大阪フィルハーモニー交響楽団 第500回定期演奏会 井上道義 ベートーヴェン「英雄」 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第500回定期演奏会

 

 

 

【日時】

2016年7月21日(木) 19:00開演(18:00開場)

 

 

 

【会場】

フェスティバルホール

 

 

 

【演奏】

<指揮>井上道義

<独唱>

サンドラ・フェランデス(メゾ・ソプラノ)

ガスパール・コロン(バリトン)

<独奏>三浦一馬(バンドネオン)

<合唱>大阪フィルハーモニー合唱団

<管弦楽>大阪フィルハーモニー交響楽団

 

 

 

【曲目】

バカロフ/ミサ・タンゴ

ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調「英雄」作品55

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会。

それも、記念すべき第500回である。

歴史的な機会に立ち会えるというのはとても嬉しい。

 

バカロフのミサ・タンゴは、スペイン語(?)で書かれたミサ曲。

通常のラテン語ではなく、南米の人たちにとっての母語に訳され、かつ長たらしい部分はカットされたシンプルな歌詞となっており、また音楽のノリもラテン系で、おそらく南米の人たちにとって神を身近に感じられるような曲を目指して書かれたのだろう。

ただ、初めて聴く曲なだけに、演奏の良し悪しまではよく分からなかった。

 

 

 

メイン・プロは、ベートーヴェンの英雄。

これはもう大好きな曲で、これまでCDで数え切れないほどの回数聴いている。

しかし、実演では満足できる演奏に出会ったことがない。

今回も、だだっ広いフェスティバルホールという環境が災いしてか、14型のオーケストラでも十分な迫力が伝わってこず(特に弦)、こじんまりした印象になってしまった。

ただ、例えば第1楽章のコーダの部分、第1主題冒頭の音型を各楽器がつないでいって一気に盛り上げるのだが、その後に弦が引き継いで緊張感あふれるクライマックスを形成する箇所では、パワーにはやや欠けるもののヴァイオリンの音は汚くならず美しく響いており、さすがは大フィル、と思わせる演奏であった。