★★★★☆
本作は、木嶋佳苗死刑囚が実際に起こした連続不審死婚活殺人事件を元に作られた作品。
牧村花音は、複数の交際相手を練炭自殺に見せかけて殺害したとして逮捕起訴されている。
その裁判の初公判で知り合った野間佳代、リリー、お良、ミルクの4人の女性は、佳代をリーダーに毒っ子倶楽部と称して、いつも公判の傍聴後に集まり、リリーが持ってくるライターの池尻が書き上げ、リリーが補足した報告書も合わせて議論を交わして楽しんでいた。
話の時間が前後するが、結婚が決まっていた親友が車内で練炭自殺した事に疑問を抱いた池尻は、親友から名前も素性も聞かされていない婚約者の女性を怪しみ、親友と婚約者の女性が知り合ったという合コンでカップルをマッチングするクラブに参加し、そこで栗栖汀子(偽名)と知り合い付き合うようになる。 話は毒っ子倶楽部の集会がある現在と、池尻が汀子や花音と関わる過去とが交互に描かれていく。
池尻は、親友の婚約者だった女性を捜すために再び合コンに参加するが、そこで親友が言っていた特徴と一致する女性の牧村花音と接触し、その花音が汀子と同じマンションに住む汀子の顔見知りだと判明する。 その後、池尻は街で花音と遭遇し花音の部屋に招かれるが、コーヒーに何か薬を盛られ気を失い目が覚めたら汀子の部屋にいた。 これはあまりにも怪し過ぎる。
池尻は更に花音に近づくが、すぐに花音の魅力の虜になりズルズルと男女の仲になりながらも親友の死の謎を探ろうとする。
いずれ池尻が花音に殺害されるのであろうとは最初から思っていたが、池尻が、まんまと3回も花音に睡眠薬入りの飲み物を飲まされるのには、ほとんど小学生低学年くらいの知能しかなくて呆れたというより、あまりのバカさ加減に驚愕した。 こんなバカなかなかいないと思う。
毒っ子倶楽部のリーダーの佳代は、池尻に息子の死の調査を求めた池尻の親友の母親だというのと、汀子は花音がいっしょに暮らしているというが姿を見せない妹であり、尚且つ毒っ子クラブのミルクの1人3役なのではないかとは早い内から想像がついていたが、お良が花音の母親であり、リリーが佳代と共に事件を調べているノンフィクション作家だとは分からなかった。
そして、終盤での花音の弟の事件の中での存在と役割も唐突だった。
事件の真相は、花音は男を騙して金を奪い睡眠薬で眠らせていただけで、練炭自殺に見せかけて殺害していたのは花音の家族らの犯行だった。 本作は、実際にあった事件を作者が捻って付け足し膨らませたものであるが、事実は小説より奇なりで、どう捻りに捻って巧みに描いても実際の事件に勝る事はないのかもしれない。




