第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール セミファイナル 第2日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

アメリカのフォートワースで開催されている、第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

6月2日は、セミファイナルの第2日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、これまでの記事はこちら。

 

1次予選 第1日

1次予選 第2日

1次予選 第3日

1次予選 第4日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

セミファイナル 第1日

 

 

 

Yutong Sun (China | Age 21)

 

BEETHOVEN Sonata No. 26 in A-flat Major, op. 81a (“Les Adieux”)
LISZT Un sospiro
MUSSORGSKY Pictures at an Exhibition

 

こだわりの表現、神経質と思われるほどのコントロール。

ただ、フォルテがやや硬め。

また、「展覧会の絵」の「リモージュの市場」などではテンポが速すぎるためか、ミスとまでは言わないまでもコントロールが甘くなっており、全体的な出来としては2次のHsuの同曲演奏のほうがやや上か。

 

 

Honggi Kim (South Korea | Age 25)

 

VINE Sonata No. 1
SCHUMANN Kreisleriana, op. 16
TCHAIKOVSKY-FEINBERG Scherzo from Symphony No. 6 “Pathétique”

 

ややあっさりめの表現だが、情感にも欠けず、テクニック的にも問題ない。

「クライスレリアーナ」は、2次のSu Yeon Kimの同曲演奏のほうがやや情感豊かだが、Honggi Kimのほうがミスは少なく、また細部も明瞭で、完成度は彼のほうが高い印象。

 

 

Yury Favorin (Russia | Age 30)

 

BEETHOVEN Sonata No. 29 in B-flat Major, op. 106 “Hammerklavier”
SHOSTAKOVICH Sonata No. 1, op. 12

 

「ハンマークラヴィーア」は、悪くないがややおとなしめ。

もっと躍動感あふれる演奏を期待したが。

ショスタコーヴィチは一転してかなりのテンポで攻めている。

通常ならフォルテにするところをピアノにしたりと、独特な表現がみられるが、これはこれで面白い。

 

 

Georgy Tchaidze (Russia | Age 29)

 

SCHUMANN Waldszenen, op. 82
MEDTNER “Alla Reminiszenza” from Forgotten Melodies, op. 38
MUSSORGSKY Pictures at an Exhibition

 

シューマン、メトネルはまずまずといったところ。

「展覧会の絵」は、うまいし柄の大きさは感じられるが、HsuやSunのコントロールに比べるとやや大味に聴こえてしまう。

全体としては、悪くないが、他のコンテスタントに比べるとやや弱いか。

 

 

今日のコンテスタントの中では、Tchaidzeがやや不利かもしれない。

それ以外の3人は、誰がファイナルに残ってもおかしくない演奏と思った。

 

 


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