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青い旅人

16才のヒカルは国家機密情報部の重要な任務を任された。任務名コードネームゼロ。記憶の片隅に消えた歴史、青い民の生き残りを連れ帰る。そして物語の終盤で岐路に立たされる。任務を遂行できるのか。何が待ち受けているのか。ヒカルはまだ知らない。

「ゼロだと?さてはアリシパンの人間か。圧力をかけたのだが、アリシパンの統制も地に落ちたな。」

「圧力?」

「そうだ。アリシパンがどうしてあんなに発達したか知っているか。全ては俺の研究と資金があってこそだ。奴らに青い民の情報を流したのも俺だ。ラーニャの消息を一刻も早く掴みたかったからだ。まあお前たちの力など借りなくても、俺のほうがこうして先に手に入れたのだがな。」

トゥーリは不敵な笑みを浮かべた。

「ラーニャをどうするつもりなの。」

「テレサ、決まっているじゃないか。再びブルーダイヤを浮上させるのさ。暗い海の底からこの現代に。きっと同胞も喜んでくれる。」

テレサは声をあげた。

「そのためにクローザスの種を蒔き、全ての生命エネルギーを枯れ果てさせたとしても?」

「そうだ。王国の復活をお前も望んでいるのだろう。そのために後生大事に青い民の記憶を持ちつづけてきたのではないか。さあお前の記憶が必要だ。ラーニャは完全にゼロの中に魂を封印している。お前の持つブルーダイヤの記憶が必要だ。さあ力を貸してくれ。」

テレサは拒絶の態度を示した。

「トゥーリ、目を覚まして。私たちの歴史は海の藻屑となることを選んだ、あの日に終わったの。」

「何を言っている。たとえ王国が復活しても命は守られる。俺の研究でこのゼロがいれば完全な薬品を創り出す事が出きるんだ。さあ、テレサ早く。」

「あなたは東の国の惨状を知っているの?人々の悲しい結末、生き残った人達の怯えるような眼差しを。あなたは性急過ぎた。もっと理性を持って対処すべきだったのよ。感情が暴走して何も見えなくなっている。あなたの誇りは何?家系の汚名を晴らす為に、多くの犠牲を新たに生み出したこのことをどう考えているの?更にブルーダイヤを甦らすなんてばかげてる。閉じられた歴史はもう甦られない。過去にしがみつかないで、今を、私たちを見て。」

「残念だ、テレサ。お前もそれを望んでいるとばかり思っていた。まあ仕方ない。こうなれば力ずくでも協力してもらう。」

トゥーリがテレサの手を強引に引いたと同時にジャイロがトゥーリの急所をついた。