あめつちはじめてひらけしとき

日本最古の書、古事記の序文曰く
古を稽へて風猷を既に頽れるに繩し
今に照らして点教を絶えむとするに補はずといふことなし
これはつまり、過去に学んで今の世の指針を見出すということ
先人の叡智、稽古照今にて
日本玉手箱探求の覚書

  • 礼節を知ることこそ最強の生存戦略である・・・礼節の科学 10/19追加あり

日本を知らす 稀にみる逸材が生かされなかった俳優

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ここのところ何度も書いていますが、また三浦春馬さんです。私の備忘録のようなものです。

 

何度も書いていますが私は子供の頃から映画が大好きで、色んな俳優のファンになってきました。

 

子供の頃は西部劇や時代劇が好きだったので西部劇俳優や時代劇俳優が好きでした。友達がアイドルを好きになる中、私は俳優ばかり好きになっていました。そのうち、映画誌を買うようになり、今度はハリウッドのアイドル的俳優を好きになっていきました。そして中高生ぐらいから映画館で映画を観るようになり、俳優の好みもだんだん変わっていきます。最初は、顔の良い人ばかりに目が行きましたが、だんだん面白い演技をする人が好きになっていきました。どんなに顔が良くても演技が下手では全然格好良くありません。また、日本映画では黒澤明監督の映画を知った後、黒澤組の俳優がだいたい好きになっています。三船敏郎、志村喬、千秋実、藤原鎌足、東野英治郎(水戸黄門だけじない!)山崎努、仲代達也、久我美子、原節子等等。また一時期は洋画と昔の日本映画しか観なかったのが、だんだん新作の日本映画も観るようになりました。そうした中で好きになったのは、役所広司、小林薫、本木雅弘(アイドルの時は全く興味なかった)、渡辺謙(映画「上海」を観てから引いちゃってます)、真田広之(最近日本映画出なくてつまらないです)、浅野忠信(最近面白い役やらなくなってつまらないです)、安藤政信(最近変な役しかやらないのに閉口してます)、金城武(最近日本映画出ないし日本公開映画がなくて残念)、オダギリジョー(最近役者じゃなくアーティスト俳優みたいになってるのが残念。普通逆だよね)・・・。洋画では、ニコラス・ケイジ、コリン・ファース、ジョニー・デップ、ヒュー・グラント、キアヌ・リーブス、ジェームズ・マカボイ・・・。他にもたくさんいますが、傾向的にはスターではなく俳優です。スターのカテゴリーに入っていたとしても、根っからの俳優が好きです。そしてそういう俳優ってみなカメレオン俳優です。ただカメレオン俳優ってわざわざカテゴリーするのはおかしいです。というのも普通俳優はみなカメレオンだからです。だから、もしカメレオンでない俳優がいたらそれは、日本でいえばタレント俳優というようなものだと思います。つまり、どんな役をやってもその人しか出てこない人です。それが上手い俳優では、その人に見えて別人となっています。そして、三浦春馬さんも、カメレオン、つまり俳優でした。それは子供の頃からで、たくさんの映像が残されており、特に十代になって演技に目覚めた(なにかの番組でちゃんと演技について考えるようになったと言っていた記憶があります。)後の演技は素晴らしいと思います。そしてだからこそ、10代後半から注目されるようになったわけです。10代になる前の写真や映像が最近ネットに上がっていますが、子役でありながら役によって髪型が変わっており、この頃はさせられていたのかもしれませんが、子役時代から髪型を変えて役作りをしていたこともわかります。

 

実は、私三浦春馬さんが急逝するまで映画「恋空」の俳優が三浦春馬さんだと知りませんでした。映画自体見てなかったというのもありますが、一応まんべんなく映画チェックはしていたから「恋空」という映画は知っていたのに、当時まだ知らなかった俳優でそのまま忘れていたのです。

 

春馬君急逝前は、「永遠の0」と「君に届け」ぐらいしか知らなくて、名前は知っていても演技は「永遠の0」しかよく見たことはなかったんです。ただ「銀魂2」の公開時にはその姿を見て、えっ三浦春馬ってこうなの?と思ったことは覚えています。それまで知っていた三浦春馬とあまりに違うので驚いたのです。ここで興味を持つようになって「アイネクライネナハトムジーク」ではあまりの普通の人っぷりにも驚かされました。そして急逝後、その作品群を観て、こんなに役毎に変わってきた、本当に役者だったんだな、と今まで知らなかったことが残念になりました。髪型や服装を変えるだけなら誰でもできますが、その雰囲気までもが変わってしまう、変えられる俳優ってなかなかいません。

 

だから、三浦春馬さんはその映画が語られるとき、必ずその役名で語られます。そうした作品群、写真だけではわかりずらいかもしれないけれども、辿ってみました。

 

17歳以降の三浦春馬さん(公開、放映順、年齢は公開・放映時)

※「ネガティブハッピーチェーンソーエッジ」、と「山形スクリーム」を除く全作品

 

映画「恋空」 高校生 ヒロ 

当時社会現象にまでなったので知っていましたが、私はティーンエイジャー小説&映画と思って興味が全くありませんでした。この夏、初めて映画も見て確かに若い物語だけど、でもこの年代の子の物語として魅力的であると納得もしたのです。そして三浦春馬さんの演技に驚かされ、この演技がただのティーンエイジャー映画でないものにしていることに気づかされました。まさか17歳(撮影時16歳?)の少年の死の演技がこんなにも自然で繊細であるとは思いませんでした。今になってこの演技を知って衝撃を受けています。当時、似たような映画が沢山作られた記憶がありますが、今映画として残っているのは「恋空」だけだと思います。それは三浦春馬さんの演技によるところが大きいでしょう。ただの青春映画でなくなったのは、三浦春馬さんがこの役をやったからです。本当は19歳以降をピックアップしようと思いましたが、この演技を見てこの映画は外せないと思ってこの映画以降にしました。

この映画は妊娠を喜んだ後に流産で悲しんだり、自身が病気で死ぬ役となっており、随分死に向き合わされている役でした。映画の中では「死にたくない」と泣くシーンもあります。私はこの映画を観た時、役者とはいえ何度も死に向き合わされてきたことを知り、こんな人が自ら死ぬはずないとあらためて確信しました。

この映画でハルは「空」になって美嘉(新垣結衣)を見守ると言います。世間を騒がせたドラマ「14歳の母」では空が大好きな少年で空の話から繋がった二人が子供をつくってしまうわけですが、生まれた赤ちゃんの名前が「そら」と命名されます。三浦春馬さんと「空」との繋がりはここで強化されたといっていいかと思います。

 

 

連続ドラマ「貧乏男子ボンビーメン」 高校に行かずアルバイトをする少年白石涼

普通の少年だけど1千万円の借金を抱え、しかし純粋で真面目に働いている男の子という役。この普通の役がまた上手くて、こんな少年いまどきいるの?と思わせたところが凄かった。「恋空」のヒロをやっていた子とは思えない素朴さです。役柄もあって、このドラマでは一生懸命になにかをやる春馬君が沢山出てくるのですが、それがみなほわッとしていて、その髪型とあいまって純粋な男の子感を増しています。下の写真はドラマ内のイメージとはちょっと違います。宣伝写真?

 

 

映画「奈緒子」 高校駅伝で活躍する壱岐雄介

天才的に足が速い役で、短距離から長距離に転向した高校生役をやっていました。子供の頃溺れた奈緒子を助けて亡くなった父の死にわだかまりをもっていた雄介が、高校生になって再び奈緒子(上野樹里)と出会い、陸上合宿を一緒にするひと夏の物語。ひたすら走るシーンばかりでしたが、身体つきが陸上選手の身体つきになっており臨場感がありました。運動選手らしくさっぱりした髪型です。物語の中では駅伝というグループ競技に独りだけ天才的に脚が早いという設定で、合宿メンバーから浮いてしまうという設定です。それをただひたすら走る演技で仲間を団結させていく難しい役で、ランナー役に今も活躍する俳優が二人しかいませんでしたから、ドラマそのものも三浦さんが引っ張っていった映画といえるかと思います。この年齢の時から、その演技力でドラマを牽引できたわけです。コーチ役が鶴瓶さんでした。

 

 

18歳 

連続ドラマ「ごくせん第三シリーズ」 不良高校生 風間簾 

これは何度もドラマ化や映画化のある人気の漫画家原作のドラマで、このドラマも3シーズンも続いたその3シーズン目という難しい時期に抜擢されたわけですね。見た目は普通の少年役が続いた後に不良少年役、メッシュに髪型を変えチャラい服を着て喋りもチャラくなって、ここまで雰囲気が変わることに驚きます。が、オンタイムの年齢の為、よくみると初々しさもあります。1年後卒業スペシャルドラマと映画あり。その際にはメッシュと編み込みは消えています。いずれも未見ですが、あらすじをみると生徒役に春馬さんがいたから、スペシャルと映画までいったのではないかと想像してます。生徒のリーダーに名前の知らない〇ャニーズがいることからも春馬さんがいなかったら続かなかったのでは?と思います。(私は基本〇ャニーズを知らないので、10年以上前の人を未だに私が知らないということは大した演技できなかったのだろうと考えています。)

 

 

スペシャルドラマ「ガリレオ エピソード0」 若き日の湯川学、大学生。

福山雅治演じた人気キャラクターの若き日を演じるにあたり、福山雅治の演技を研究したそうで、そっくりだそうだ。(私は福山雅治版見てないので知りません)髪型も似せている?クールな雰囲気で浮世離れしていて、これまでにやったどの役からもかけ離れているのに、こんな子いそうと思わせる自然さもあって、それが凄いです。

 

 

連続ドラマ「ブラッディ・マンディ」 天才ハッカー高木藤丸

高校生ながら政府の秘密機関でハッカーの能力を生かしてテロ組織と戦う役。一見、今どきの高校生感があって、ここまでの普通の高校生役とは違う感じがハッカー感を醸してました。もしかしたらガリレオと同時期撮影かもしれませんが、髪を跳ねさせることで雰囲気が変わっています。芦名星さんと藤木孝さんも共演されていました。細菌テロということで、まるで今年の世界を予想していたようだと今年話題にもなりました。このドラマで使われたメッセージがダイイングメッセージのヒントにもなっています。

 

 

19歳 

映画「クローズZEROⅡ」 美藤竜也 高校1年。

その強さで不良グループの幹部に高校1年でのし上がるという役 凄くクールで何を考えているのかわからない不敵な雰囲気があります。髪の色を変えるだけでこれだけ雰囲気が変わるのも凄い。未見。

 

 

舞台(ミュージカル)、地球ゴージャスプロデュース「星の大地に降る涙」 シャチ 

初舞台のこの作品で、ミュージカル、歌を歌うことやダンス、体を動かすことなどに目覚めたと語っている。この練習中に出来なかったバク転もできるようになり、身体能力の高さが生かされている。未見。

 

6万字OVER全写真削除サイトで確認・・

 

連続ドラマ「サムライハイスクール」 高校生 望月小太郎/同姓同名のご先祖様の望月小太郎

おバカな高校生小太郎が、ある時から何度も、御先祖様の望月小太郎に身体に乗り移られるようになる、という設定で高校生活で起きる問題を解決していく。御先祖様の望月小太郎が真田幸村の家臣で17歳で戦死した設定なのですが、その戦国時代の小太郎と現代の小太郎が完全に別人。それを同じ格好で演じ分けた三浦春馬に、はっきりいってぶったまげました。(まあ髪の毛を結びますが)私はこれを観た時に、この若さでこんな演技する俳優がいたのを知らなかったことにショックを受けました。侍の小太郎は、剣の構えも姿勢もピシッとして、単なる形の真似ではなかったから現代の小太郎と全く別人に見えたわけで、春馬君はこの当時既に所作などを学んでいたんだなあと考えました。この役の中では御先祖様の小太郎が17歳で死ぬことを現代の小太郎が考えるシーンが印象的でした。戦国時代は10代で戦い死ぬことは当たり前にありましたが、それは現代日本では考えられません。コメディドラマですがドラマ内で死と向き合ったわけです。

以前も書きましたが、このドラマを観てこの若さでもの凄い演技ができる上人気があったのに映画作品が少ないのに疑問を持ったのが作品ノート作成のきっかけです。

 

 

連続ドラマ「ブラッディマンデイ2」浪人生

高木藤丸は高校卒業後アルバイトをしながらハッカーでの仕事も行っているが平和に暮らしている。しかしハイジャック事件が起き、藤丸も巻き込まれていく。原作漫画は読んでいないのだけれど、物語そのものはシーズン1の方が面白かったと思うが、こうした物語はだんだん派手になる事を求められる。主演俳優としては厳しい位置にいた上に、連続ドラマが2クール続いて疲れ、仕事を辞めたいと思ったということは、その後何度も語っている。

このドラマの後、5月頃から「君に届け」の撮影に入ったようなので、準備期間を入れなければ、2カ月ぐらい撮影がなくて休めたのかもしれない。「君に届け」は普通の高校生の物語で撮影風景をみても楽しそうで、気分転換になったよう。気を張る役を続けてやるのがいかに無謀かがよくわかる。

 

 

20歳 

映画「君に届け」 高校一年生 風早翔太

絶大な人気の少女漫画で人気のキャラクターである誰からも好かれる風早翔太の役。この話が来た時、2クール続けてドラマをやって疲れていた時期だったので断るつもりだったが、アニメ版を見てやることを決めたという。アニメ版を見ると、アニメの風早にしぐさなどを合わせた演技をしていることがわかる。この映画は大ヒットし、今も絶大な人気があり、実写版となることを最初危惧されたのを通り越した風早翔太像を創り出した。私は、この映画が地元足利周辺で撮られたことを知っていたので、観てはいないけど注視していた映画。だが一度見たらハマってしまい(年齢に関係なくキュンとさせる映画)既に10回以上観ている。物語そのものも普通の高校生の日常や思春期の歯がゆさなどが描かれた普遍的な物語となっており、だからこれだけ人気があるのだと納得。ネットなどを見ると男の子にも人気があることがわかる。多部未華子ちゃん演じる爽子が最初の登場で「リング」の貞子そっくりに登場するのが漫画そっくりで面白く、思春期の考えすぎな発想が懐かしくもあってよけい気に入っている。この映画の中で翔太が、爽やかとみんなに言われ、「そんな爽やかじゃないよ」というのが春馬君に重なり、それもこの役を受けた理由ではないかと考えさせられもします。この風早翔太はそのみんなが言うイメージと実際の自分とのギャップを感じ悩んでもいるのです。それは春馬君も感じていたことでしょう。これは外見でもてはやされてしまう人の宿命ですが、容姿に限らず内面と外面のギャップを感じ悩むのは若ければ当然の悩みであり、そうした普遍的な悩みが描かれた物語でもあるわけです。事実春馬君は、「イケメン」と言われ続けることに抵抗があった時期もあったと聞いています。

髪型は漫画に合わせて同じ髪型となっています。下の写真は茶髪に見えますが、実際の映画は二人とも真っ黒です。そういう設定なので、ここ重要です。

この映画での印象的なシーンは、風早君や爽子が何度も見上げる桜の木です。見上げた木の向こうには空があるわけですから、三浦春馬さんと空の繋がりは続いていくのです。

 

連続ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」 高校教師 柏木修二

この時まだ20歳ですが、高校教師の役なので最低でも23,4歳の役。婚約を控え、人気のイケメン先生でありながら、生徒と(知らずに)関係を持ってしまい、それが学校にもバレて、とドンドン泥沼化していく物語なんだけど、そこにいくつもの伏線があり、人との繋がりや生き方について考えさせられる物語。このドラマの中でイケメンから、どん底で落ち込んでという姿をみせ、また立ち直っていく姿を見せていますが、若干20歳には見えなくて、この時25歳ぐらいなのかな?と思って観てたのでまだ20歳の時と知って後から驚きました。 前髪が上がって自然に分け目も入っており、ちょっと大人びた髪型にしています。彼女との関係、兄や家族との関係、生徒との関係、職場の関係、と、どれかだけに偏らない物語設定もいいなあと思いましたが、職場では責任を取って謝罪したり、仕事を辞めたりという設定ですが不自然感全くなし。こうした役を若干20歳でやっていたことにやはり驚きます。

 

 

21歳 

映画「東京公園」 カメラマン志望の大学生 志田光司 

カメラマン志望だけど将来が不確かな光司は公園で色んな人の写真を撮っていた時に、盗撮と間違えられ、それが縁である女性と子供の散歩写真を撮ってほしいと依頼され、毎日公園で写真を撮る・・・。光司は亡くなった友人の幽霊と暮らしており、その友人の彼女がしょっちゅう遊びに来る。また義理の姉に紹介されたバイトをしているのだが、毎日公園に通う中で、そうした日々が微妙にずれていく、という物語。美女3人の共演者に囲まれながらも、素朴な進路に悩む大学生を演じている。姉や、友だちの彼女との微妙な距離感が、だんだんと、ゆっくり変わっていく感じが、公園という場所のゆったり感とクロスしていて、不思議な雰囲気の映画です。流石青山監督の映画。もしかしたら、青山監督も再度役のオファーをしていたのではないかと考えています。インディーズ系の監督に絶対に好まれる俳優だったと思います。長くないけど、短くもない、働いている人でもないという、中途半端な髪形が大学生感を出しています。

 

 

連続ドラマ「陽はまた昇る」 警察官学校の訓練生 宮田英二

三浦春馬さんは佐藤浩市に随分影響を受けたという。訓練生らしく短髪となっている。未見。このドラマ開始前に佐藤浩市さん扮する指導官が指導官になる前のスペシャルドラマがあり、そこにカメオ出演しているらしい。いずれも未見。

 

 

ドラマ 「世にも奇妙な物語 JANKEN」ジャンケンに弱く、いつも負け続けのサラリーマン。

ジャンケン道場に通ってジャンケンに強くなり、人生も変えていく。これはサラリーマン役なので、短髪となっていますが、上記よりも全体的な短さでサラリーマンに近づけています。荒唐無稽な役で楽しんでやったんじゃないかと思います。ちょっとマトリックスが入っていたりして・・・。

 

 

22歳 

舞台(ミュージカル) 地球ゴージャスプロデュース 「海盗セブン」世界を股にかける怪盗の一人 ワイルド・アッパー

未見ですが、映像で見ると激しく踊り歌い、若々しく輝き躍動的な春馬君を見ることができます。この時結構髪が短かったので、この髪型はカツラだと思います。未見

 

 

東野圭吾ミステリーズ、ドラマ「小さな故意の物語」 高校三年生 中岡良

高校最後のサッカーの試合が終わったある日、子供の頃からの親友が学校の屋上から墜落死する。なぜ屋上にいたのか、理由を探っていくうちに事件のきっかけがなんだったのかを知ることになる。サッカー部員らしくちょっと長めの髪型の高校生姿。微妙な幼馴染同士の友達関係の危うさが最後まで緊張感を醸していて、物語設定もさることながら、春馬君の演技が物語に奥行きを与えているとあらためて感じたドラマ。「恋空」では新垣結衣の友達役だった波留がここでは幼馴染の同級生役です、そして近藤公園が先生役。役者だから何度も同じ人と共演するのは当たり前かもしれないけど、繰り返し共演する人に目がいく。キーパーソンとして登場するのは墜落死した達也に片思いしていた2年生役の三吉彩花だが、「大切なことはすべて君が教えてくれた」でも同時出演はないが共演していた。

 

 

舞台(ミュージカル) 劇団新感線 ZIPANGPANK 五右衛門ロックⅢ 探偵侍明智心九郎 

この舞台も歌って踊って生き生きとした春馬君の動画を多数見ることができる。この侍の格好は凄く似合っていて、もっと侍役をやってほしかったと思います。未見。この時宮藤官九郎に絶賛されています。クドカン、映画はダメだけど、舞台とドラマは間違いないです。

 

 

23歳 連続ドラマ「ラストシンデレラ」 BMXライダー 佐伯広斗 24歳

放映当時社会現象になったほど春馬君の年下イケメン度が注目されたドラマ。主人公はオヤジ化したアラフォー女子の篠原涼子扮するヘアスタイリスト。その遠山さくらが、同僚の藤木直人扮する立花凛太郎と、年下の広斗の間で揺れるという、普通じゃありえないコメディ。私は当時全然興味なく見てなかったので知らなかったのですが、今回見てこれは確かにハマる!と思いました。コメディなので楽しみながら演じている感もあって、気楽に楽しめるドラマでもありますが、この広斗が上半身露出したり、BMXを駆っているシーンもあったり、春馬君が身体を張って頑張っています。髪型も含め相当セクシーな年下イケメンで、時に年上に甘えるようなすねた顔も見せるのが上手い。しかし派手に見えるけれど実はしっかりアルバイトで生活費を稼ぎ、家族関係に悩みながらも向き合っていくというそうした設定をただの物語にみせない深みのある若者役でもあり、ただのイケメンで終わらせないところが春馬君です。これ、春馬君が演じたから深みが出たと思わせるのがみそ。また、年が離れすぎじゃない?と最初は思ったんだけれど、いや歳関係ない、という説得力が生まれたのも春馬君だからだと思う。

 

 

映画「永遠の0」 弁護士試験に落ち続けている26歳の佐伯健太郎 

祖母が亡くなったのをきっかけに祖父に血の繋がりがないことを知り、元特攻で亡くなった本当の祖父がどんな人だったのかを調べることになる孫役。自分が知らなかった戦時中の事を知り、過去を観る目が変わっていく若者を演じています。春馬さん自身もこの映画をきっかけに自身の祖父について知ることになり、靖国神社には毎年お参りするようになったといいます。この映画のプロモーション時には主演の岡田准一さんが、三浦春馬君の役が一番難しい役かもしれないと語ったこともあるそうで、確かに人に話を聴いていっただけで変化を見せるというのは難しい役だったと思います。実際、服の感じも含め何も大きな変化は最後までありませんが、あきらかに内面は変わっていくという青年を演じていました。服装も髪形も全ていたって普通の役どころで、これが同じ年に一世を風靡した広斗と同じ人が演じていると思えないぐらい違うのが凄いです。実際、私は髪型がもさっとしている奴(!)というイメージが残ったぐらいですから・・・。この映画、零戦が飛ぶのは大空ですから、ここでも三浦春馬さんは空を見上げることになります。

 

 

連続ドラマ「僕のいた時間」 大学生から新入社員となる 澤田拓人 

就職難の大学生で何回も面接を受け続けその度に落ちてしまい、自分に自信を持てず、家族とも微妙な距離感がある拓人。それでもギリギリ就職先をみつけ新入社員として働きだし、彼女もできるのですが、体に違和感を感じ病院へ行くと、難病のALSであることがわかります。悩みながら、その病気と向き合っていく拓人の約3年にわたる日々の物語のドラマ。その日々の中で、恋人との別れと再会、親子の理解や兄弟の問題が解決されていき、今を生きることの大切さを感じさせる物語となっています。拓人は、だんだん身体が動かなくなっていく中で最後に呼吸器をつけるかどうか悩み、付けないことにしていたのですが、最終的には付けることを選択します。それは自ら喋ることができなくなるのを意味するのですが、医療の進歩によりIT技術で録音した自分の声を使って喋るような器具を使っている所で物語は終わります。この器具が頬の皮膚の動きで操作していてドラマの最後春馬君がそれをやっていたのに感服しました。このドラマ自身も春馬君が命をテーマにしたドラマがやりたいと提案したドラマだったそうで、テレビ局が1年をかけて準備されたドラマだという。この撮影中に春馬君は体重制限をして痩せていました。ドラマの最後の方では頬がこけています。俳優魂を見せつけてくれる感動もののドラマでした。

このドラマは三浦春馬という役者が意欲的で人を考えさせるドラマを提案できることを示しました。このドラマを見たら、「生とは、死とは、生きるということとは、どういうことか」と考えることになります。そして、そうした「日本人が思考」することを嫌う層からしたら、三浦春馬さんは日本のためになるからこそ危険であると再認識されてしまったドラマかもしれません。年末公開の「永遠の0」と「僕のいた時間」の二つが同時期に存在していたことが、三浦春馬という人気俳優の存在感を潰そうという意思を強めてしまったのかもしれない、と考えています。これが2014年1月~3月期のドラマで、7月にそれまであった三浦春馬さんのホームページが閉鎖されたことをファンが驚いているツィートが残されています。そしてそれまで毎年発売されていた三浦春馬カレンダーも2013年で終了したそうです。つまり2014年から作られなかった。以前は「永遠の0」とその後のプロモーション時に目をつけられたのかもしれないと書きましたが、このドラマと映画、両方で目をつけられたのだと思います。

 

ドラマ「殺人偏差値70」 東大受験生 未見。

 

24歳 

映画「真夜中の五分前」 時計職人 

中国で撮影し全編大陸の言葉で演技をした。監督は1,2年程度使っている程度の語学力でいいと思っていたそうだけれど、春馬君は通訳に完璧と言われるぐらいに上達していたそうだ。2カ月ほどの準備期間でそこまでなるってどんだけ語学脳があるんだろう?時計職人の役の為、ずっと道具を持っていて、豆まで作ったそうですが、手は全然映らなかったという。監督は再度一緒に仕事をしたいと話をもちかけたことがあるそうだが、スケジュールの都合で事務所から断られたと語っている。本人まで話は行ったのだろうか?行定監督の映画を春馬君が自ら断るとは思えないので疑問。未見。

この映画は「僕のいた時間」が終わった後に撮影に入って、その年の年末公開されましたが、「永遠の0」がロングランでプロモーション何度もあったため、岡田准一さん、井上真央さんと一緒に出たバラエティ番組でこの映画撮影時の話もして、その時春馬君は中国語も披露しています。この時習得した言葉がこの後、海外プロモーションの時に役立った模様。中国語はよくわからないのですが、香港や台湾の言葉も覚えやすくなったのではないかと思います。

 

 

25歳

舞台「地獄のオルフェス」 舞台人の鉄板テネシー・ウィリアムズの戯曲。主演の大竹しのぶも、演出家も春馬さんを絶賛している。未見だが見て見たい。

なお、「殺人偏差値70」の撮影時期は不明だが、多分このドラマの後からこの舞台上演までの約1年間「進撃の巨人」以外、新作の仕事がなかったと思われる。

 

 

25歳 映画「進撃の巨人」 エレン 

大ヒット漫画の実写映画化。しかし、脚本は漫画の物語から外れており、ファンの期待に添えず(?)映画もこけたそうだ。そもそもSFXを使った大掛かりな日本映画は、過去の例をみてもことごとく失敗作に終わっている。例外は、山崎貴監督作や、福田組の映画。だからこの映画も、映画化が決まった時点で私はこけるな、と思って主役になる人がかわいそうだ、と思っていたら、主役が三浦春馬さんだった。この頃はよく知らなかったから、あらまあかわいそう、ぐらいに思ってました。だから、やっぱりコケタニュースは意外でもなんでもなかった。私は漫画もアニメも知らないので後から知ったのだが、脚本が町山智浩(なんでこの人が脚本?)で、めっちゃくちゃなストーリになってたんだそうな。映画の肝は脚本で、脚本さえしっかりしていればたとえ変更されても映画は成功するというのがセオリーだから戦犯は脚本のはずで、ハリウッドでも映画がコケればまずは脚本家、そして監督のせいとなる。しかし、この映画はなぜか主役の三浦春馬さんが映画がこけた責任者となっているらしい・・・。日本映画おかしいだろ!春馬君は、気落ちしてファンに申し訳ない、と語っていたという。実際、留学中にルームメイトには2年経ってもまだ観る気になれないし、ファンに申し訳ないと語っていたそうだ。それでなくても、表に立って、プロモーションも回っていつも矢面に立たされている俳優は可哀そうだと思う。映像で見る限り、演技はいつも通り凄そうだから、やっぱり脚本の酷さで間違いないでしょう。見よ!このエレンになりきった視線↓とはいえ、ほんと未見です。最近は春馬さんのために観たいと思っています。なにしろ映画については観てから語れが自論なので。(その割に色々書いたけど・・・)

 

連続ドラマ「わたしを離さないで」 孤児院育ちの土井友彦

イギリスの権威ある賞ブッカー賞をとったカズオ・イシグロの小説を日本を舞台にドラマ化。以前イギリスで映画化もされている。臓器提供のために育てられている孤児院の子どもたちの人生の物語。この子どもたちはみなクローンで生まれており、臓器提供するためだけに生きているという設定が怖い。しかし私は以前、清水玲子の「輝夜姫」を読んでいたので、もしかしてカズオ・イシグロは1995年当時神戸事件の時にこの漫画が話題になったのをイギリスで聴いてインスパイアされてこの物語を作ったのかもしれないなあと思いながらこのドラマを見た。三浦春馬さんは精神的に不安定な男の子が成長した姿を繊細に演じていた。こういう繊細で不安定な感じをかもす役は三浦さん十八番と思う。綾瀬はるかと、水川あさみの二人に挟まれてこの運命に流されていく友彦。いや、本当に暗い役でなんで連続ドラマでこんなのやってるんだろう?って思ったぐらい暗いドラマ。なお、三浦春馬さんと三回共演された多部未華子さんもドラマ化の前に舞台で主演している。この後、暗い役が増えていく。

 

 

26歳 

舞台(ミュージカル)「キンキブーツ」 ドラッグクイーン ローラ 

未見だけど、残されている動画は何回も見まくりました。本当にカッコいいドラッグクイーン役です。歌もうまいし、ダンスもキレッキレ。またしぐさも女らしくて。あまりにも動画見過ぎで各国版キンキブーツも観たのですが、日本版が一番きれいだと思います。確かにブロードウェイ版などはパワフルですが、魅力的かというとそうでもなかった。23歳の時に初めてこのミュージカルを観た時から日本でもしやる場合は自分がやりたいと切望して、オーデションも受けて念願かなっての役。そんな春馬さんの魂がこもったローラが最高なんではないかと思う。この舞台の動画とかないらいしいのですが、後でDVD化とかしてほしい。しかしそれはできないそうだ。残念。なお、ダンスシーンの手先のしなやかさに目がいっぢゃっていたのだが、日本舞踏なども取り入れていたと自身で語っているのを読んで納得。経験したことで使えるものは全て使っていた貪欲な俳優の面が良く生かされた役だったんだろうと思う。全編、通しで観てみたい。最初NYでシンディ・ローパーに会った時はいきなり歌わされ緊張して上手く声が出ず、ボイス・トレーニングをしっかりやれと言われたらしい。このボイス・トレーニングを真面目にやってドンドン声が出るようになったわけです。

 

 

27歳 

連続ドラマ「オトナ高校」 東大卒エリートで30歳童貞の英人(チェリート)

ロンドン留学中に小出恵介の代役で留学を切り上げて戻され、演じた役だという。この当時まだ30歳になってないが30歳の童貞で、30歳以上の未経験者が通わせられる高校に入れられる法律が出来たという設定のコメディドラマ。三浦さん演じる英人は東大卒のエリートのため、チェリートと呼ばれることとなる。はじけたコメディ演技見せてます。またテーマ曲の高橋優の「ルポルタージュ」に春馬さんも参加しておりこれが最高です。髪型はエリートらしく7:3で決まってます。ドラマは最後までコメディ前回の設定で笑わせてくれましたが、小出恵介が演じていたら、変にこじらせている感や人間味がここまで出せたのかは疑問。ただし視聴率は良くなかったよう。

 

 

大河ドラマ「女城主直虎」 主役直虎の子供の頃からの許嫁、直親。

しかし、父親が謀反とされ死に、直親との結婚はかなわない。直親は別の女性と結婚し子供を設けるが、桶狭間の戦い後、直親は謀殺される。その子供が後の井伊直政となる。この役は元々悲劇の役で親子揃って謀殺されるが、この謀殺シーンが今となっては三浦春馬さんに重なってしまってつらい。ただ、この役そのものは、子供の頃から願っていた大河ドラマの役であり、子役時代から含めるとこれが三度目。全て主役に近い役を得ています。本来であれば、次の大河ドラマの主役になっていたと聞いています。年齢的にも大河ドラマの主役に相応しい時期でした。この役そのものも期待される若君でありながら、長年離れて育ったために疎外感があったりするなど、三浦さんの繊細な演技が生きた役でした。そして、サムライ姿が凛々しくていい。若らしい、他と違った衣装がまた似合っていました。 若い頃はこうした顔がいいからという役にじくじくたる思いがあったようですが、年齢とともにそうした役ができるということを強みに変えてきており、この役でも外見の良さを生かした若君役に生かしています。全部は観てないので、全部観てみたい。

 

 

28歳 

映画「銀魂2」 伊藤鴨太郎 

漫画は読んでいないが、漫画そのもののキャラクター作りをしていたそうだ。しかし、そうした中にも鴨太郎の人間味を出すための演技作りをしたという。この映画では終始表情を変えないクールな役でありながらも、最後そのドラマ性に涙が出てしまうのはここにある。この映画の感動は全て三浦春馬が作り出したといっていいのではないかと思う。しかし、映画公開時の舞台挨拶で、全て脇に徹して、自分の役に付いて振られても全て他の人を褒めて自分について語らなかったのが印象に残っている。主役ではないものの、物語的には主役の柳楽優弥と助演の三浦春馬という実質的な形になっていたので、遠慮をしていたのかもしれない。

私は三浦春馬というと「永遠の0」のもっさい髪型の奴(実はずっとそう思ってた)というイメージだったので、映画キャラクター写真と映像が公開になった時「誰このイケメン?」と非常に驚きました。「君に届け」はただのティーンエイジャー映画と思っていたし、あまり印象になかったんです、三浦春馬さんが。だから、この頃から三浦春馬ってもしかして凄い役者なのかも?と注視するようになったきっかけといえます。ただ映画は当時見ようと思って観てませんでした。映画で観てなかったので、まだまだ私の中では印象に残る役者になっていなかった、当時は。三浦さん自身の映画出演が少ないのと、2011年以降、だんだん私が昔ほど映画を観なくなっていたこと、またテレビドラマやバラエティー番組もあまり観ていないこともあって私の中では三浦春馬という人を知ることができなかったわけです。だってこの時点で20歳以降の映画が「君に届け」以外では、「東京公園」と「真夜中の五分前」と「進撃の巨人」しかなく、内2作品はインディーズ映画ですから見逃すと映画好きか、ファン層でないかぎり気づかないとなってしまうもので、「進撃の巨人」は問題外だったからです。映画を前ほど観なくなっいたのでインディーズ映画情報も疎くなっていました。

 

 

スペシャルドラマ「明日へのワープ」 映画監督を夢見る青年 20代ぐらいから50代?ぐらいまで。

このドラマでは、現実世界が苦しくて、時間をワープしようとしているうちに、ワープしすぎて過去に自分が何をしてきたのか思い出せないのに齢をとっていて愕然とする役を演じていました。苦しい失敗や経験も人生には大切であるという物語です。写真は、一挙に老けてしまって過去を思い出せないことを後悔しているシーン。未見だが動画がいくつかあり物語がだいたいわかりました。

 

 

映画「SUNNY」 大学生役

90年代ぐらいの仲良し女子高校生6人組だった主人公が、その当時の友達を探しだす物語。春馬さんは、友人の兄貴の友達の大学生でDJをやっている役。当時流行ったロン毛のカツラを被って当時のイケメンを演じているが、いかにも一目惚れされそうな風貌をサラッと演じている模様。未見

 

 

オムニバスドラマ「ツーリスト」天久真

海外の国と出会う主演女優を変え旅人同士の出会いが綴られる「ツーリスト」。出会うのは、どの国でも天久真。そして最後に真目線のドラマも展開する。真目線のみ未見。ドラマではあるけれども、映画に近い感じで、新しい時代のドラマ。ちょっとミステリアスだけれども、何か挫折して海外を放浪している真が、それぞれの国で出会った女性三人をそれぞれ励ましていく。こういう人のために何かをする人間を演じると、凄くナチュラルにその良さを発揮するのは三浦春馬本人の人間味が滲み出るからではないかと思わせる。三浦春馬さんは等身大の若者の役をやることが少ないと思うのだけれど、この真は等身大の若者役だったので、こういう役を演じるのは嬉しかったのではないか?と思う。真編も観たい。

 

 

映画「こんな夜更けにバナナかよ」 医大生で勉強にもなるとボランティア活動もしている田中

筋ジストロフィー患者のボランティア活動先に、恋人が来てしまうところから物語は始まるが、三浦春馬さん演じる大学生はちょっと抜けてて、自分の意見も強く言えない、また病院の院長である親ともうまくいっていないという悩み多き医大生を演じており、ボランティア先でもいつも怒られている。ここに出てくる筋ジストロフィーはかつて三浦春馬さんが提案したドラマ「僕のいた時間」で扱った病に似ており、この映画の中で担当医を演じている原田美枝子さんはドラマ時に関係がうまくいっていないお母さん役を演じていました。そしてこの映画の中での大泉洋さん演じる患者さん鹿野は他の患者さんの希望になっているということで、いかに「僕のいた時間」というドラマに先見性があったかを再確認しながら観ていました。ただしこの映画は実話が元だけにこの患者のボランティアがどれだけ必要かということがリアルに詳細に描かれていました。またこの映画の中で、既に28歳(撮影時は27歳?)の春馬さんの医大生ぶりが全然違和感がなく、改めて年上にも年下にもみせることができるその役者ぶりに驚かされます。また普通の学生の役が本当に自然で、普通を演じることが一番難しいというその普通になんなくなれる春馬さんがまた素晴らしいと思うのです。自信がなく、どんどん自信を喪失し、傷ついていく田中はこれもまた等身大の若者の姿でした。上下の写真と比べてみても同じ人とは思えません。映画ラストで、亡くなってしまった鹿野が空から見張っていると語りながら空を見上げるシーンがあり、三浦さんと空の繋がりは続いていました。

 

 

舞台「罪と罰」 ラスコリニコフ 

ドフトエフスキーの小説の舞台化。「地獄のオルフェス」の演出家フィリップ・ブーリンが三浦春馬をラスコリニコフ役に切望したという。未見だが観劇した人の書いたものを読むとラストシーン圧巻だった模様。舞台1年前の写真で「罪と罰」の本を持っている写真を撮られており、また役の解釈のために教会の牧師に数時間話を聴いたエピソードも伝わり、十分に準備して挑んでいたことがわかる。

この舞台の稽古期間中に、稽古後、年末公開の「こんな夜更けにバナナかよ」のプロモーション時に行ったときには体調が良くなかった様子が映像に残っており(その日は一人先に帰ったという)以降、ドラマ撮影、舞台、ドラマ撮影、またその合間に歌や、映画撮影、またプロモーション活動など、スケジュールがきつくなっていく。舞台は最低2カ月は準備期間が必要で、また身体造り、発声練習も行っていたため、休む暇がなくなっていったと思われる。

なお、この舞台中のバレンタインデーに多分稽古場で歌ったアベマリアがとても素晴らしくて、最初春馬さんが歌っているのがわからないぐらい聴いたことのないハイトーンで、その声にまたしても驚かされました。

 

 

29歳 

連続ドラマ「ダイイングアイ」 雨村慎介 

東野圭吾ドラマに縁があるようで、何作目?未見だが、バーテンダーの役なのでカクテルの練習をそうとうしたらしい。この写真は多分プロモーション用ミニドラマなので、優しい笑みを浮かべているが、本編はまたも暗いドラマ。未見。

 

 

舞台(ミュージカル)「キンキブーツ」再演 

前回よりも自信に溢れ、また身体もきれいに作って挑んだという。この動画もたくさん見ましたが素晴らしかった。この肩をみただけで、前回と違う身体つきなのがわかる。映像で観ても前回より自信を持って演じている感があります。やっぱり全編観たい。

 

 

映画「コンフィデンスマンJP ロマンス編」結婚詐欺師ジェシーとして騙しているつもりが騙されて、最後には情けない姿を晒すことになる。それを嬉々として演じている感があって、演技楽しいんだなあと思える映画。この映画で若い頃ファンだと言っていた竹内結子さんと初共演している。今年は「プリンセス編」が公開されそこでも登場し華を添えた。イケメン役を楽しそうに演じていて、観ているこっちも楽しかった。もうジェシーに会えないかと思うと本当に悲しい。

 

連続ドラマ「TWO WEEKS」無実の罪で逃げる結城大地

このドラマとタイアップで歌手デビューをしCDを販売している。ドラマの中では初めての父親役で娘役の稲垣来泉ちゃんとのツーショット写真や映像が多くの人を癒した。三浦貴大さんとは三度目の共演だが「永遠の0」では時代が違った。近藤公園さんも三度目の共演。この役は、罠にはめられ誰も信用できない、敵ばかりの中で娘へのドナー手術のために生き延びようと戦う役なんだけれども、これも今となっては春馬さんに重なり過ぎています。しかも若手検事が信頼していた先輩が裏切者だったり、ちょっと信用した相手が手のひらを反したりする。さらに、最初に愛する人の為に身を犠牲にしたことが、今度はその人と我が子を窮地に陥らせてしまうというのもつらい。ドラマは最後未来を予感させるハッピーエンドとなっていたけれども現実はそうはいかなかった。この役をやっていた頃、もう既に色々と考えていたことだと思うのですが、この役をどういう想いで演じたのだろう、と考えてしまいます。もしかしたらこの役をやることで陰謀に気をつけてほしいという警告を発したいと思っていたかもしれない。

 

 

映画「アイネクライネナハトムジーク」 普通のサラリーマン佐藤 

下の名前の役名もないただの佐藤役。何の特徴もないという本当に普通の役を、本当に普通に演じていて、その普通感が信じられないぐらい自然。私は三浦春馬はこうした普通の感じが実は普段の顔だと思っていて、三浦春馬という役をバラエティなどでは演じていたんじゃないかと考えている。なぜなら、若い時のバラエティー番組ではそうした素がいつも駄々洩れだったから。きっとこうした世界は落ち着かない人なんだろうなあと思う。だから、この佐藤はそうした素の一面を生かしてやっただけなんだと思って観ていた。でもこの普通の役を普通にやるのが実は一番難しいともいう。三浦さん自身も、この役が難しかったと言っていた。「こんな夜更けにバナナかよ」のとこの佐藤の普通さが両方とも私は一番気に入っているかもしれない。それからこの映画はカップル役が三度目になる多部未華子ちゃんとの共演が随分話題になりました。次、また3年後に共演をなんて話していたのが悲しい。それから、この映画の監督が「相手の演技を見て」と行ったことが三浦さんは凄く心に残ったらしく、その後の演技にも影響を与えたらしい。私は「太陽の子」の出発のシーンはまさしくこれだ!と感じたものです。

 

舞台(ミュージカル)ホイッスルダウンザウィンド ザ・マン

名前がないが、キリストと子供たちに思われるザ・マン役。この中の歌を聴いてその美しさに圧倒された。三浦春馬はここまで声が出せるようになったのか!と。このような声と才能が共存した俳優がかって日本にいただろうか?と思う。伸びしろがまだまだあったと思えるのが、こういうのを観るたびにわかって、本当に残念。その声にあった歌をもっと歌ってほしかったと思います。この歌と、CDに同時収録された「you & I」の二つは春馬さんの声が生かされた歌だと思います。未見。

 

30歳 

ドラマ「太陽の子」 

とても繊細な演技でただその存在感だけで演じられた気がする役だった。兄役の柳楽優弥さんに対して、静の演技に徹していた。子役時代から旧知の仲である二人が「銀魂2」に続いて深く関わる役をこの時期に一緒に演じたのは不思議な縁に思えました。また、戦地に出発する時の別れのシーンの感情の動きは見たこともないようなシーンで、こんな俳優がかつていただろうかと考えるぐらいその別れは感動的だった。田中裕子さんの演技を受けて演技をしたんだと思う。それは、「アイネクライネナハトムジーク」で監督に多部未華子ちゃんの演技を見て受けてあげて、と言われて演技を考えさせられたといっていたそれを、ここでも生かしたのではないかと思う。映画版も来年公開されるようですが、そこには撮影エピソードでドラマに出てこなかったシーンが出てくることを期待したい。

ところで、放映直前の特番でメッセージ録画があったことが話題になり、もしかして急逝することを局は知っていたのではとも言われています。多分その映像が、以前にも書いたインタビュー前の撮影に気づいてない表情が絶望の目をしていたものだったのだと思います。独りだけ撮影したのであれば、自身がダイイングメッセージで残していた通りとなる事を再確認させられたことになります。絶望しますよね。しかもそれを流して私は観ているわけです。本当に悲しい。

 

ドラマ 「カネの切れ目が恋のはじまり」 猿渡慶太 33歳。

このドラマは前代未聞のガスライティングドラマでしたが、そんなドラマであっても最後まで自分の演技を貫いた春馬さんは最初から最後まで猿渡慶太でした。とても軽いキャラクターであったのを、たった3話で深みのある魅力的な役に変えてしまいました。そして、三話の玲子さんの演技を受けた慶太の涙が感動を呼びました。あの演技が生涯最後の演技だったのかと思うと、あの涙にまた涙が出ます。あの最後の涙は三浦春馬最後の渾身の演技で、身体が痩せ細るような状態でも最後まで明るい慶太を見せてくれたことを永遠に忘れない。

シナリオブックを読むとガスライティングを感じさせない良くできた物語で、三話までの三浦慶太のキャラクターを頭に浮かべながら楽しめました。最後まで観ることが出来たら本当に人々を癒せて楽しませまた考えさせることができたドラマになれたかもしれない。なぜなら、このドラマの演出は嫌だったとしても物語そのものは春馬さんはきっと好きだった思える、そういう物語だから。

 

映画「天外者」 五代友厚 

撮影は去年秋。五代友厚を予習中であるが、幕末明治の志士とはいえ、日本への篤い思いに胸が打たれる。映画の準備期間が2年ぐらいあったというから、その間随分五代友厚について調べていたのではないかと思う。12月の公開を心待ちにしています。今の時点で予習中の五代友厚が、既にもう三浦春馬さんと重なっています。若くして官僚のトップの位置についたためにやっかみが物凄くてその対応に苦慮していたというところを今読んでいるからです。しかし、鵜の目鷹の目の諸外国につけこまれないように働いた五代友厚。映画ではどのような物語かわかりませんが、どんな物語であろうと日本人として日本のために生きた五代役をやれたことが、三浦春馬さんの歓びであったことだけは確かだともうわかっていますので、映画にはすごく期待しています。

 

映画「ブレイブー群青戦記」 松平元康役 元康から家康に名前を変えるのが桶狭間の戦い1年後ぐらいなので、史実道理であれば18歳頃。

これが本当に最後の三浦春馬出演映画映像。来年3月12日公開予定。撮影はエキストラ情報から今年の初め頃です。

 

最後に、俳優はやはり映画に出演してこそその力を生かせると考えています。しかし春馬さんの出演作はとても少ないです。

三浦春馬さんの出演映画、全部を数えてみたら子役時代から含めて29作でした。初主演した12歳(2002年)の時の公開「森の学校」から数えると26作品です。同年代で最初から主役級で活躍した俳優と比較してみるとその少なさがわかりやすいです。例えば岡田将生さんは2006年デビューで、映画の本数は37本です。そして柳楽優弥さんは、2004年デビューで、一時期仕事を休んだ時期があったにもかかわらず、29本です。なお、三浦春馬さん、柳楽優弥さんは子供時代に「岸和田少年愚連隊ゴーイングマイウエイ」で共演しています(未見の為一緒のシーンがあったかどうか不明)。以下に、20歳以降と主演作数も書きましたが、この本数を見ただけで、いかに三浦春馬という俳優が冷遇されていたかがわかるかと思います。

 

三浦春馬さん 初主演映画2002年(12歳) 

全29作品、20歳以降15作品 主演9作品 20歳~25歳主演4作品 25歳以降主演2作品

 

柳楽優弥さん 映画デビュー2004年(14歳) 

全29作品、20歳以降21作品 主演14作品 20歳~25歳主演3作品 25歳以降主演5作品

 

岡田将生さん 映画デビュー2006年(17歳) 

全37作品、20歳以降29作品 主演12作品 20歳~25歳主演6作品 25歳以降主演6作品

※年齢は全て映画公開時

 

これだけ人気があって、演技力もあって実績も残している俳優であり、しかも努力してどんどんその実力が伸びていてまだまだ伸びしろがあって、品行方正で真面目で、人々に好かれていた俳優なのに、なぜなんでしょう?最近やたらと「実力派俳優」という言葉が軽く使われていますが、三浦春馬こそ完璧に実力派俳優です。

 

それなのに、冷遇されていた。これを疑問に思わなければおかしいです。

 

私は「永遠の0」の映画によって日本人として発言される三浦さんが疎まれたのだと思っていましたが、作品ノートを作って見ているうちに、それだけでなくこの映画公開時に、上記にあるように三浦さんが提案したドラマ「僕のいた時間」が放映されていたこともマイナスに働いたのかもしれないと考えるようになりました。いかに生きるか?死ぬということは?どのように生きるか?と考えさせ、思考を刺激させられる物語でしたから、こうしたことを若干23歳のしかも社会現象を起こすほどの人気俳優が、日本人に提起しては都合が悪いと思う層から目をつけられてしまったのではないかと。事実、後に20代後半の4年間をかけて冷遇されながらも「日本製」という連載で、日本人のための取材を日本全国で行い、今年はその本が1冊の本となっています。この本がいかに日本人の思考を現在刺激しているか、その成果は時間をかけて養われていくことと思います。

 

そう考えているうちに、この23歳の頃、三浦春馬さんのホームページが閉鎖されたという情報が出てきました。普通人気絶頂の俳優のホームページの閉鎖なんてありえないはずです。そしてそれまで毎年作っていたカレンダーも、その次から作られなくなっていました。他の俳優のものは変わらず作られているのにもかかわらずです。この後春馬さんの映画作品は減っていきました。(ホームページは現在あるとのこと)

 

そして、ここ2年ぐらいはスケジュールがギッシリで休む暇もないぐらいだったと言われています。それについて5チャンネルで書かれていたことが残酷ですが真実だと思います。つまり最後に稼げるだけ稼ぐようにしたのだと。つまり少なくとも2年前からこれは予定されていたと。事実急逝後、本も、DVDもCDも売れに売れています。

 

ところで、三浦春馬さん急逝の際に先のスケジュールで公にあったのは、舞台の「イリュージョニスト」と歌のプロモーションだけでした。しかし、映画、舞台の予定は1、2年、場合によっては3年先までたっているものですが、その後、三浦春馬さん急逝で、予定の役が変わったというニュースを、聞きませんよね?もしかしてイリュージョニスト以外予定は入っていなかったのでしょうか?あそこまでスケジュールがキチキチだった後のスケジュール状態がどうだったのか凄く気になりますが、きっと公になっていたもの以外これから出てくることはないのかもしれません。あるいは、事務所を辞める予定であったことから、別で予定を立てていたなんてことがあったとしてもそれこそ表には出ないのかもしれないです。

 

「イリュージョニスト」の代役選びが難航しているといいますが、さもありなん。まともな神経があれば、彼の代役をやるなんてことは苦行でしかないでしょう。彼以上にスター性があって、あのような声が出せて、演技力まで全て兼ね備えている人がいますか?

 

日本の至宝が私達に贈ってくれた「日本製」

 

 

 

 

 

#俳優#三浦春馬#映画#邦画#舞台#ミュージカル

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