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青い旅人

16才のヒカルは国家機密情報部の重要な任務を任された。任務名コードネームゼロ。記憶の片隅に消えた歴史、青い民の生き残りを連れ帰る。そして物語の終盤で岐路に立たされる。任務を遂行できるのか。何が待ち受けているのか。ヒカルはまだ知らない。

「ここまで無事にこられたからといって気を抜くな。」

ジャイロが沈黙を破った。

「来る!」

周囲を数十人の黒装束のものたちにいつのまにか囲まれてしまった。

「ここはまかせろ。借りを返したい奴がわんさかいるんだ。」

「ジャイロ、あなた一人でこんな人数無理よ。私も加勢する。」

ジャイロが疾風のごとく、一度に10人を気絶させた。

「何を言っているのだ。道は開いたぞ。前に進め。心配は無用だ。」

ヒカルたちはジャイロを信じて進む事にした。ジャイロは次々に襲い掛かる大群を瞬く間に気絶させていく。そして最後の一人を迎えた。

「ジャイロ、相当腕を磨いたな。」

陽明が姿を見せた。

「しかもこれは驚いた。誰も傷つけず、急所を狙って身動きのみ封じるとは、どうした心境だ。あの冷酷なジャイロからは想像もつかない。」

「あまりに多くの命を犠牲にしてきた。俺に必要な事は、ただ前に進むのみ。それを阻止するものを立ち止まらせることができればそれでよい。俺の剣で生を立ち切るのはあまりにも傲慢。あまりにも重すぎるのさ。命あれば、人は変われる。陽明お前もだ。」

陽明は小さく笑った。

「ジャイロ、お前は幸せだ。光を見つけたようだ。私は己を貫くのみ。」

陽明の剣がジャイロのほほをかすった。ジャイロは身じろぎしない。

「陽明、お前はまっすぐすぎる。そこが良いところでもある。しかし、時に柔軟性も大切だ。これから俺がじっくり教えてやる。」

ジャイロと陽明の死闘は明け方まで続いた。闇夜に二人の剣を交える金属音と空を切る音が鳴り響く。それはまるで互いの心のうちを語り合っているようにも見えた。陽明が一瞬ふらついた。その瞬間をジャイロは見逃さない。あっという間に急所をつき、身動きを封じた。

「明日になればまた動けようになる。もしお前にその気があるのなら、いつでも相手になる。更に精進しよう。友よ。」

陽明は薄れゆく記憶の中でそれも悪くないと思った。

ヒカルたちは、一人たたずむ男の背を見た。

「トゥーリ。」

テレサが近づく。

「それにしてもやはり人の力は無力だ。天塩にかけて育てた黒装束部隊がいとも簡単に、こここに部外者を立ち入らせるとは……。さすがピグリムの息子。おしい逸材だ。しかしそれも今となってはどうでもよいこと。テレサ。やっと見つけた。奴がラーニャだ。」

気がつくと腕にアザのある少年がベッドの上に横たわっていた。

「ゼロ!」

ヒカルは声をあげた。