ウラル・フィルハーモニー管弦楽団 滋賀公演 ドミトリー・リス ラヴェル 「ラ・ヴァルス」 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ラ・フォル・ジュルネびわ湖2017

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団 ドミトリー・リス(指揮)

 

【日時】
2017年4月30日(日) 時間 16:20~17:05 

 

【会場】

びわ湖ホール 大ホール (滋賀)

 

【演奏】

指揮:ドミトリー・リス

管弦楽:ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

 

【プログラム】

デュカス:魔法使いの弟子

ラヴェル:ラ・ヴァルス

ラヴェル:ボレロ

 

 

 

 

 

ラ・フォル・ジュルネびわ湖2017の、私の聴いた3つめのコンサート。

1つめのコンサートの記事はこちら

2つめのコンサートの記事はこちら

 

オール・フレンチ・プログラムである。

なかでも、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」が印象的だった。

この曲は、このブログではもう何度も書いているのだけれども、私は2015年浜松国際ピアノコンクールのドミトリー・マイボロダの演奏(ピアノ独奏版)を聴いて以来、そのあまりの名演に、他の演奏を受け付けなくなってしまった。

フルオーケストラ版であっても、マイボロダ一人による雄大さにまったくかなわないのである。

 

今回の指揮は、ドミトリー・リス。

彼の演奏は以前聴いたことがあるが(そのときの記事はこちら)、勢いはあるけれども緻密さにはやや欠ける印象だった。

今回の演奏を聴いても、その印象はあまり変わらない。

しかし、「ラ・ヴァルス」における緩急の付け方やクライマックスへの持って行き方はかなり堂に入っていて、それこそマイボロダの演奏を少し思わせてくれるところがあった。

たとえ洗練されていても角ばってこじんまりとした演奏よりは、この曲の、一種狂気をはらんだような肥大・錯綜した世界を、よく表現していたように思う(もちろん、さらに洗練もつけ加わったならば、なお良かっただろうけれども)。

ウラル・フィルも、日本のオーケストラに比べて格段に優れた楽団とは感じなかったが、その音色のロシア風な厚みは大変特徴的であり、おそらくリスの表現したかったであろうこの曲の「拡がり」を十分に実現していたのではないだろうか。

 

 


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