グランクレスト戦記 Ⅲ【三大勢力】大工房同盟【十年一度超大…

 

 

幻想詩連合

シルベストル・ドゥーセ大公
 
声 - 江原正士
アレクシス・ドゥーセの父。前幻想詩連合盟主。大講堂の惨劇時にマティアス・クライシェ大公と共に亡くなった。
老練にして狡猾であり巧みな交渉術に長けている。綿密な根回しで盟主として推薦されることに成功し、
盟主就任の際は騙されたと感じる従属君主がいたほど政治の駆け引きが上手かった。
マティアスほどではないが連合と同盟が決着をつけることを望んでいた最中、息子であるアレクシスが
マリーネとの愛を語り出すという自体に直面する。従者であるアーヴィンなども二人の恋路に賛同したため
渋々ながらも二人の恋愛を容認、マティアスと対面した際は複雑な心境ながらも二人の結婚を祝福しようとしていた。
実は生前、魔法師協会から鉄甲船の技術を得ていた。当時は無用の長物と周囲から嘲笑されていたが、
後に息子のアレクシスによって歴史を覆すほどの切り札となった。
 
アレクシス・ドゥーセ
声 - 井口祐一
シルベストル・ドゥーセ大公の息子で、ハルーシア候。エーラム留学時にマリーネ・クライシェと出会い恋に落ちるが、
大講堂の惨劇が起こったことで結婚は白紙に戻ってしまう。
テオとは年が近く、彼が爵位と引き換えにシルーカとの契約を継続したことを愛ゆえだと思っているため
(実際に噂がそう広まっていたためでもある)、マリーネへの愛を抱き続ける自身を重ねて親近感を覚え、
非公式に友人関係を結んだ。
「ハルーシアの太陽」と称されるほどの美男子で、詩や絵画などあらゆる芸術に秀でている。優しい性格の持ち主で、
惨劇後もマリーネを変わらず愛しており、彼女との結婚による和平の実現を諦めきれていない。
このように非常に夢想家ではあるが全ての人々の幸福のため全力を尽くすなど、平時の君主としては意外にも
大切な素養を数多く持ち合わせている。一方で乱世の君主としては覚悟が足りず、当初は政治的に無能であった。
アルトゥークが中心となって同盟に打撃を与え、同盟撃破の最大のチャンスが訪れた際にも和平交渉の継続にこだわった。
この点をドーソン候に利用されてしまい、同盟と密約を結んでいた彼の専横を許してしまった。
自身の優柔不断な態度がアルトゥークを孤立させ、援軍を出すことも出来ないままヴィラールの死を招いてしまったことを深く悔やむ。自らも覚悟を決め武力によって同盟を止めることを表明しドーソン候の専横を一掃、
後に一時的な自暴自棄に陥りかけるもテオの説得によって連合盟主としての責務を果たし始める。
後に反乱を起こしルクレール伯を討ったドーソン候を自らの手で粉砕、ノルドの再侵略に対しては自ら陣頭にたち
芸術的な采配で指揮をとった。切り札である鉄甲船を大量投入するという英断により、海戦では無敵と謳われた
海洋王エーリク相手に大勝利を収めエーリク本人も討ち取ることに成功する。
ミルザーがテオに討たれた後、もはや自滅覚悟でテオと戦う覚悟を決めたマリーネの前で全軍と共に薔薇を意識させる形で
戦場へ登場、最初にマリーネに愛を告げた時と同様、自分は全ての人々の幸福を願い
マリーネを愛し続けているままであると表明した。たとえミルザーに貞操を奪われてもマリーネを愛していることを皆に宣言し、
ついにマリーネと結ばれた。
マリーネと結ばれた後は二人でテオに従属することを宣言、テオを皇帝として認めた。
 
セファウド・ラトキス
声 - 高橋伸也
アレクシスの契約魔法師。アレクシスにより大工房同盟との外交担当として派遣されていた。
時代が平時から乱世に変わったにも関わらず、それまでと同様の感覚でマリーネのことをあきらめられない
アレクシスに内心あきれているが主への忠誠心は忘れていない。実はマリーネとアレクシスの結婚式開催まで漕ぎつけた
外交担当こそが彼であり、「大講堂の惨劇」がなければ大陸に平和をもたらした立役者として
歴史に名が記されることは確実視されていた。
同盟と密約を結んでいると噂が絶えないドーソン候が中心となって進めた同盟との和平交渉の
成功は当初から期待していなかったものの、それでも事態を改善すべく外交での解決を目指して交渉を続けた。
アレクシスの未練がましい恋心やドゥーセ家に見切りをつけた魔法師長が円満な退職を狙っているため、
ほとんど孤立無援の状態で外交魔法師としての責務を果たしていた。
後に精神的に追い詰めたられたマリーネが非人道的な手段を使ってでも戦争を始める決意を固めたことで交渉は破綻、
外交関係を完全に遮断することも辞さないマリーネの変貌ぶりに驚愕しつつ帰国する。帰国後に開かれた連合の会議では
和平交渉失敗の責任者としてドーソン候から言いがかりをつけられて事あるごとに嫌味を言われてしまう。
マリーネの変貌を受け入れられず同盟への完全従属まで提案するアレクシスや同盟に有利な和平交渉を続けようとする
ドーソン候をはじめとした連合に呆れ果て、連合の無力ぶりを吐露、連合が抱える問題点を指摘した後に
自ら責任をとって自害しようとするもアレクシスの従者が機転を利かせたことで生き延びることとなった。
ヴィラール・コンスタンス
声 - 櫻井孝宏
アルトゥークを治める伯爵。若い女性の魔法師としか契約せず、しかも25歳になると契約を解除することから
「好色伯」と揶揄されているが、実際は契約魔法師に手を出したことはない(女性としか契約しないのは、
古くから魔女信仰が盛んなアルトゥークでは女性の魔法師が受け入れられやすいからで、25歳で契約を破棄するのは、
その後の彼女達の人生を縛らないため)。
大講堂の惨劇を食い止めようと唯一動いたシルーカを気に入って契約しようとするも、彼女が勝手に
テオと契約したことで破談寸前になる。策略家で戦の達人でもあり、テオの軍を全滅させようとしていた
ヴァルドリンド軍の背後を突いて潰走させた。側近の契約魔法師はマルグレット、ラウラ、ヘルガ、コリーンの4人だったが、
他にも契約魔法師はおり、それぞれ従属君主の契約魔法師として派遣している。シルーカについては自らの
魔法師団に所属させた後テオの元に派遣したという体裁を取り、反故になりかけた契約を維持した。
母は前同盟盟主マティアス・クライシェの妹フローリアで、マリーネ・クライシェは従妹。先代である父リシュアンが祖父の
ユルゲン・クライシェを裏切り連合所属となったという経緯から、同盟盟主であるクライシェ家とコンスタンス家の間で
長い間葛藤してきた。コンスタンスを呪った母とクライシェの血を恐れた父から充分な愛情を得られなかったことが、
後の彼が愛情を恐れ、特定の女性と深い縁を結ばないことの遠因にもなっている。
幻想詩連合の重鎮だったが、あくまでマリーネとの婚姻による和平を望むアレクシスを無下にできず、連合内で孤立を深める。
更に皇帝になるほどの野心がないことを理由にミルザーの離反を招いてしまい、陸からはヴァルドリンド、
海からはダルタニアの攻撃を受ける。当初は持ちこたえられると踏んだが、次いでノルドの大軍が押し寄せたことで敗北を悟った。
マルグレットを連れて最後の戦いに赴き、ヴァルドリンドの重装騎士団の聖印弾を受けて戦死。彼本人はマリーネと
アレクシスが結婚することを望んでおり、最期の瞬間までマリーネの幸せを願っていた。
彼の死後、その意思はテオとアルトゥーク周辺君主に受け継がれ、後のアルトゥーク条約発足へと繋がっていくことになる。
 
マルグレット・オディウス
声 - 甲斐田裕子
ヴィラールの契約魔法師長。ダルタニアの出身で、炎を祭る聖火教の巫女。元々自然魔法師だったが、
魔法大学に留学し、魔法師としてヴィラールと契約した。
登場時は25歳の誕生日を間近に控えており、契約解除後は故郷に戻って巫女となるはずだった。連合の君主会議の前に
誕生日を迎え、一度はヴィラールの元を去ったものの、ミルザーのクーデターにより故郷を失って再び
ヴィラールを助けるために駆け付ける。ヴィラールが愛情を恐れていることを知りながらも彼を純粋に愛しており、
最後に彼がその想いを受け入れてくれたことに至上の喜びを感じながら、捨て身の炎の魔法「業火」を行使。
多くの敵を巻き添えにしながら戦死した。
 
ラウラ・ハードリー
声 - 安済知佳
ヴィラールの契約魔法師。静動魔法の使い手。エーラム魔法大学ではシルーカの先輩にあたる。
魔法師の才能は親から子へ遺伝するものではない中で、両親共に魔法師という数少ない純血の魔法師。
そのため幼い頃から英才教育を受けてきた。
マルグレットの契約解除後はヴィラールの契約魔法師長となる。アルトゥーク戦役では敗北を悟り、
城に攻め寄せたマリーネやミルザーの目の前で服毒自殺を図ったが、一時的に仮死状態になっただけで生き延びていた。
一度はエーラムに戻るものの、仕えた主をなくした喪失感は大きく、新たな契約魔法師を求めていたエドキアと契約を結ぶ。
エーラムの粛清で多くの魔法師が魔法師協会か君主かで帰順を迷う中、躊躇わずエドキアを支え続けることを明言。
エーラムに戻るようにと伝えてきた両親には、自分は死んだものと思って欲しいと伝えた。
 
ヘルガ・ピアロザ
声 - 内山夕実
ヴィラールの契約魔法師。生命魔法を真髄まで極めたといわれる生命魔法師。
アルトゥーク戦役ではヴィラールの死後も一角獣城にとどまって敵味方問わず治療を行い、
戦後はエーラムへ戻った。システィナ解放後にエーラムに立ち寄ったシルーカにスカウトされ、テオの契約魔法師団に加わって共に戦う。
 
コリーン・メッサーラ
声 - 本渡楓
ヴィラールの契約魔法師。創成魔法の使い手で、素早く魔法を唱えるのは苦手だが、
時間をかければ大掛かりな錬成魔法を構築することができる。
自作の魔法器(アーティファクト)をいくつも所有し、アルトゥーク戦役ではそのうちの一つ「光線鏡」
(太陽光を蓄積し、放射する巨大な鏡)を使って多くのダルタニア船を炎上させた。
一角獣城に攻め込まれた際に死亡したと思われていたが、人狼のジードに助けられており、
ひそかに人狼の里に移住していた。死んだと思われていることを逆手にとって魔法杖を捨て、ジードの妻となる。
打倒ミルザーを掲げて常闇の森に戻ったテオやシルーカと再会した。
 
オイゲン・ニクラエ
ヴィラールの先代からコンスタンス家に仕えるアルトゥークの男爵。アルトゥークの北の守りを任されている。
武骨でいかつい人となりで、その勇猛さや武勲によって先代の頃からいくつもの勲章をもらっている。
ヴィラールに従属したばかりのテオに対しては最初こそ新参者の騎士として冷たくあしらったが、
礼儀を弁えた若者と分かるや否や態度を軟化させ、以後テオとは何度となく共に戦うことになる。
ヴィラールから派遣された契約魔法師デアドリに一目惚れし、作中で妃に迎えた。
アルトゥーク戦役後はミルザーの統治に逆らう民衆の拠り所となり、各地で遊撃戦を指揮してミルザー軍を苦しめた。
テオがシスティナを解放したことを心から喜び、その帰還を心待ちにしていたが、アルトゥーク解放の機運が高まることを恐れた
ミルザーが魔女や人狼の集落を焼き討ちにし、民衆に危害が及ぶと分かると自ら打って出ることを選ぶ。
不器用だが実直で裏表がなく、その武人然とした精神から部下には慕われており、死地に赴く際には多くの部下が彼に従った。
の前夜に我が子を授かったことを知り、デアドリとその子の幸福を願いながら、テオの帰還を待たずに戦死する。
 
デアドリ・ニクラエ
ヴィラールの契約魔法師。内気で人見知りが激しく、主にもなかなか意見が言えなかったことから直属の契約魔法師から外され、
オイゲンの元へ派遣された。
当初はオイゲンも怖がっていたものの、ある日彼の方も自分に遠慮しているのだと気付き、
その不器用ながらも誠実な人柄に次第に惹かれていった。その後オイゲンの妃となり、その子を授かるが、
時を同じくして夫が戦死。その後は人狼の集落に身を寄せていたが、本来契約していた君主が死んだ場合は
契約解除となってエーラムに戻らねばならず、身重の身もあって迷っていたところをシルーカの提案によってテオと再契約し、
テオの魔法師団に入る。
エーラムの粛清が始まった際には、我が子を育て上げてニクラエ男爵家を再興することが望みだと言い切り、
君主側に付くことを選んだ。
 
セルジュ・コンスタンス
声 - 下野紘
レガリア伯。アルトゥーク伯ヴィラール・コンスタンスの異母弟で、アルトゥーク先代リシュアンと後妻の間に生まれた。
遊牧民の土地で、決して肥沃とはいえないため対立も多いレガリアの地を、よく各部族を回ってその意見を聞き、
井戸を掘り、オアシスを開拓するなどこまめで丁寧な統治を心がけることで良い領主と言われている。
ヴィラールを非常に尊敬しているが、少々性格が気弱であり、兄を敬愛するあまりに冷静な判断力を欠くことがある。
アルトゥーク戦役においてはヴィラールの窮地と知るや否や、罠だと看破した契約魔法師の
エレット・ハルカス(声 - 松井暁波)の警告にまったく耳を貸さずに突撃してしまい、反転して攻め寄せたヴァルドリンド軍に蹂躙され、逆に自らが窮地に立たされてしまう。更にその自身を救うために駆け付けたキルヒス王ソロンが戦死し、深い自責の念に駆られる。
故ヴィラールを慕う者達で結成されたアルトゥーク条約において、ヴィラールの弟であり
コンスタンス家の当主となったセルジュは筋においても血統においても条約の盟主に相応しく、
家名と伝統を重んじるクローヴィス王アルフレートも彼を熱心に推挙したものの、アルトゥーク戦役の記憶から
自分は器ではないと固辞。その後度重なるミルザーのレガリア遠征に何度となく立ち向かい、そのたびに逃亡を重ねたことで、
ラシックに「逃亡伯」というあだ名を付けられている(当初は不慮の逃亡だったが、次第に逃亡することがお約束になり、
エレットも主の逃亡を前提に戦略を立てるようになった)。アルトゥーク解放戦では、テオの軍勢が整い、
ラシック率いる条約軍が到着するまでの時間を稼ぐためにレガリア城に白旗を揚げさせて自らは逃亡するという、さすがのミルザーも呆気にとられる大胆な作戦を行う。その後、ミルザーが条約軍と激突した隙をついてレガリア城を奪還し、戦場に馳せ参じた。
システィナからテオが帰還し、ミルザーを討ち果たした後は、コンスタンス家の当主の座を弟のイゴール(声 - 石谷春貴)に譲り、
自らは母親の姓ステレアを名乗ってセルジュ・ステレアとしてテオに従属した。
 
エドキア・カラーハ
声 - 行成とあ
ハマーンの女王で海上要塞ともいえる「海の宮殿」を所有。契約魔法師のソーラスを始め、多数の男を平等に愛していた。
アルトゥーク戦役時にはヴィラ―ルの要請に応えて援軍として海の宮殿を出撃させ自身もそれに座乗する。
当初はダルタニア船団に優位に立っていたが、途中介入してきたノルドの大船団の前に劣勢に立たされ
ソーラスに気絶させられ小舟に乗せられる形で脱出させられる。海の宮殿が爆沈したのを見ると号泣をした。
 
ソーラス
声 - 松田修平
エドキアの契約魔法師。アルトゥーク戦役時にはエドキアらとともに海の宮殿に座乗。
最終的にノルドの介入により敗北を悟りエドキアを脱出させた後、奮戦するが戦死。
ヨアヒム
声 - 鈴木崚汰
エドキアの愛人兼海の宮殿の砲術技師。最後は射石砲に火を投げ入れノルドの兵士を道ずれに自爆した。
ヨルゴ・ダラーラス
声 - 高橋伸也
ソロン・ダラーラス
声 - 徳本英一郎
キルヒス伯。劇場王とも呼ばれ演劇に例えて兵士達を鼓舞することを得意とする。
アルトゥーク戦役においてヴィラ―ルの要請に応えて救援に駆け付けるが途中
セルジュの危機を知り急行しセルジュ達を救出するし、ヴァルドリンドと戦闘に入るが最終的に
ヴァルドリンドの物量に押されキルヒス軍も壊滅しソロン自身も戦死した。
 
クルート・ギャラス
声 - 加藤将之
ルクレール伯爵。先代である父親は同盟の軍事力の高さを見抜き、早い段階で連合結成に貢献した
偉人であり戦場で壮絶な戦死を遂げている。このため父親からの意志を継ぐ誓約伯、もしく遺剣伯として名高い存在。
ヴィラールとは公私共に親しくアルトゥークの現状もよく理解しているため何かにつけて協力している。
父親同様に時代の変化にも気づいており、「大講堂の惨劇」以降の状況では連合と同盟がそれまでと同様に
和平交渉を続けるのは難しいことも見抜いていた。連合の君主会議においてもヴィラールを排そうとする
ドーソン候の陰謀を阻止しようと尽力していたが、マリーネを想うアレクシスが乱世という現状を理解していなかったことが災いし、
最終的にはヴィラールが単独で同盟と対峙さざるえない状況に陥ってしまい激怒した。
ヴィラールの戦死後の連合会議では和平交渉継続を訴えるドーソン候を一喝、
ドーソン候が同盟と密約を結んでいる可能性を大勢の前で指摘する。その後はヴィラールが信じた
アレクシスの目が覚めることを信じ、同盟や条約に加わらなかった連合側の君主達をアレクシスのもとで結束できるよう尽力した。
同時にドーソン候を排した連合の全君主相手に同盟と戦うための資金提供に関する交渉に奔走、
資金提供に成功した後は大陸中の傭兵部隊を大動員し戦場を駆け巡った。
勝敗の知れぬ戦いに臨むため家族と離婚してまで出陣するという悲壮な覚悟を固めていたが、
海洋王エーリク率いる大部隊相手に大勝利を収め連合に進軍してきたノルドの勢力を一掃した。
その後も連戦を続けていたが多くの損害の補給と回復が必要な中、ドーソン候の雇った傭兵部隊に急襲され戦死する。
 
ベルナール・デュラム
声 - 横堀悦夫
ドーソン候。ヴィラールと連合を二分する重鎮。ヴィラールを政敵と見做し、彼を孤立させるため様々な策略を繰り広げた。
連合が同盟に従属するようお膳立てをすれば好待遇で迎えられるという密約を同盟と結んでいるとまことしやかに語られており、
ほとんどの君主がその噂を肯定するなど人望は非常に薄い。一方で悪い意味での政治力はそれなりに高く、
ヴィラールがテオ達の救援に向かった際は連合と同盟の争いを引き起こした責任者として追及する。
自身の発言の矛盾をヴィラールに指摘され一時は窮地に追い込まれるが、マリーネを想う
アレクシスの恋心を利用して逆転に成功、和平交渉継続という形でヴィラールを孤立無援の状況に追い込む。
ヴィラールがたった一人で同盟・ダルタニア・ノルドという大勢力と戦い散ったことで自分の勝利を確信、
情勢の変化に驚愕しつつも連合においては自分こそが中心となることを確信していたが、
同盟と密約を結んでいたことを自ら暴露する形になってしまい他の君主達からは裏切者として見捨てられてしまう。
アレクシスを傀儡として自身が権力を握るという計画は寸前まで実現可能であったはずが、
肝心の自分自身が連合のまとめ役としての立場を失ったことで水泡に帰してしまった。
他の君主達に見捨てられた後も策謀を続け、密かに雇った傭兵達を使い連戦を続けていたルクレール伯を急襲、
戦死させることに成功する。自らの取り巻きである従属君主達を集め、ルクレール伯を戦死させたことを自慢し
同盟に寝返ること宣言する。そういった逆恨みの行動や大義に反する行動は取り巻きの
従属君主達でさえ呆れさせるものであったため、全ての取り巻きにさえ見捨てられてしまう。
このためとうとう一人で同盟に寝返る結果となった。皮肉にも彼が謀略を駆使して孤立無援に追い込んだヴィラール同様、
彼自身も連合内で孤立無援の状況に追い込まれる結果となった。
最後には侮っていたアレクシスとの合戦となり、完膚なきまでに敗北して終わった。

アルトゥーク条約

 

グランクレスト戦記 Ⅴ【アルトゥーク条約】システィナ・ダルタニア小大陸【十年一度超大作】