グランクレスト戦記 Ⅳ【三大勢力】幻想詩連合【十年一度超大作】❕ 

 

 

アルトゥーク条約

テオ・コルネーロ
 - 熊谷健太郎
#主要人物を参照。

システィナ

ぺデリコ・ロッシーニ
声 - 松山鷹志
テオの故郷であるシスティナを治める領主で圧政を強いている中肉中背の小柄な男性。初代コルネーロの実態を知っている数少ない存在。政治家としては噂と違い優秀であり、富裕層とスラム街と農村を棲み分けさせたうえで対立を煽り、そのうえで統治機構として自分達が君臨するという荒業を制御している。
ハル―シアで開かれた君主会議を前に催された晩餐会でヴィラ―ルにテオを紹介され、彼がロッシーニ家に因縁のある家名を名乗っていた事から宿舎へ刺客を放つもその場にアレクシスがおり、刺客もすべて撃退されたことから連合を除名されシスティナ領へ引きこもることになる。
初代コルネーロのような愚かな政治屋を産み出さないため故意に恐怖政治を維持していたが、テオの帰還をきっかけにしたシスティナの動乱においては時代の変化を確信する。自分の身を犠牲にしてでもジュゼルを逃がそうとするが、ジュゼルの説得を経てテオと交渉の末に降伏。テオ達の手によって斬首された。
これまで敵であっても生存している場合にはできるだけ処刑という方法をとらず生存させて時代に貢献するよう促してきたテオが終始一貫して公開処刑にこだわった珍しい例であり、斬首された際も特に後悔を見せずジュゼルの前で淡々と事後処理に移るなどテオらしくない冷酷さを見せつける形となった相手として生涯を終えた。(シルーカと出逢う前に豪農から暗殺者へと堕ちるまでの壮絶な人生を歩んだテオが普段は見せない姿を見せるほど恨むべき相手であり、それまで過去の遺恨なく戦ってきたラシックをはじめとした君主とは別格の君主であったとも言える。)
ドーニ・ロッシーニ
ぺデリコの長男。基本的に力づくで物事を解決し任務に失敗した部下には理由に関わらず鉄拳制裁を容赦なく与えた上に拷問する。一方で自分が他人に対して暴力を振るっているという自覚はあり、自分が暴力による報復を受けた場合はそれ相応のことを自分はしていると納得できる程度の器量はもっている。軍事的な知識や才能は欠如しているが戦士としての突貫力は戦局を左右するほど突出しており、それを活かして全軍で行う突撃は凄まじい攻撃力を誇る。
テオがサルヴァドルを斃したことを知るとすぐに軍を動かしてテオと対峙、システィナの今後の行く末を左右する戦いとして激戦を繰り広げる。ドーニが率いる直属部隊は恐ろしい攻撃力を誇ったものの、富裕層の部隊は装備が充実していても実戦経験に乏しいことやスラム街出身の部隊は士気に乏しくドーニから戦旗の授与も拒否するなど忠誠心も低かったことが災いして敗北する。
戦闘の最中で落命した際は自分が行ってきた非人道的な行為がそのまま自分に返ってきただけと納得していたらしく、敗戦に伴う戦死を素直に受け入れるなど戦士としての姿で散っていった。
ジュゼル・ロッシーニ
サルヴァドル・ロッシーニ
ぺデリコの三男。勉学に励むべく送られた都心部では遊興三昧だったため領地経営の知識は非常に乏しく、絵に描いたような身勝手なお金持ちの青年。一方で遊興三昧の生活ではそれなりに商才が開花したらしく、システィナに戻ってからは賭博や娼館の類の娯楽普及に貢献しシスティナ中心部の富裕層にはそれなりに人気が高い。レイピアでの戦いを得意とするが実戦経験がないため試合程度の技量しかもっていない。
意外にも家族は大事に思っており実の兄二人を本気で慕っている。富裕層や直属の部下に対してはそれなりに親身になる部分もあるなど根っからの悪人ではないが、それ以外の人々、特にシスティナの富裕層意外の人々には非人道的な扱いを平気で強要するなど社会的弱者に対しては鬼畜の如く接しており、気分次第で命を奪うことも日常茶飯事な生活をしている。ヤーナとは情人の関係にあり怪しげな薬物を利用した性欲の関係をもっていたことを匂わせる過去もあったらしいが、意外にも当人同士は性格的にも肉体的にも相性が良かったらしく半ば本気で恋人関係になりつつあった模様。
テオがシスティナへ帰還した際に最初に遭遇したロッシーニ家の一人。テオがコルネーロを名乗ったことで明確に敵と判断、システィナ全体に包囲網を敷きテオと関わった村は厳罰に処すという戒厳令を布告するという迅速な処置をとった。これによりテオ達をほぼ完全に追い込んでいたが、より確実性を期すためにテオ達が立ち寄っていない村に火を放つという行き過ぎた行為が災いし複数の村による武装蜂起を招いてしまう。最期はテオとの一騎打ちで落命した。

ダルタニア小大陸

サイード・クーチェス
声 - 伊原正明
ダルタニアの太守。貿易を通して連合側と良好な関係を築いており、連合や同盟に劣る領土や国力であるにも関わらず一定の影響力を維持している。連合における会議にも陪席する席を確保しており息子であるミルザーを派遣した。
戦乱には興味なく貿易による利益に満足しているため莫大な富をたくわえているが、貿易のために部下に危険を強いていると批判も多い。巨大な後宮に美女を大勢集め享楽に耽るなど統治者としての自覚に欠ける面もあるが、結果的とはいえ爵位制度に反発している状態にも関わらず、ダルタニアが魔術師協会からも黙認されることにつながっていた。
連合を見限り戦乱に参加しようとするミルザーを親族達と共に諫めるも、ミルザーが反乱を起こすことまでは予想できず親族達同様に滅ぼされる。この際にサイードと共にミルザーを諫めた他の部族も滅ぼされてしまい、ダルタニアの首脳陣はミルザーに臆せず発言できる戦士階級が独占、ミルザーの怒気を恐れる知識階級は軒並み去ってしまい後々の暴政につながっていった。
 
ミルザー・クーチェス
声 - 羽多野渉
ダルタニアの太守サイードの息子。ヴィラールを大陸を統一できる人物と評価していた。ヴィラールは幼い頃の彼にとっては剣の練習相手であると同時に兄弟のような関係であり、成長した現在でも一角獣城で手札遊戯の対戦をするほどの仲であった。
5年余りの間、大陸中で修行をしていた為聖印の強さも既に伯爵級であり一人で戦局を覆すことが出来る実力を持つ。自分が多く敵を倒すことで結果的に味方を救うという考えを持っており(テオ曰く「覇道」)、自分と反対の王道を歩み更に野心を持たずシルーカのために聖印や領地を捨てたテオに対する侮蔑の念を隠そうとしない。一方で自分の武力のみを信じ卑怯者だけでなく社会的弱者の意見には耳を傾けない性分が災いし、彼に諫言する部下がいないという問題点も抱えている。この点は本人も理解しているらしく、自分の周りには同調者や狂信者しか集まらないという人材面での問題、加えて地の利や天運なども課題が多いため彼自身は大陸を統一できる人物ではないと自嘲している。
自身の上に立つ存在と認めていたヴィラールが、親族であるマリーネとの関係を考慮して連合の盟主就任を拒絶するという事態を受け彼に失望、連合を見限る。同盟側のスタンク征伐の際にマリーネが行った蛮行を見て彼女に興味を抱く。更にマリーネの決意を聞いたことによりダルタニアでクーデターを起こし、反対した父親や部族を全て滅ぼし同盟に与した。また彼個人もマリーネの甘さを捨てさせる為にその純潔を奪う行為に及ぶ。同盟やノルドと組んでアルトゥークの支配者となった際は、ついに自分が理想とする覇道、弱肉強食の時代になったと喜びを隠さなかった。
その後はマリーネを扇動する形で支配地を拡大。一時は破竹の快進撃となり連合にほぼ完封勝利を続けた。アルトゥークの支配者となった後も効率的な政治を心掛けたが、ヴィラールとミルザーの交友関係を知っていた君主達からは只の裏切者にしか映らなかったこと、友好国であったダルタニアで両親や親族を手にかけた反逆者であるという客観的な評価を軽視したため当初から内政は滞ってしまう。更に長年守り抜いてきたアルトゥークを支配された民衆の心を理解せず交流して親交を深めるという発想もなかったため、アルトゥーク全ての住民がミルザーの情報を漏洩させるという事態に陥ってしまう。大陸とダルタニアでは文化が違うことも重要視せず、部下であった者達には支配地での略奪を認めてしまう。このため統治者として部下を派遣する度に住民たちに部下が討たれてしまい、各地でオイゲン達による遊撃による大損害を被る。
アルトゥークにおける失政に業を煮やした結果、テリウスの進言もあったとはいえ非協力的な住民達を徹底的に殲滅するというダルダニアで行われる蛮行を繰り返してしまう。これにより暴君であるという悪評を自ら広めてしまう結果となり、アルトゥークの人々がテオ達の来訪を待つため面従腹背で応じるという事態を引き起こしてしまう。大陸中を駆け巡るはずが、ミルザーが動けるのはアルトゥーク周辺だけという屈辱を味わうことになる。
アルトゥーク条約にも戦争を仕掛けた当初は圧倒的な強さを見せつけ、一時は自分自身の正しさを確信するほどの勝利を収め続けた。一方で暴君に近い政治が災いし、勝利しているにも関わらず彼を支持する人々が減っていくという事態に直面する。ミルザー単独の力で戦争には勝利し続けたものの、常闇の森をテオが取り戻した時点で状況が一変、それまでミルザーに怯えていた人々までもテオ達に加勢し始めてしまう。見下していたテオに敗北したという屈辱から部下達の諫言も無視し更なる失敗を重ねた結果、部下達の忠誠も次第に失っていく。
テオとの最後の一騎打ちでは人々から完全に忠誠心を失ったことで、聖印による圧倒的な力も体力も失いテオに敗北、テオからは聖印の受け渡しと助命を告げられるも拒否、自ら望んでテオの刃で落命し生涯を終えた。ミルザーがヴィラールから奪った聖印はテオへと引き継がれた。
 
テリウス・サヴォア
声 - 内田雄馬
本来はマリーネのもとにいるべき契約魔法師であるがミルザーの助言者として派遣されている。
ミルザーの怒気を恐れダルタニア首脳陣からテリウス以外の知識階級が全く存在しない状況に愕然とするも
ミルザーのために献策を続けている。内政の重要性を理解していない戦士階級が要職を占めているため、
アルトゥークを支配した後はミルザーとテリウスのみで内政のほとんど全て担当せざるえない状況に陥っている。
時として民からの略奪も辞さず従わぬ者は徹底的に滅ぼすダルタニアの蛮習が他国では受け入れられないことをよく理解しており、
ミルザーに対しても人々が求めるのはミルザーが理想とする覇道を歩む君主ではなく、テオのように人々と交流し
理解しようとする王道を進む君主であると諫言しミルザー自身が変わるべきと命懸けで主張するも受け入れられることはなかった。
ミルザーの統治方法に異を唱えつつもオイゲン達による遊撃の大損害を見過ごすこともできず、
苦悩した末にミルザーに反抗した民の処罰を渋々ながらも提案する。が、これを受け入れた
ミルザーが自身に反抗する民を村ごと殲滅、人狼族や白魔女の居住地まで焼き払ったうえに
残虐な方法で処刑を開始したことで内政は更に悪化してしまう。
テオのアルトゥーク帰還に激昂するミルザーの出陣を諫めるも聞き入れられず、常闇の森では
テオ達の作戦を見抜き再びミルザーを諫めるも受け入れず敗北する。
(損害を最小限にするには戦闘を開始してしまった仲間を見捨て、テオ達に反撃せず即時退却が必須だったため
ミルザーとしても苦しい判断であった。)敗北したミルザーが一角獣城に退却した後は、
さすがにテリウスの助言を聞き入れることは増えたことに安堵するも、
ミルザーが自分の意見を聞き入れなければならないほど戦況が悪化していることも自覚する。
多くの部下が失敗を重ねたミルザーを見捨てる中、ただ一人になってもミルザーのために戦い続け敗北、テオ達に捕えられた。
エンデール・セリク
セダル
ダルタニアの戦士。戦乱が始まるまでは貧しい船乗りであり、権力者から鞭で叩かれる日々を送っていた。
ミルザーが戦乱を始めた際に戦士として参加、アルトゥーク陥落にてそれなりに戦果を挙げたらしく村の領主に任命された。
当初から内政の知識に乏しいことを露呈しており、敵国に支配された人々と交流し理解し合うという領主の役割を
全く理解していなかった。ダルタニアの蛮習をアルトゥークへそのまま持ちこんだため領民を奴隷程度にしか考えておらず、
赴任した当日から過酷な賦課労役を宣言、不公平な税制と裁判を村人へ押しつける。
その後は部下達と共に酒宴をはじめ村から料理や美女を徴発、宴会騒ぎを繰り広げてしまい、
用意された食事に薬物が盛られていることに気付かず部下と共に体の自由を縛られる。
万全の体制で武装蜂起した領民から逃れる途中、オイゲンによって討たれてしまう。セダルによる統治は1日ももたずに終わった。

ノルド

 

グランクレスト戦記 Ⅴ【アルトゥーク条約】システィナ・ダルタニア小大陸【十年一度超大作】