私の小説レビューG -5ページ目

私の小説レビューG

私の読んだ小説の記録です

                                                

 

★★★★☆

主人公女性の姉は、キーウエストの教会で牧師をしていたが、ある日謎の失踪をしてしまう。 警察から連絡を受けた妹は、キーウエストに居を移して姉の捜索を始める。

 

やがて悪魔崇拝の邪教者集団の闇に巻き込まれていくのだが、登場人物がそれほど多くなくて、話があっちこっちに飛躍する事もなく、最初から最後まで一本筋が通っていてブレがなく読み易く面白い。

 

ただ真犯人は、ミステリーの常套的に大方の読者が察しが付くだろうし、中盤からの終盤にかけての多少の中だるみ感がちょっと残念な所か。 それでもなかなかいい作品だった。

            螺旋墜落

 

★★★★☆

主人公女性の乗った旅客機は、午前0時に墜落し乗員乗客は全員死亡する。 しかし、女性が目を覚ますと時刻は午後11時01分で、旅客機は再び午前0時に墜落する。 そして、それを何度も繰り返すという 

謎で恐怖のタイムループに囚われてしまう。

そして、もう一人の主人公の、この旅客機を操縦するクルーの副操縦士は女性の息子だった。

 

旅客機の墜落を阻止できるのは主人公だけだが、墜落して目を覚ますたびに時間が進んでいて午前0時の墜落までに行動できる時間が少なくなっていく。 女性はタイムループから抜け出し墜落を防ぐ事ができるのか。

 

主人公のいい年をした息子に対する執着の強さ、そして、その息子のありえないほどの頭の悪さと、ファザコンから来る呆れるほどの幼児性に読んでいて気持ち悪過ぎてムカムカした。

このバカな息子のせいで最愛の母親と父親が斬殺される事になってしまう・・・。

 

なかなか面白い内容だが、息子の信じられないほどのバカさ加減に対する怒りと、何故に母親は自分の運命の時を何度もやり直せる特権が与えられているのか明確な説明がなく不明瞭でモヤモヤした。

                                               

 

★★★★☆

夜の街、大阪ミナミで生きる人達を描いた2編つの短編集。

表題作の「夜の鳩」は、キャバレーの呼び込みをする40代の自称

イケメン男性の惨めなプライドと気怠い日常の悲哀を描いた作品。 主人公の男性の情けない哀れさと、互いに心に闇を持ち惹かれ合うチーママとのただれた関係も好きにはなれなかった。

 

「タイムカプセル」は、「地下の鳩」とは連作で、こちらは同じく

大阪ミナミのオカマバーのママ、ミミィが主人公になっている。

子供の頃に酷いイジメにあった辛い記憶からずっと逃れられずに生きてきたミミィ。 しかし、自分を守るために真面目に嘘をつき続けて一生懸命に必死に生きてきたミミィは立派かもしれない。

           

 

★★★☆☆

「ツバキ文具店」シリーズの第三弾?

先代から店を引き継いだ主人公の鳩子が、店で代筆屋も営みながらミツローという男性と結婚し、ミツローの連れ子のQPちゃんと3人で家族になって心温まる日々を送る物語。

 

シリーズを通して読んできてないから、登場人物らの関係や経緯が

最後までイマイチよく分からなかった。

 

ミツローの実家のみんなは、心温かい人達ばかりだが、先代である鳩子の祖母は、人の心を踏みにじるような人だし、母親はクズで、

何で鳩子のような心清らかで優しい人が出来上がったのか不思議。

 

そして、鳩子のミツローの前妻に対する思い入れが深過ぎて執拗で、

普通ならいい話のはずが、逆にちょっと気持ち悪かった。

           

 

★★★★☆

盲目の少女とわが、大好きな優しい母親と2人でひっそりと暮らしていた。 しかし、次第に母親が精神に異常をきたし時折娘を虐待するようになる。

 

そして、ある日突然、母親は娘を捨ていなくなってしまう。 この時、とわは自身の年齢を知らなかったが、もう大人になっており、それから5年間を、家から一歩も出ないで縫いぐるみの犬と共にたった独りで、激しい飢えと不衛生な環境に耐えながら暮らしていく。

 

やがてとわは保護され、勉強や生活していくうえでの教育を受け、友人や盲導犬と出会い、自身の心に輝く光を見出し育てていく物語。

 

とても素晴らしい作品だと思うが、とわの初恋での性愛が余計なのと、母親に捨てられ独りで暮らした5年間が、あまりに悲惨で読むのが辛かった。 

 

そして、最後にとわは、かつての母親の愛を再確認し亡き母を許すが、一人ではほとんど何もできない盲目の娘を捨てたという事は、もうこのまま娘が死んでもかまわないという事で、私はとてもこの母親を許せる気にはならなかった。