(行ってみたい演奏会 その25 フルトヴェングラーのマーラー交響曲第1番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

2ヶ月ほど間が空いてしまったが、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きを書きたい。

これまで、フルトヴェングラーの指揮による演奏会をずっと取り上げており、ベートーヴェン、ヴァーグナー、ブラームス、ブルックナーときたので、次はマーラーで。

フルトヴェングラーの振るマーラーの録音は歌曲くらいしか残されていないけれど、演奏会では交響曲もそれなりの頻度で振っていたようである(特に1930年代以前)。

録音が存在しない分、タイムマシンがあったならば聴きに行く価値が高いと思う。

 

 

というわけで今回は、フルトヴェングラーの指揮によるマーラーの交響曲第1番を取り上げたい。

今回もこれまでと同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。

 

 

探してみると、下記の演奏会があった。

 

1929年2月3、4日、ベルリン

指揮:フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プログラム

Mendelssohn: ein Sommernachtstraum, Overture

Beethoven: Piano concerto No. 1 (Wilhelm Kempff)

Mahler: Symphony No. 1

 

なかなか魅力的なプログラムである。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番は、ソリストがヴィルヘルム・ケンプ。

以前書いたブルックナーの交響曲第9番の演奏会にも、同じベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番が曲目に入っており、ソリストはアルトゥール・シュナーベルだった(そのときの記事はこちら)。

ケンプとシュナーベルの演奏を、同じ曲で、それも同じフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルとの共演で聴き比べられるなんて、なんという贅沢だろう。

もちろん、今回のメインであるマーラーの交響曲第1番も、フルトヴェングラーの指揮で聴けるならば贅沢きわまりない。

 

 

ただしタイムマシンはまだないし、またこの演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。

 

●メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」序曲 フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1929年6月13日セッション盤(CD

●ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ケンプ(Pf) 指揮者不詳ベルリン国立歌劇場管 1925年9月セッション盤(NMLApple MusicCD ※いずれも最後のほうのトラック)

●ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 エッシュバッハー(Pf) フルトヴェングラー指揮ルツェルン祝祭管 1947年8月27日ルツェルンライヴ盤(NMLApple Music

 

 

メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲は、まるでベートーヴェンのように力強い演奏。

いささか英雄的すぎるきらいはあるし、シェイクスピアの幻想的な世界はあまり浮かんでこないけれど、これはこれで私は好きである。

 

 

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番については、フルトヴェングラーとケンプの共演による録音が残されていないため、代わりにそれぞれ別々の録音を聴いた。

フルトヴェングラー指揮、エッシュバッハーのピアノによる録音のほうについては、以前の記事を参照されたい(こちら)。

ケンプのほうは、1925年録音というきわめて古いもので、おそらく電気録音ではなくアコースティック録音であり、音質は良くない。

それでも、当時29歳だった若きケンプのみずみずしい演奏は捨てがたいものがあり、指の回り具合も安定していて、彼の後年の録音よりも私は好きである。

上記の演奏会の4年前の録音であり、おそらく上記演奏会でもこれと似たようなスタイルの演奏が聴けたものと思われる。

 

 

ところで、肝心のマーラーの交響曲第1番は、上にも書いたように、録音が残されていない。

フルトヴェングラーの「巨人」、いったいどのような演奏だったのだろうか。

終楽章など、きっと凄まじい熱演だったに違いない。

 

 


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