【詩】・ホントは、ね。 | 〈 追 憶 の 向 こ う 側 〉

〈 追 憶 の 向 こ う 側 〉

筆者のリアル体験物語。「社内恋愛」を題材にした私小説をメインに、創作小説、詩を綴っています。忘れられない恋、片思い、裏切り、絶望、裏の顔―― 全てが入った、小説ブログです。


::: 追憶の向こう側 :::-オーディオ



「 これ、聴いてみて 」


半分押し付けるようにして、

あなたが貸してくれた、一枚のCD。



異性と親しくしたのは、

あなたが初めてだったから、

毎日が新鮮で、

毎日がドキドキで。



“ 好きな人に影響されやすいタイプ ”

そんな自分に気付いたのも、

あなたがいたから。



あなたが大好きな、男性ミュージシャン。


「好き」 というよりも、

憧れていたんだよね。


カラオケでは、

一度も歌わなかったもん。


それくらいに、

大好きで、憧れな人だったんだね。



本当は、

あなたの、愛してやまない

ミュージシャンの曲はね・・・

苦手なジャンルだった。


私の趣味・・・ じゃないの。



でも、

あなたが好きなものを、共有したい。

私も、好きになれたら・・・。


その想いで、

借りたCDを 聴きこんだ。



しばらく聴いているうちに、

違和感がなくなって、

「あれ?」 って感じた。



私にも、見つかったの。


何度も繰り返して

聴きたくなるような曲が。


「 これ、良い曲だね。何度も聴いたよ 」


CDを返すときに、一言添えた。


アルバムの中の ひとつを指して。


とても嬉しそうに、

やわらかな笑顔を 浮かべてくれた。



あなたに借りた、一枚のCD。



同じ物が欲しくて、

同じ音楽を聴いていたくて・・・


あなたを

もっと身近に感じたくて、

同じCDを買ったんだよ。



ホントは、ね・・・


あなたに返したCDは、

私の物。


そして、


私の手元にあるCDが、

あなたの物なの。



ホントは、 ・・・ ね。





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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。(*・ω・)*-ω-)) ペコリ
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