こんにちは!
ギターのトップ板とサイド&バック板をワンランク上の板にすると音は良くなるのでしょうか?
確かに良くなります。でも、相性の良い組み合わせは大切だと思います。シトカ・スプルースとインディアン・ローズウッドは定番の組み合わせですが、美しい高音と重厚な低音、そしてカチッとしたシャープな音質で長年愛されています。
では、これらをワンランク上の板ににして、トップがアディロンダック・スプルース、サイド&バックをマダガスカル・ローズウッドにするとどうなるのでしょうか。
2年ちょっと前に撮影したギターが、この組み合わせの板でした。初めて聴いた時、その音がとても印象的でした。
Ayers SJ09A-CS OTSNH Custom
アディロンダック・スプルースは元々は明るいベージュ色なのですが、熱処理をしたベイクド・アディロンダック・スプルースは濃い黄色になります。熱処理することで水分が飛び、新品でも枯れたヴィンテージサウンドがします。
そして、サイドとバックがマダガスカル・ローズウッドです。
マダガスカル・ローズウッドはワシントン条約のため今ではほとんど手に入らないブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)に近い杢目と言われ、その重量感と硬さはローズウッドの中でも一番と言えるギター材です。
確かに持つとずっしりとした重さがあります。
この木はその名前の通り、アフリカのマダガスカル地方で産出されますが、それほど流通していないため、希少で価格は高めです。音の厚みや深みがあり、まるでドイツの高級車のようなしっかりと芯のある音がします。
色は濃い茶色になります。杢目は直線に近い杢目で、インディアン・ローズウッドよりも太めの黒い杢目が入ります。部位によってはほとんど黒い線が見えない部分もあります。
ボディをトップ側から見ると、ベイクド・アディロンダック・スプルース、コンターの赤(パドック)、そしてマダガスカル・ローズウッドの茶色となります。派手ではありませんが、美しさを感じる色合いです。
なお、このギターにはスーパーナチュラルピックアップが搭載されていました。
ヘッドプレートもマダガスカル・ローズウッドだと思います。統一感がありますね。バインディングはパドックで、赤い縁が付いています。
ヘッドのバックはエボニーです。黒くて引き締まった印象です。ペグはGOTOH 510のゴールドになります。
このギターで一番目立っているのは、指板に動物のインレイが施されていることです。
ゾウやシカ、チーターなどが見えます。演奏している時にこの動物インレイに目が行ってしまいますね。
トップの上側のコンター。Ayersのコンター加工は、3D曲線で丸みがあって美しいです。カッタウェイ部のコンター加工も同様です。
そしてこのギターにはバックにもコンターが入っていて、合計3か所コンター加工が施されています。
後ろにコンターがあると右腕のわきの下が痛くならず、とても快適に演奏できます。
あまり見ることがないマダガスカル・ローズウッドですが、どんな音がするか、次の動画でご確認ください。
いかがでしたか。重厚と言った表現がぴったりの音の厚みと深みだと思いませんか。
AyersのOTSにより倍音が豊かに鳴りますので、さらに音の厚みが増して聴こえますね。
このギターの音がずっと印象に残っていました。アップグレードにより費用は掛かりますが、ベイクド・アディロンダック・スプルースとマダガスカル・ローズウッドの組み合わせは、音の深みや厚みを求める方にベストだと思います。
自分の理想のギターを作りたいと思いましたか。もしそうならば以下のページもご覧ください。
心から満足のいくギターをぜひ一本お手元に。
ではまた!