2017年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門) ファイナル 第1日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

カナダで開催されている、モントリオール国際音楽コンクール。

今年はピアノ部門。

ついにファイナルが始まった。

5月9日は、ファイナルの第1日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、これまでの記事はこちら。

 

1次予選 第1日

1次予選 第2日

1次予選 第3日

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

 

 

 

Albert Cano Smit (Spain / Netherlands AGE 20)

 

■Johannes Brahms: Concerto no. 1 in D minor, op. 15

 

抒情派の彼だけあって、大変みずみずしく美しい演奏。

ただ、この曲では、バックハウス/ボールト/BBC響による1932年盤(NMLApple Music)や、ポリーニ/ベーム/ウィーン・フィルによる1979年盤(NMLApple Music)のように、硬派な味わいの情熱的な演奏が個人的には好みであり、彼の演奏はやや抒情的に過ぎるきらいはあった(全体的にテンポもやや遅め)。

また、オーケストラとの共演に慣れていないのか、ずれる部分がけっこう多かった。

2015年浜コンのように、高関健/東響であれば、もう少しうまくピアノにつけていたかもしれない(このときは、ガジェヴという即興的にテンポを速めるコンテスタントにもきっちりとつけて、名演を生み出していた。そのときの指揮者インタビュー記事はこちら)。

もちろん、今回のクラウス・ペーター・フロール/モントリオール響という布陣に、文句があろうはずもないのだが。

 

 

Zoltán Fejérvári (Hungary AGE 30)

 

■Béla Bartók: Concerto no. 3

 

これまでそれほど良い印象のなかった彼だが、今回はお国ものということもあってか、意外にもなかなかの名演だった。

彼のこれまでの演奏は、大変に洗練されたというよりは、どちらかというと素朴でやや武骨な感じがあり、あまり大きな感銘を受けなかったのだが、バルトークにおいてはそういった面が逆に奏功しているのかもしれない。

 

 

Giuseppe Guarrera (Italy AGE 25)

 

■Peter Ilyich Tchaikovsky: Concerto no. 1 in B-flat minor, op. 23

 

こちらも生き生きと活気のある演奏で、なかなか良い。

彼のラプソディックな面というか、完全に緻密なコントロールというよりは勢いや感興のようなものをも重視するようなスタイルが、こういったコンチェルトには合っているかもしれない。

オーケストラとずれるところもやはりあるにはあるけれども。

 

 

今日の3人の演奏は、それぞれなかなか良かった。

順位をつけるのは難しいが、敢えてつけるとすると、完成度という意味では

 

1. Zoltán Fejérvári (Hungary AGE 30)
2. Giuseppe Guarrera (Italy AGE 25)
3. Albert Cano Smit (Spain / Netherlands AGE 20)

 

ということになるか。

そして次回、第2日はついに最終日。

楽しみである。

 

 


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