今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
前回と同じく、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きである。
今回は、フルトヴェングラーの指揮によるマーラーの交響曲第4番を取り上げたい。
今回もこれまでと同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。
探してみると、下記の演奏会があった。
1932年1月24、25日、ベルリン
指揮:フルトヴェングラー
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
プログラム
Mozart: Symphony No. 40
Mozart: il re pastore, Aria (Adelheid Armhold)
Beethoven: Leonore Overture Nr. III
Mahler: Symphony No. 4 (Adelheid Armhold)
フルトヴェングラーの振るマーラーの交響曲第4番、いったいどのような演奏だったのだろうか。
第2番や第3番ほどにはフルトヴェングラー向きの曲でないような気もする。
この曲らしい軽妙な味わいはあまり出ず、重厚な演奏になっていそう。
でも、コワイモノ聴きたさで、聴いてみたいものである。
なお、終楽章のソロを担当したアデルハイト・アルムホルトは、オランダのフリースラント州生まれのソプラノ歌手のようで、この演奏会と近い時期に行われたクレンペラー指揮のヒンデミットのオラトリオ「無限なるもの」の録音にも参加している(NML/Apple Music)。
この録音では彼女の声を少ししか聴くことができないけれど、なかなかに素晴らしい。
ただしタイムマシンはまだないし、またこの演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。
●モーツァルト:交響曲第40番 フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1948年12月7~8日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番 フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1953年10月13~17日セッション盤(CD) ※「フィデリオ」全曲盤より
(なお、モーツァルトの「羊飼いの王様」よりアリアと、マーラーの交響曲第4番は、おそらくフルトヴェングラーによる録音が残されていないため割愛)
マーラーの交響曲第4番の録音が残されていないのは残念。
モーツァルトの交響曲第40番は、優しい抒情性よりは厳しい悲劇性に支配された、モーツァルトというよりはどちらかというとベートーヴェンのような演奏。
ベートーヴェンがもし「悲愴」ソナタを書いた頃に短調の交響曲を書いていたら、こんな感じになったかもしれない、とふと思わせてくれる名演である。
ベートーヴェンの「レオノーレ」序曲第3番は、1944年ライヴ盤でも良かったのだけれど、そちらは以前に取り上げたので(そのときの記事はこちら)、今回はこちらのセッション盤にした。
情熱的な1944年盤と堂々たる1953年盤、どちらも捨てがたい。
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