「栗の毬(いが) 籠の中へも 日がはひる」
<細見 綾子>
「栗のつや 落ちしばかりの 光なる」
<室生 犀星>
どこからともなく「神輿音頭」のメロディーが流れる。
▼喧嘩神輿で知られる松山秋祭りも始まった。
このころになると、朝夕決まって足を向ける地がある。
「東野のお茶屋跡」
その昔、松山藩初代藩主が作らせた庭園の名残の跡。
そこには高さ数m以上に及ぶ一本の栗の木がある。
▼自生した原種の「柴栗(しばぐり)」で、出会ったのは10
年以上も前のこと。
初夏には独特の強い香りの花を咲かせ、やがて小さな毬栗(
いがぐり)に身を変える。
その毬栗が4分割に裂開し、茶色の果実が顔を出す。
▼これが「栗の実」と言われるものだが、栽培品種のものより
も一回り小さい。
だが、色つやも良く美味であることは知る人ぞ知る。
ポトリと落ちた実を拾い、持ち帰って鬼皮と渋皮を取る。
「栗飯」にすれば、ほっぺが落ちそうだった。
今日の歩行数 4,461 歩。キロ数にして約 3.1。