★★★★☆
20代から50代女性それぞれの悲哀、苦悩、そして幸せを描く7編からなる短編集で、どれも特段に派手さはないが、しみじみとした心に静かにジワっとくる作品ばかりだ。
中でも表題作「星がひとつほしいとの祈り」で、盲目の華族の令嬢に献身的に尽くす女中と主人公の令嬢との強い心の絆が美しく、そして悲しい別れの物語で凄く良かった。
でも、「椿姫」の少年が、ほとんど見ず知らずの女性に、何であそこまで付き添うのか意味不明だし、「斉唱」の神経症の少女が、たかが佐渡に一泊してトキを見ただけで簡単に心を開いたのも意味不明というか説明不足だ。
「沈下橋」では、罪を犯して逃走中の有名女性歌手が、元義理の母を頼ってきて10年ぶりに再会する話で、犯罪者とそれを匿う者、どちらも決して正義ではないが、2人の間に今もある何らかの絆のようなものが仄かに描かれて良い作品だ。
原田マハは、どちらかと言えば女性読者に多く好まれると思うが、
普通に良い作家だなと思う。
