(行ってみたい演奏会 その28 フルトヴェングラーのマーラー交響曲第4番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

前回と同じく、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きである。

今回は、フルトヴェングラーの指揮によるマーラーの交響曲第4番を取り上げたい。

今回もこれまでと同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。

 

 

探してみると、下記の演奏会があった。

 

1932年1月24、25日、ベルリン

指揮:フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プログラム

Mozart: Symphony No. 40

Mozart: il re pastore, Aria (Adelheid Armhold)

Beethoven: Leonore Overture Nr. III

Mahler: Symphony No. 4 (Adelheid Armhold)

 

フルトヴェングラーの振るマーラーの交響曲第4番、いったいどのような演奏だったのだろうか。

第2番や第3番ほどにはフルトヴェングラー向きの曲でないような気もする。

この曲らしい軽妙な味わいはあまり出ず、重厚な演奏になっていそう。

でも、コワイモノ聴きたさで、聴いてみたいものである。

なお、終楽章のソロを担当したアデルハイト・アルムホルトは、オランダのフリースラント州生まれのソプラノ歌手のようで、この演奏会と近い時期に行われたクレンペラー指揮のヒンデミットのオラトリオ「無限なるもの」の録音にも参加している(NMLApple Music)。

この録音では彼女の声を少ししか聴くことができないけれど、なかなかに素晴らしい。

 

 

ただしタイムマシンはまだないし、またこの演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。

 

●モーツァルト:交響曲第40番 フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1948年12月7~8日セッション盤(NMLApple MusicCD

●ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番 フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1953年10月13~17日セッション盤(CD) ※「フィデリオ」全曲盤より

 

(なお、モーツァルトの「羊飼いの王様」よりアリアと、マーラーの交響曲第4番は、おそらくフルトヴェングラーによる録音が残されていないため割愛)

 


マーラーの交響曲第4番の録音が残されていないのは残念。

モーツァルトの交響曲第40番は、優しい抒情性よりは厳しい悲劇性に支配された、モーツァルトというよりはどちらかというとベートーヴェンのような演奏。

ベートーヴェンがもし「悲愴」ソナタを書いた頃に短調の交響曲を書いていたら、こんな感じになったかもしれない、とふと思わせてくれる名演である。

ベートーヴェンの「レオノーレ」序曲第3番は、1944年ライヴ盤でも良かったのだけれど、そちらは以前に取り上げたので(そのときの記事はこちら)、今回はこちらのセッション盤にした。

情熱的な1944年盤と堂々たる1953年盤、どちらも捨てがたい。

 

 


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