★★★☆☆
大手カード会社が始めた疑似母ふれあい里帰り体験サービス事業。
その1泊2日で50万円のサービスを利用する人生に疲れ悲哀を感じている初老の3人の男女。 それぞれ3人は別々に疑似母とのふれあう時間の中で変わっていく。
里帰りする方も迎え入れる疑似母の方も、そして里の村人までもがエキストラとして全員が演技をし、サービスを利用した客を徹底して里帰りした子供として扱うが、ん~これはどうなんだろうか。
もう最初から読んでいても違和感ありまくりで、どうしたって疑似母は偽者でしかないんだし、たった1泊でそこまで気持ちが入り込む事など普通考えにくい。 そもそも読んでいる読者も、これに感動感涙する事など難しい話でまるで説得力がないが、村人らの純朴さと疑似母役の里の老婆の優しくて誠実で温かい人柄が伝わってきたのは
唯一良かった所か。
最後に里の疑似母が亡くなってしまった時、たった2.3度、その都度大金を叩いて疑似里帰りした男女らが、居ても立ってもいられず弔問に訪れたその心が、この物語の尊い所かもしれないが、その昔は、感動感涙小説の名手だった浅田次郎だが、もしも彼が、これを感動作のつもりで書いたのなら、作家としての感性も錆び付いてズレてしまっていると言わざるを得ないかも。
