9月某日、朝からカンカン照りの猛暑な日。
私は傘を持って出かけました。
理由は気象情報をチェックしたら午後から雨になる予報だったから。絶対帰りは必要になる。
だがしかし…
道ですれ違う人、通勤通学ラッシュの゙中を移動する人、誰一人として傘を持っていません。
え?大丈夫なの?確かにこんなに晴れているけど、帰りは雨だよ〜・・・
そして退勤時、予報通りに雨。しかも土砂降り。
多少の雨ならちょっとくらい濡れても何とかなるけど、ここまで強いと傘がないとどうしようもありません。
(ちなみに足元は傘があってもびしょ濡れだけど、スニーカーだし、帰るだけだし、仕方ない)
同じ職場で働いて送迎車で一緒に帰って来た方々は屋根のあるところで身動きできずにいました。そんな皆様に「お疲れ様でした。」と涼しい顔で挨拶をして家路を急ぐ私でした。
その頃通っていた仕事は工場のライン作業。
ベルトコンベア上を流れる中から不適切な原材料(ちょっとした汚れがある物など)を取り除き、自分ができる範囲で処理をする仕事。
処理ができたらラインに乗せて、できない物は専門の処理担当者へ。
だから、ベルトコンベア上を流れている原材料からは目を離すわけにいきません。不適切な物がいつ流れてくるか分からないから。
手は動かしながらも目だけはライン上をしっかりと見て…
ところがです。
ほとんどのスタッフは、処理している自分の手元に集中し、全くベルトコンベア上を見ていません。
その処理内容は、汚れを手でこすって取り除く程度のもので、完璧にできなければそのための担当者がいるのだし。
そう思いながら、誰も気づかない不適切な物をひたすら取り除くのに専念せざるを得ない状況になったのでした。
ああ、そうか。
これって、雨の予報なのに傘を持たずに出かける思考と繋がっている。
自分の目の前だけじゃなく、前もって情報を確認しておけば困らないしスムーズにできることも、前後の状況を見ていないが故に困ったり、一部の人の負担になったりするのです。
全体の流れを把握するのって、とっても大事。
天気を予想するのにも天気図や雲の動きの見方が分かればとっても便利。
そんな気づきを一緒に仕事をしていた若い女の子に伝えました。彼女はまさに、あの日傘を持たずに出かけた、作業中は自分の目の前だけを見ているタイプ。
そうしたら「教えられた通りに前の方を見ながら仕事をしたら、スムーズにできました。俯瞰して見るって大事なんですね。」と話してくれました。
良かったよかった。
この「俯瞰して見る」ことが効果的なのは、作業業務以外の仕事や勉強にもいえますね。
チームでの仕事だったら、自分の前の担当者はどのような内容を手がけ、それを自分はどう踏襲すれば良いのか、そして次の担当者にどのように引き継げは、相手がスムーズにできるのか。
また、一斉に取り組む場合は、メンバー1人ひとりの特性も踏まえて、どのように役割分担をすれば効率的か。
スタートとゴールを確認した上で、現在の進捗状況はどうなっているのか。
等など。
勉強だったら、今分からない問題があるなら、分からなくなった原因を調べるためにその項目の過去の学びに遡って復習し直すのが有効です。
それをしないと、今とりあえずやり直して正解は出せても、後でまた同じところでつまずきます。
そのつまずきを最小限にするため、課題に気づいたら早めに遡ることをおすすめします。
また、可能であれば、今の項目は次の段階でどのように発展するのかを調べてみるのも有効です。
物事を俯瞰して見る習慣を身につけると、今自分がやるべきことだけじゃなく、先の見通しを持つことができます。
それによって、ゆとりが生まれ、勉強や仕事のレベルもアップ