(行ってみたい演奏会 その4 フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲第7番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」のシリーズ。

フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲第5、9、3番ときたので、次は第7番にしたい。

これまで同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。

 

 

探してみると、1929年の演奏会があった。

 

1929年11月10、11日、ベルリン

指揮:フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プログラム

Bach: Prelude and Fugue in E flat major (Orchestration by Schoenberg) (UA)

Busoni: Violin concerto (Adolf Busch)

Beethoven: Symphony No. 7

 

この演奏会、大変素晴らしいと思う。

ベートーヴェンの第7番だけでなく、バッハの「前奏曲とフーガ」変ホ長調のシェーンベルクによる管弦楽編曲版の世界初演が聴けるし、またアドルフ・ブッシュをソリストに迎えてのブゾーニのヴァイオリン協奏曲も聴ける。

 

しかし、である。

私には、下記の演奏会も捨てがたい。

 

1931年12月20、21日、ベルリン

指揮:フルトヴェングラー

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プログラム

Graener: die Flöte von Sans-souci, suite for chamber orchestra

Schumann: Piano concerto (Wilhelm Kempff)

Beethoven: Symphony No. 7

 

こちらでは、ヴィルヘルム・ケンプをソリストに迎えての、シューマンのピアノ協奏曲が聴ける。

これは、きっと相当な名演だったのではないだろうか。

ドイツ・ロマン派の極致のような演奏だったのではないかと想像される。

 

さて、1929年と1931年と、どちらの演奏会に行くべきか。

私なら、さんざん悩んだ末に、後者の演奏会を選ぶだろう。

できれば1929年に、という最初の条件に矛盾するけれども、そこは仕方がない。

ケンプとフルトヴェングラー/ベルリン・フィルによるシューマンのピアノ協奏曲の魅力には、私としては抗しがたい。

 

 

ただ、まだタイムマシンはないし、この演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。

 

●シューマン ピアノ協奏曲 ギーゼキング、フルトヴェングラー/ベルリン・フィル 1942年3月1、2、3日ベルリンライヴ盤(NMLApple MusicCD

●ベートーヴェン 交響曲第7番 フルトヴェングラー/ウィーン・フィル 1950年1月セッション盤(NMLApple Music

 

(なお、パウル・グレーナーの曲は、おそらく録音が残っていないため割愛)

 

シューマンのピアノ協奏曲は、ケンプとの録音は残っていない代わりに、ギーゼキングとの録音が残されている。

こちらも素晴らしい演奏である。

ただ、もしケンプだったら、さらにファンタジーに溢れた美しい演奏になったのではないかと妄想してしまうのは、私だけだろうか。

 

ベートーヴェンの第7番は、ベルリン・フィルとのライヴ録音も残っており、そちらを聴いてもいいのだけれど、音質にやや難があるため、あえて1950年のウィーン・フィル盤のほうを聴いた。

重厚なのに躍動感に満ち満ちているという、一見矛盾したような名演で、この迫力を聴いてしまうと、もうそんじょそこらの演奏では熱狂できないカラダになってしまう。

上記の1931年のベルリンでの演奏会を生で聴いたなら、いったいどうなってしまうことだろう?

 

 


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