よく「死ぬほど働いて、帰るのも毎日終電だよ」という話をよく聞きますが、「死ぬほど働く」とは一体どのようなレベルを指すのでしょうか。
昨日、日本に来日し、ラーメン次郎で食事をして話題を集めたイーロン・マスクが南カリフォルニア大学の卒業式で、「死ぬほど働く」ことについて説明しています。
↑死ぬほど働くはどういうことか教えてあげよう。(Photo)
「もし会社を始めるならスーパー・ハードに働く必要がある。私が会社を始めたとき、アパートを借りる代わりに小さなオフィスを借りたんだ。ソファーで寝て、シャワーが無かったので、近くYMCA(キリスト教青年会)でシャワーを浴びたよ。」
「コンピュータは一つしかなかったので、昼間にサイトをアップロードして、夜コーディングをしていた。もちろん月曜日から日曜日まで、休みなんて一日もなかった。スーパー・ハードに働くってのは起きている時間のすべてを仕事に費やすことを指すと思うよ。」
↑SNSで頑張っているアピールしているようじゃ、まだまだね。(Photo)
シリコバレーの起業家養成スクール、Yコンビネーターの創業者、ポール・グレムさんは仕事をし過ぎて1995年から1998年の記憶がないそうです。
「残念ながら、あの時代、私はずっとゾンビみたいだった。誰でも知っているような有名な映画の話が出ても、私はそれを全然知らない、聞いたこともないとしたら、たぶんその映画は1995年から1998年の間に公開されたんだ。」
「当時は私は火星に住んでいるのも同然だった。人間の生活ではなかった。ほとんど24時間コンピュータの前に釘付けになっていて、眠るのもコンピュータの前だった。」(Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール)
↑当時は私は火星に住んでいるのも同然だった。(Photo)
もちろん、日本の起業家も負けていません。プロダクトが何もなく営業力だけで1998年に起業、2000年に26歳の若さで東証マザーズに上場した藤田晋さんは週に110時間働くことを社員にコミットしました。
「週110時間ということは、9時に出社するだろ、そして深夜2時まで仕事する。それを平日5日間。あとは土日に12時間ずつ働くと110時間だ」
↑本気で働いたら、忙しいことを自慢する暇もない。(Photo)
ソフトバンクの孫さんは「最初は量をこなすことで、それが徐々に質になってくる」と述べていましたが、それは大学時代に量をこなす大切さを身を持って体験していたのかもしれません。
「世界で一番勉強した。間違いなく世界一勉強した。トイレでも道を歩くときも教科書を読み、寝る時間以外は全部勉強に費やしました。」
↑間違いなく世界で一番勉強しました。(Photo)
少し前ですが、マルコム・グラドウェル氏の「1万時間の法則」が話題になりました。
グラドウェル氏の調査によれば、どんな業種や分野でも、世界のトップレベルになるためには1万時間をコミットしなければならないそうで、「練習をせずに天才的才能を発揮する人」も、「いくら練習をしても上達しない人」の両者もいなかったそうです。
↑グラドウェル氏:「1万時間コミットして成果が出なかった人はいない」(Photo)
最近では、大して忙しくなくても、わざと自分を忙しく見せる人が増えてきました。
忙しく働いていることが「ステータス」になる日本では、「会社にいる時間=仕事をしている時間」だと思われがちですが、例えば、会議に参加して一言しかしゃべらなければ、それは1万時間の中の1時間にはなりませんし、会社にいなくても、ランニングしながら仕事のことを考えていれば、それは1万時間の中の1時間に換算されるのではないでしょうか。
↑走りながら考えるは21世紀型 (Photo)
イーロン・マスクやポール・グレム氏のように火星に住むぐらいの気持ちで、仕事をしても1万時間を消費するには2~3年はかかります。
イーロン・マスクが指摘するように歳を重ねれば重ねるほど、家族もできて、背負うリスクが増えます。1万時間をコミットするなど、家族が許してくれないかもしれません。
リスクを取るなら今です。