びわ湖ホールオペラ マスネ作曲 歌劇『ドン・キホーテ』(全5幕) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

オペラへの招待 マスネ作曲 歌劇『ドン・キホーテ』(全5幕)(フランス語上演・日本語字幕付)

【日時】
2016年8月 7日(日) 14:00開演

【会場】
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール

【出演】
ドン・キホーテ:松森 治(びわ湖ホール声楽アンサンブルソロ登録メンバー)
サンチョ・パンサ:五島 真澄
ドゥルシネ:鈴木 望
ペドロ:藤村江李奈
ガルシアス:本田華奈子
ロドリゲス:島影 聖人
ジュアン:古屋 彰久
召使:砂場 拓也 ・ 吉川 秋穂

指揮:園田隆一郎
演出・お話:菅尾 友
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル





このオペラを観た(あるいは聴いた)のは、実演・録音含め今回が初めてだった。
そもそも、マスネのオペラはほとんどアリア集でしか知らない。
今回全曲を観てみて(ただし都合で第3幕までしか観られなかったのだが)、ヴェリズモさえも想起させるような激しい音楽に驚いた。
マスネというと、フランスらしい、もっと優雅なロマン・オペラを想像していた。
ただ、この曲は1910年に作曲されたとのことであり、マスネ最晩年の作で、確かにヴェリズモから影響を受けたとしても不思議はない。
もしかしたら、「マノン」や「ウェルテル」はまた違うのかもしれない(これらも全曲を聴いたことがない)。
いずれにしても、今回は激しくドラマティックな音楽を堪能できた。
演奏も、指揮・オーケストラ・歌手それぞれ一定以上の水準であったように思う。
日本センチュリー交響楽団も、オケ・ピットのスペースの制約のためか、普段のコンサートよりは人数が少なめだったが、それでも十分に充実した演奏となっていた。
演出についても、個性的とはいえ比較的素直なものであり観やすく、ストーリーにすんなり入ることができて良かった。

オペラはオーケストラによるコンサートよりもさらにたくさんの人により催されるため、その分チケットのお値段も張り、これまであまり実演で観てこなかった。
しかし、いざ観てみるとやはり迫力があって良い。
今後は時間とサイフが許す限り観ていきたいものである。