今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
前回から1ヶ月ほど空いてしまったけれど、「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」シリーズの続きである。
何なんだそのシリーズは、と思われる方も多いだろうが、こちらの記事などをご参照いただけたらと思う。
今回は、フルトヴェングラーの指揮によるヴァーグナーの「ローエングリン」を取り上げたい。
フルトヴェングラーがその生涯で行った「ローエングリン」の公演は、以下の通りである。
①1929年10月9、11、16、22日、11月12日、12月12日、1930年1月5、11日 ベルリン市立歌劇場での公演
②1936年7月19、21、30日 バイロイト音楽祭での公演
①、②のうちどちらを選ぶか迷うところだが、伝説的な名演だったとされる、②の
1936年7月19、21、30日、バイロイト祝祭大劇場
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
管弦楽:バイロイト祝祭管弦楽団
プログラム
Wagner: Lohengrin
(Völker/Lorenz, Maria Müller, Margarete Klose, Josef von Manowarda, Herbert Janssen, Jaro Prohaska)
にしておきたい。
バイロイト祝祭大劇場の幻想的な音響で、「ローエングリン」第1幕の前奏曲が聴いてみたいものである。
そして、なんと上記のバイロイト公演は、抜粋ながら録音が残されている。
●ヴァーグナー 「ローエングリン」第3幕(断片) フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管 1936年7月19日バイロイトライヴ盤(NML/Apple Music)
(ヨーゼフ・フォン・マノヴァルダ、フランツ・フェルカー、マリア・ミュラー、マルガレーテ・クローゼ、バイロイト祝祭合唱団)
素晴らしい演奏である。
歌手も、フェルカーやミュラーをはじめとして、みな大変良い。
どこかに全曲録音が残されていないものだろうか。
なお、この公演では第1幕の前奏曲の録音が残されていないため(残されているという説もあるが詳細は不明)、代わりに下記の録音も聴いた。
●ヴァーグナー 「ローエングリン」第1幕の前奏曲 フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1930年セッション盤(CD)
上記公演に比較的近い時期の録音で、当時のベルリン・フィルの大変に美しい音色が聴ける。
「黄金色の音」とでも言いたくなるような格別の美しさであり、後年のルツェルン祝祭管やウィーン・フィルとの録音も、(音質は良いものの)このベルリン・フィルにはかなわないように思う。
ベルリン・フィルの一つの全盛期といえるのではないだろうか(テクニックなど他の面においては、現在のベルリン・フィルのほうが優れていると思うけれども)。
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