まだだ、まだおわらんよ・・・ -499ページ目

15時17分、パリ行き シェイプ・オブ・ウォーター ブラックパンサー

上映時間がうまくかみ合ったのでトリプルヘッダー、

1日に3本行ってきました。

 

とにかく観たい映画が多すぎて少しでも消化しようと思うんですけどまるで追いつかず、

シネコンの功罪ですな。

 

実話を元にリアルを追求したもの

半魚人との恋愛を描いたオスカー最多13ノミネーション作品

マーベルのヒーローもの

全く毛色の違う3本なので別腹でイケるんじゃないかと

 
 

 

先ず1本目

15時17分、パリ行き

この映画の目玉は主要キャストがこの事件の当事者であるということ、

テロリストに立ち向かった主役の3人だけではなく、怪我を負った乗客に救急隊員など

現実に起きた事件に遭遇した本人を起用しているところ、

 

これまでのドキュメンタリー映画のような単なる記録映像の編集ではなく、

当人を演者として新規に撮り起こす、

これまでにない新しい切り口で新境地を開こうとしたという部分では意欲的な作品ですが、

究極のリアル=脚色の振り幅が大幅に減るという部分の影響は大きく、

そこを含んで観ないと必然的にこの作品への評価は下がると思います。

 

模型作りに例えると手間暇と造形センスが求められるキット化されていないアイテムのフルスクラッチよりも

既製品である完成度の高い最新キットの素組みのほうが素人目にはよく映るのと同じように

予備知識無しに普通に役者が演じていると思ってみてしまうと凡作に映る、

その感覚に近いですかね。

 

でも、この当事者たちの演技が演技指導の賜物なのか、

素人とは思えないほど自然で、そちらの方も見どころかも知れません。

個人的評価・・・3 ☆☆☆★★

これまで多くの実話を撮ってきたイーストウッドなので、

アメリカンスナイパーやハドソン川の奇跡のような展開を期待して行くと

外されると思います。

 

このニュースを聞いたときは驚いたものでしたが、

乗り合わせていたのが軍人は軍人でも危機管理のセクションに籍を置くプロ中のプロだったという、

銀行強盗に入ったら周りが全員武装した警察官だった・・・というオチのコントのようで納得させられました。

 

またこの本人役の若者たちが生まれついての優等生でも正義漢でもなく、むしろ落ちこぼれで、

軍に入った動機もサバゲーとか、

人生で何を成すべきかを思案するのではなく、運命が自分に何をさせようとしているのか

その時に成すべきことを成せるかといった宗教観的なものも含みつつ、

如何にしてこの結末に辿り着いたかという数奇な運命についてが見どころとなっています

 

これ観て思ったのが、

武器の取り扱いや危難に遭遇した場合のノウハウなど生兵法は怪我のもと・・・どころか即死に直結、

この英雄譚はあくまで多くの偶然、幸運の積み重ねの結果であり、

テロの脅威や銃器の存在というものが日常に意識下に存在しない日本では起こり難い事象だろうなとも思いました。、

また、最近のフランスの徴兵制再導入の話題なども頭を過ぎったりしました。

 

 

 

続いて2本目

 

シェイプ・オブ・ウォーター

 

ベネチア金獅子賞にして、本年度のオスカー最多ノミネーション

パシリムのギレルモ・デル・トロ監督の手によるアマゾンの半魚人のリメイク。

 

イーストウッドとは別のベクトルでのリアルの追求、

 

クリーチャーの造形、ビジュアルはリアルで秀逸、

実際の水棲生物の特徴をうまく人型に纏め上げていて

ここはSF映画好きにはツボでした、

人では無い者と発声障害を持つ女性、

世間から阻害された者、マイノリティ同士の愛のリアル、

ここでヒロインをステレオタイプの若い美人設定にせず、

妙齢(本来の意味では無く俗に言う)で地味なキャラにしたことが巧く作用していたと思いました、

 

ここを美女と野獣や人魚姫のようにしていたら凡作になっていたと思います。

ただ、R15指定必然の下品なまでの性描写をしたところだけは蛇足感が拭えず、

ここはカイジュウ好きな監督のオタク力のなせる技なのかな・・・と。

 

美女と野獣といえば、去年流行ったエマちゃんのディズニー作品よりも

少し前に公開されたフランス映画の美女と野獣(レア・セドゥとヴァンサン・カッセルの)

方がこれに近い空気感を感じました。

 

個人的評価・・・3 ☆☆☆★★

仄暗い映像世界に冷戦下という時代設定とオールディーズのBGMなども世界観に巧くハマっていたと思います。

ただ、アングラチックなエログロ表現は如何にも現代のオタク世代的発想でバランスを崩していたようにも思えてしまい、

個人的には主題である美しく儚く・・・の部分に振り切った方がよかったような気はしました。

 

現在アカデミーの主要部門でスリービルボードと争っていますが、

個人的には映像と世界観では本作、ストーリーや脚本ならばスリービルボードに軍配かな

と思いました。

 

最後に3本目、

ブラックパンサー

マーベルユニバースのうちの一篇なのですが、、

今回他の並行世界のヒーローの助けを一切得ない描写がなによりよかったと思いました。

 

最近、単体作品でもアベンジャーズ化しているとちょっとシラケちゃうというか、

 

むかしウルトラ兄弟に助けられっぱなしのエースやタロウよりも単身闘っていた

ウルトラマンやセブンのほうが見ていて燃えた・・・という感覚に似てるかな。

 

こういうのって

単体で見せ場作ってた強いヤツが集まるというところにこそカタルシスがあると思うんですよ。

プロ野球でもペナントレースで敵対する同志が手を組むからこそ面白いのであって、

年中オールスター戦やってたら最早オールスターじゃ無くなっちゃう的な・・・

 

今回のヴィランがマイケル・ジョーダン

といってもバスケのではなくて、あのロッキーの続編クリードで主役やってた人、

クリードといえば彼女の方(テッサ・トンプソン)も去年ソーにヴァルキリーで出てましたね。

 

そしてもうひとり

指輪物語のゴラムやスターウォーズのスノークなどモーションキャプチャーではお馴染みの

アンディ・サーキスが今回は素顔を晒してヴィランとして登場しています。

 

個人的評価・・・3 ☆☆☆★★

インフィニティ・ウォーの前段なので場繋ぎ的でそれなりかな・・・という気で観に行ったのですが、

それどころか、本作単体でも成立するほどの完成度で、最近のアメコミ映画、まったく侮れません。

 

アクションも迫力満点で、

“賢者は橋を渡し愚者は壁を作る”とストレートに現在の世界情勢を皮肉っていたり、

アフリカの戦闘部族同士の諍いや協力関係をモチーフにした世界観なども新鮮で楽しめました。

話もちゃんとしていて、マーベル知らなくても鑑賞に耐えうる出来になっています。

ただ、よく纏まってる分だけ全体的に真面目で無難な展開、

その分ヒーローものならではの熱さというか感情移入出来る部分=カタルシスも薄めだったようにも感じました。

 

あと、これをリアルなアフリカの人が見たらどう思うのかな?という部分に興味が湧きました、

日本人から見たウルヴァリンサムライやスーサイドのカタナのような感覚は無いのかな・・・とか余計な心配をしてしまいます。

 

それと ワカンダの科学力があれば、スターク商会廃業じゃないかってくらいで、

アイアンマンスーツもスパイディスーツもここで作った方が早いんじゃないかってくらいチートで笑っちゃいました。

ジャスティスリーグでスーパーマンいたら他要らないんじゃね?・・・的なね、

ま、アメコミ映画ってそこがいいんですけど。