兵庫芸術文化センター管弦楽団 第92回定期演奏会
クラウス・ペーター・フロール 「ザ・グレイト」
【日時】
2016年11月19日(土) 開演 15:00 (開場 14:15)
【会場】
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
【出演】
指揮:クラウス・ペーター・フロール
フルート:マチルド・カルデリーニ
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
【プログラム】
ライネッケ:フルート協奏曲 ニ長調
シューベルト:交響曲 第8(9)番 ハ長調 「ザ・グレイト」
●ソリストアンコール曲
ドビュッシー:シランクス
「グレイト」といえば、先月カンブルラン&読響が名演を繰り広げたらしい。
また、メータ&ウィーン・フィルも、大阪ではブルックナーだったが、東京では「グレイト」もやったそうな。
それでは今回の演奏はどうだったかというと、まずまず好感の持てるものであった。
冒頭の序奏は割と速めのテンポでサクサク進み、そのまま少しアッチェレランド(加速)するだけで主部になだれ込む。
主部以降は中庸のテンポで、特にテンポを変えることもなく、あっさりと進んでいく。
これといった強い個性は感じられなかったが、曲そのものが素晴らしい分、素材をそのまま呈示するというのは正しいやり方だろう。
アバドのように、端正な中にも透明な美しさや深みが出るとさらに良いが、そこまで贅沢は言うまい。
なお、終楽章最後の音をあからさまにデクレッシェンド(だんだん弱く)する解釈をしていて、なかなか面白かった(シューベルトの楽譜の書き方は、デクレッシェンドとアクセントの違いが分かりにくく、解釈に違いが生まれる)。
話が前後するが、前半のライネッケのフルート協奏曲は初めて聴く曲だった。
おそらく、フルート奏者にとってはメジャーな、重要なレパートリーなのだろう。
とても伸びやかで美しい曲だった。
演奏も自然で無理のないもので、とても良かったように思う(聴き慣れていない曲なので、やや自信がないが)。
マチルド・カルデリーニは、第8回神戸国際フルートコンクールの優勝者とのことである。
確かに、技巧的にも安定しているように感じた。
そして、フルートを奏する姿がとてもさまになっている。
機会があれば、モーツァルトの協奏曲も聴いてみたいものである。