激突! / リチャード・マシスン | 私の小説レビューG

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私の読んだ小説の記録です

           

 

★★★☆☆

オムニバスTVドラマ「世にも奇妙な物語」の原作本のような、いろいろな恐怖を描いた5編からなるサスペンスホラー短編集。

 

表題作の「激突!」は、スピルバーグが初監督した名作映画として名高く私も4回観たが、原作を読んでみてビックリ。 映画ではスピルバーグならではの捻りや物語の膨らましなんてまるでなくて、各シーンのカメラ割までが原作まったくそのまんまで、これじゃスピルバーグの初監督作品が素晴らしいんじゃなくて極限の理不尽な恐怖を描いた原作が素晴らしいんであって、スピルバーグは何にもしていないに等しい。

 

「狂った部屋」は、まったく才能がない作家志望の男が、作品が一文字も書けない激しい苛立ちを、妻や家の物にぶつけ続けた果ての狂気の結末は、部屋が狂い出したんじゃなくて本人が狂っているだけだと思うが。

 

「スローター・ハウス」は、幽霊屋敷を購入して移り住んでしまった

兄弟の悲惨な結末を描いたものだが、幽霊ネタに見せかけた別のオチだったら味があるのに普通過ぎて恐怖を感じず残念な作品。

 

「蒸発」は、世の中をもっと単純にしてほしいと願った男が、ある日を境に友人知人らが、自分以外の人達から記憶も存在も跡形もなく消え去り、やがて銀行預金も妻も自分の家も消え去ってしまう。

でも、ここまでで話を終われば、その後の孤独に取り残された主人公の恐怖を想像して面白いのに、最後は主人公自身も跡形もなく消え去ってしまう。 これじゃ主人公の恐怖も消え去ってしまってつまらない。 せっかくの秀作だったのに最後が大失敗。 

 

「不吉な結婚式」は、結婚式を直前に控えた男が、悪魔を恐れるあまりに結婚の儀式に関する独自の迷信に異常なまでに拘り身を亡ぼす話。 妻になる女性からしたら、こんな異常者と生活する事がなくなってめでたしなんだが。