夫の海外赴任が突然決まり、「お金」に関する悩みに直面するプレ駐在妻。そして、海外生活をスタートさせた後にも、「お金」の悩みを抱えながら日々過ごしている駐在妻。

FP資格を持つ駐在妻たちによる、駐在妻のためのGlobal FP Salonでは、こうした悩みを解決し、ライフプランニングを考える際のヒントをお伝えしていきます。

 

今回は、前回に続き、「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き④」をお伝えします。

 

前回では、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」について紹介しましたが、今回のブログ更新と同時に、一部加筆していますので、是非こちらもご覧ください。

 

 

 

今回は、「金融関係の手続き」についてお伝えします。

 

 

まずは、「銀行口座とクレジットカード」です。

 

海外転居する際、日本の連絡先(留守宅など)の住所変更も必要ですが、ネットバンキングなどに登録しておくことが大事でしょう。海外在住中であっても、日本国内での送金手配など、意外とあるものです。海外での残高確認のほか、送金手続きなど、インターネットが使える環境であれば、様々なことを海外から手続きできます。是非、海外帯同前に手続きをしておきましょう。また、クレジットカードは、有効期限を確認しましょう。せっかく海外に持って行っても、有効期限が迫っている場合、使える期間が限られてしまいます。新しいカードを手に入れるのも一手間かかります。銀行系のクレジットカードであれば、銀行の支店で相談すれば、新規のカード(有効期限が更新されたカード)を発行してもらえる場合があります。

海外居住中、海外での支払いは、居住している滞在先の海外の銀行口座とリンクしたクレジットカードやデビットカード等を利用される方も多いと思います。しかし、日本国内(円)のクレジットカード決済で引き続き支払うもの(例えば、日本で加入している生命保険の保険料など)や一時帰国時などでクレジットカードを利用することがあるため、クレジットカードの有効期限は、しっかり確認しておきましょう。

 

 

次に、「証券口座」です。

 

海外転居する際、海外居住中の非居住者は取引が制限される(原則できない)ため、持ち株や投資信託などをすべて売却して口座を閉鎖するか、非居住者の間は「口座凍結」の手続きをとることが必要です。また、少額投資非課税制度のNISA口座も利用不可となります。(海外在住中もNISA口座を保有できるようになる、という見直しが2019年中に予定されています。詳細がはっきりしましたら、改めて皆さんにご紹介したいと思います。⇒「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き⑩ ―NISA口座手続き―」をご覧ください。海外在住中も証券口座を保有(維持)できる手続きは各社で異なるため、各証券会社に確認が必要ですので、まずは問い合わせをされることをお勧めします。

 

 

最後に、「生命保険」です。

 

日本の連絡先(留守宅など)と現地の住所を伝える必要があるところがほとんどですが、各社とも対応が異なるため、各保険会社に確認が必要です。

また、生命保険証書をコピー(もしくはPDF化)することをお勧めします。加入している保険がいつまでのものなのか、契約更新が必要なものかどうか、海外で起きた事故なども保険金の対象になるのかどうか、保険証書を見ればたいていのことはわかりますし、もし、わからないことがあっても、保険の証券番号が分かっていると、保険会社への確認がスムーズになります。また、住宅や家財に対しての損害保険には、個人賠償責任特約などの特約が追加されていることが多く、その中には海外で起きた事故であっても保険金の支払い対象となる場合があります。出国前に保険内容を確認しておくことで、追加の保険が必要なのかどうかも分かり、余計な出費を抑えられることにも繋がります。

 

 

滞在国がアメリカの場合、タックスリターン(アメリカの確定申告)時には、会計事務所から求められる必要情報として、日本の銀行口座番号や残高および銀行所在地、住宅ローン状況、加入保険の状況など、とても細かい内容を求められます。海外居住中でも、お金にまつわる最新状況を定期的に細かく把握することが大事でしょう。

また、海外だからこそ、日本ではあまり起きないような出来事やトラブルに巻き込まれることも考えられます。その際、日本の保険会社などへ問い合わせが必要となるかもしれません。その時に慌てないようにするためにも、銀行や保険などの書類のコピーかデータをまとめて持っていくことがとても重要ですので、出国前に確認しておきましょう。

 

 

 

「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き」に関して、疑問に思ったことや分からないところがございましたら、“Global FP Salon”へ「メッセージ」を送信してくださいね。また、個別メール相談(場合によっては、Zoom等での個別相談)も行っております。ご希望の場合は、globalfpsalon@gmail.com へ、お気軽に問い合わせくださいませ。

 

 

次回は、「海外帯同する(駐在妻になる)前にしておきたい手続き⑤」をお伝えします。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

 

(注)記事の無断転載・転写はお断りします。