(行ってみたい演奏会 その17 フルトヴェングラーのブラームス交響曲第4番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

例によって、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きである。

今回は、フルトヴェングラーの指揮によるブラームスの交響曲第4番を取り上げたい。

今回もこれまでと同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。

 

 

探してみると、下記の演奏会があった。

 

1930年11月30日、12月1日、ベルリン

指揮:フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プログラム

Berlioz: Benvenuto Cellini

Marx: Concerto for two violins (Henry Holst, Simon Goldberg)

Brahms: Symphony No. 4

 

同時に演奏されたプログラムは、ベルリオーズの「ベンヴェヌート・チェッリーニ」(のおそらく序曲)と、マルクスの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」という、なかなかのマイナー曲である。

特に後者については、そんな曲があることさえ知らなかった。

盛時のフルトヴェングラーは、なかなか「攻め」のプログラミングをしていたことが窺える。

 

 

ただしタイムマシンはまだないし、またこの演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。

 

●ブラームス 交響曲第4番 フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1948年10月24日ベルリンライヴ盤(NMLApple Music

 

(なお、ベルリオーズとマルクスは、おそらくフルトヴェングラーによる録音が残されていないため割愛)

 

ロマンの極みといえる有名な冒頭の「入り」から、終楽章最後の爆発的な情熱に至るまで、フルトヴェングラーの面目躍如といったところである。

第1楽章のコーダ(結尾部)も、すさまじい。

手綱の締め方と緩め方(例えば加速と減速の配分)が、絶妙である。

なお、終楽章の後半については、この録音の一週間ほど後の、ロンドン公演でのリハーサル風景の映像が残されている。

こちらも、相変わらず壮絶である。

このような演奏を聴いてしまった後で、なおこの曲を振らなければならない現代の指揮者たちは、大変なものである。

 

 

ただ、ブラームスの交響曲第1、2番と違って、第3、4番にはフルトヴェングラーによるセッション録音が残されていない。

第3、4番ともにライヴ録音は残されており、大変素晴らしい演奏なのだが、音質は残念ながらセッション録音に劣る。

できれば第3、4番も、セッション録音を聴いてみたかった。

 

 


音楽(クラシック) ブログランキングへ

↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。