己鍛錬あるのみ、といったところだろうか。

 

 

それに、留学すれば最高の環境、とも限らない。

昨日の記事に書いたピアニスト石井楓子は、現在スイスのバーゼル音楽院に留学中だけれど、ここでは練習室やピアノが日本のように十分にはなく、日中はほとんど練習できないらしい。

そこで、皆が練習していない夜8時から1時にかけて、独り夜な夜なみっちり練習しているという。

そんなこんなで、同音楽院の大学院卒業一次試験の演奏で満点を取ってしまい、また昨日の記事に書いた通り、狭き門であるリーズコンクール1次予選を突破してしまった。

 

 

彼女たちの話を聞いていると、一流の人は才能ももちろんだけれど、やっぱりパッション(平たく言うと「根性」?)が一味も二味も違う、と思い知らされる。

どんな状況であろうと、誰かが見ていようと見ていなかろうと、人一倍苦労し、努力している。

それはきっと、音楽以外でも同じ。

パッションさえあれば、たいていのことはいつか活路が見いだせるのだろう。

比べ物にならないけれど、私も少しでも見習わなくては、と思う。

 

 


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