今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
前回に引き続き、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きである。
今回は、フルトヴェングラーの指揮によるブルックナーの交響曲第5番を取り上げたい。
今回もこれまでと同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。
探してみると、下記の演奏会があった。
1933年10月15、16日、ベルリン
指揮:フルトヴェングラー
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
プログラム
Schillings: Oedipus Rex, Prelude
Beethoven: Piano concerto No. 5 (Walter Gieseking)
Bruckner: Symphony No. 5
メインのブルックナーの交響曲第5番に加えて、ワルター・ギーゼキングとの共演によるベートーヴェンの「皇帝」が聴けるのも嬉しい。
ただしタイムマシンはまだないし、またこの演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。
●ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ギーゼキング(Pf) ワルター指揮ウィーン・フィル 1934年9月10、11日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 フィッシャー(Pf) フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管 1951年2月19、20日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ブルックナー:交響曲第5番 フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1951年8月19日ザルツブルクライヴ盤(CD)
(なお、マックス・フォン・シリングスの「オイディプス王」前奏曲は、おそらくフルトヴェングラーによる録音が残されていないため割愛)
ギーゼキングとフルトヴェングラーによる「皇帝」の録音は残されていないため、それぞれ別々のギーゼキングによる録音、フルトヴェングラーによる録音を聴いた。
ギーゼキングのサクサクしたスタイルと、フルトヴェングラーのどっしりとしたスタイルが重なると、いったいどのような演奏になったのだろうか。
メインのブルックナー第5番のほうは、ベルリン・フィルとの録音もあるけれども、音質その他の理由で私はこちらのウィーン・フィル盤のほうがやや好きである。
やはりドラマティックな演奏で、素晴らしい。
終楽章のコーダなど、本来私の好みとしてはもう少しゆったりとしたテンポで悠々とやってほしいのだが、がらがらと轟音を立てて崩れゆく壮大なヴァルハラ城を思わせるようなこのすさまじい演奏を聴くと、やはり有無を言わさず感動させられてしまう。
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