そこは、愛媛県松山市の中心街に建つ松山城の北東およそ4
㎞の地にある「伊台」。
周囲を小高い山に囲まれた地区で、松山のベッドタウンの役
割を果たすかと思うと、高原葡萄などの果樹栽培が盛んな地
として知られる。
▼ときは卯月4月。
桜花爛漫の好季節。
「薄墨(うすずみ)の綸旨(りんじ)かしこき 桜かな」
その伊台の一角に「西法寺(さいほうじ)」という古刹(こ
さつ)が建ち、境内に伝説の桜木がある。
▼古刹の仁王門前にある<柳原極堂>直筆の句碑を右に見て
しばらく歩けば境内に至る。
そこには石垣で囲まれた「薄墨桜(うすずみざくら)」。
白鳳の昔、天武天皇より皇后の病気平癒の勅命を受け、一寺
を挙げて祈祷。
▼日ならずして皇后が回復され、喜ばれた天皇より薄墨の綸
旨とともに一本の桜を賜る。
一千三百年、大切に守り育て、現在も松山市指定天然記念物
として境内に咲き誇る。
気品漂う名花と四囲の桜木に、今年もまた春を楽しむ。
今日の歩行数 6,033 歩。キロ数にして約 3.9 。